経営方針書 考え方

宝の持ち腐れになっていませんか

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。

 

企業が戦略を立案する上で、自社の経営資源や競合との優位性を把握するために用いられる「VRIO分析」というフレームワークをご存じでしょうか。

 

VRIO分析とは、企業が持つヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源に対し「価値(Value)」「希少性(Rarity)」「模倣可能性(Imitability)」「組織(Organization)」の順に4つの問いかけを行い、強みの優先順位を明確にする手法であり、SWOT分析のS(強み)の補完分析として用いられます。

 

・価値(Value)

企業が保有する経営資源は、外部環境(機会・脅威)に適応することが可能であるか。

 →市場にとって価値ある資源か

 

 

・希少性(Rarity)

その価値ある経営資源をどれだけの競合企業が既に保有しているか。

 →希少性が高いか

 

価値があっても希少性が無い経営資源は、保有していることが前提となっており、保有していない場合は競争優位を失います。

 

 

・模倣可能性(Imitability)

希少性が高く価値ある経営資源を持たない企業は、その経営資源を獲得するために多大なコストを要するか。

 →模倣されにくいか

希少性はあっても模倣されやすい場合は一時的に競争優位を持ち利益を生み出すものの、長くは続きません。

 

 

・組織(Organization)

希少性が高く価値があり模倣されにくい経営資源は、組織全体で使いこなせているか。

 

模倣可能性が低いものの組織で活用できない経営資源は、宝の持ち腐れとなってしまいます。

 

 

VRIO分析は自社だけでなく、他社に対しても行います。競合が内部資源をどれだけ保有しているかは把握しづらいですが、1つの製品を例にとって分析し、自社と他社の差がどこにあるのかを知り、良い部分を真似することから始めても良いのではないでしょうか。

 

また、VRIO分析は1度行えば終わりというわけでなく、自社の経営資源の保有状況や外部環境によって変化します。定期的に実施し、自社の強みや他社との競争優位を整理しましょう。

中小企業診断士 杉本貴弘

組織・人材育成 経営基盤の強化 経営方針書

顧問先様の経営方針発表会に出席しました

先日は長尾とともに、顧問先様の経営方針発表会に出席しました。
発表会の会場は、とあるホテルの会場を貸切られ、とても厳かな雰囲気でした。 
 

経営方針発表会の冒頭では、社長からの今後30年先を見据えた、企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)についての発表がありました。
30年先というのは、今現在、勤務されている一番若い従業員様が定年を迎える年として設定されたそうです。
また、従業員の皆様が長く働きたいと思える会社にするために、今後、会社としてどのような取り組みを検討しているのかについての発表もありました。
賃金の上昇と家庭も大切にしながら、仕事も充実したものにして貰いたいという社長からの言葉の1つ1つには、従業員の皆様を大切にされているという想いがとても伝わってきました。
 

従業員の皆様からは今年の売上目標とその目標達成に向けた施策の発表、各自の決意表明の発表がございました。
決意表明をすることで、自分自身を奮い立たせることが出来るとともに、仕事に対する考え方、目標などを会社の皆様に伝えられる機会であるとも実感しました。 
 

こちらの顧問先様とのご縁は、経営改善支援がきっかけですが、現在は黒字化し更なる成長に向けて進まれています。
創業100年以上の企業様で、経営者様や幹部層の皆様の経営に関する考え方など、私たちも学ばせていただくことが多いです。
 

弊社においても来年1月に経営方針発表会を執り行う予定です。
当社はこれまで代表の長尾からのみの発信による経営方針発表会がでしたが、顧問先様の経営方針発表会に出席し、今後は従業員からの発信も多く行う経営方針発表会を実現していきたいと思いました。

 
伊藤 侑加

組織・人材育成 経営方針書 考え方

経営者の立場、従業員の立場

こんにちは、伊藤です。

フラッグシップ経営に入社して早くも1年が経過しました。

現在の仕事は、事業者様の課題を解決するためのパートナーとして
経営者や経営幹部の皆様とお話する機会が多く、多忙ではあるものの充実した日々を過ごしています。

経営者の方とお話する中で実感することは、
殆どの経営者の方が
「従業員の皆様に利益を給料で還元したい。」
「この会社で働いていることに誇りをもってもらえる企業にしたい」
「安定した雇用の維持」など、従業員の事を本当に考えられているということです。

