「売れない理由」ではなく「選ばれない理由」を探る視点
皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
西日本も梅雨明けで、本格的に夏が到来しました。
6月中に梅雨が明けるのは異例ですね。
猛暑に対しての心の準備はまだできていませんが、倒れないように頑張ります!
さて、今回はマーケティングのお話です。
支援先様でも「売れない」「売り上げが伸びない」という話が多いです。
それもそのはずで中小企業や零細企業はほとんどの会社がマーケティング活動を何もしていません。
売れない理由を並べて終わるのが、中小企業の会議です。
しかし、重要なのは商品やサービスが「売れない」と感じたとき、「価格が高すぎたのか」「機能が足りなかったのか」「プロモーションが弱かったのか」といった“売れない理由”を探すのではなく、「選ばれていない」ことが問題と認識すべきです。
この“視点の違い”が、戦略の方向性を大きく変える鍵となるのです。
「売れない理由」を探すことは、“我々の反省”をすることと同義です。
・価格設定を見直す
・商品説明をもっと丁寧にする
・SNSでもっと投稿する
といった、プロダクトアウト的な視点です。
一方で「選ばれない理由」を探すことは、“市場(顧客)の視点”に立つことを意味します。
・顧客の選択肢の中で、自社はどのように見えているか
・そもそも「選択肢」にすら入っていないのではないか
・顧客が重視している価値は、価格や機能とは別のものではないか
つまり、「なぜ選ばれていないのか」という問いには、自社の価値の定義そのものを見直す必要性が含まれています。
現代の市場は、情報過多・商品過多の状態です。顧客は「どれを選んだらいいのか」を迷っているというより、「どれにも決め手を感じていない」状態にあります。
このような時代においては、「うちの商品はいいですよ」というアピールだけでは不十分です。
顧客の頭の中に“選択肢としてインストールされる”ためには、明確なポジショニングが不可欠です。
たとえば次のような問いが有効です。
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この商品・サービスは「誰の」「どんな悩み」を解決するためのものか?
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顧客は、競合ではなくなぜうちを選ぶのか?
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顧客が「選ぶとき」に基準としている価値観は何か?
このように「選ばれる条件」を言語化できる企業は、価格競争やスペック競争に巻き込まれにくくなります。
選ばれるためには、顧客の理解レベルに合わせた表現力と共感力が問われます。
このように売れない理由を自社の中に求めるのではなく、選ばれない理由を顧客の視点から問い直しましょう。
中小企業の多くは「いい商品なのに売れない」という悩みを抱えています。
しかしそれは、商品の本質的な価値が“まだ伝わっていない”だけかもしれません。
だからこそ今、改めて問うべきです。
「誰が、なぜ、うちを選ぶのか?」
この問いの答えを言語化し、伝えることができれば、自然と選ばれ、売れるようになります。
顧客視点での価値をどのように見せるか、そういう会議や取り組みを増やしてはいかがでしょうか。
それではまた次回です。