M&Aの現場においても、譲渡時の条件として「従業員の雇用の維持」を挙げる企業様が大半です。

当社に入社するまでは、
私は「世の中で賃上げの話が出ているけれど、住民税の増加分の方が給料の増加分より多いわ。」や
「なぜ今のままで十分なのに人事制度を変更するのか」など従業員としての立場でしか物事を考えられていませんでした。

会社が社保・雇用保険料などを半分負担してくれているという事は知っていましたが、
会社が新たに行うこと、会社が変わろうとする事象に対し、常にマイナス思考にしか捉えられていませんでした。

でもよく考えれば
同じ仕事しかしていないのに給料を上げて欲しい、
利益が増えていないのに給料を上げて欲しいって・・・。

今の職業に就いたお陰で色々と気づくことが多いです。

また、利益が良くても悪くても、従業員がプラス思考になることは殆ど無いと判断して、
経営状態を伝えていない会社も多く存在すると思います。

何もわからなければ、
従業員としては、目の前の仕事をこなすだけでよいと判断し、
会社の物事を自分事と捉えられないのもやむを得ないと思います。

従業員の視座を経営者が見る視座と同じ位置にする必要はないですが、
経営者が会社のビジョン(夢・大きな目標)を従業員に共有し、
例えば、各人に売上目標を課すのであれば、なぜこのような目標があるのか、
人事評価を変更するのであれば、会社としてどういう人材になって貰いたいから評価方法を変更するなど・・
経営者が従業員に対して思っている事をしっかりと伝え、
経営者と従業員の価値観をすり合わせしていくことが大切だと感じています。

もちろん、話をすることで
会社の方針と合わないとして、去ってしまう従業員もいるかもしれません。

しかし、変化が激しい今の時代では
経営者、従業員、皆が一致団結して前を向いて取り組まなければ乗り越えることが出来ません。

経営者が自身の思い、従業員に期待すること、従業員へどのような還元をするのかをしっかりと伝え、
経営者の想いや会社の理念、方針に共感できる従業員が集まり、
組織力を高めながら様々な状況を乗り越えていくことが重要だと思います。

伊藤 侑加

経営基盤の強化 経営方針書 考え方

自社の経営方針発表会より

こんにちは、伊藤です。

2月1日は当社の経営方針発表会でした。
 


 

当社は代表の長尾が個人事務所として創業し14年目、法人化して第7期目となります。
経営方針発表会では、昨年度の振り返りと、中期計画、今期計画の発表がありました。
 

雇用を生み、利益を出し、社員が働き続けるために
「日本の平均年収の3倍の年収を常に生み出す会社にする」
「計画5年目(2028年12月期)には従業員30名、売上10億円の規模を目指す」というミッションも発表されました。

 
代表の長尾からは当社の経営ビジョン、経営戦略、
ビジョン達成のためにはどのような考え方を持つべきかなどの共有がありました。

 
日常で聞く内容と重なる部分もありましたが、
経営方針発表会という形で改めて聞くことで、身の引き締まる思いとなりました。

今後の会社の方向性を知ることにより、
「今後のフラッグシップ経営で自分はどうありたいのか。」「どうあるべきなのか。」「今の自分の状態は?」など、

未来の会社の姿から未来の自分に落とし込み、現状とのギャップ、目的達成のための課題、今後の何をどう取り組むべきかなどを改めて考えることもできました。
本年度も当社と出会った事業者様に喜んでいただけるよう尽力して参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。

 

伊藤 侑加

組織・人材育成 経営方針書

経理・総務担当でもできること

こんにちは、事務員の松野です。

 

ニュースレターでも記載させていただきましたが、オフィシャルブログにてもう少し詳細にお話させていただきます。

 

弊社は、12月決算であり、今期も後4ヶ月となりました。今期予算を達成するために経理・総務としてできることは何なのかを常に意識して業務を行っております。

 

入社当時から、前月の試算表は当月の1週目までには完成させ、第2月曜日の朝礼にて試算表を発表しており、単月・累計それぞれで、予算と実績の比較、販管費のハイライト、今後の予想等を自分なりに工夫し、全員に共有しております。

 

売上を取ってくるということは経理・総務担当としては困難ですが、経理について言えば、設備・機器・備品等を購入する際は、妥当な金額なのか、本当に業務に必要なものなのかを発注する前に再度検討する、振込みを行う前に請求書が正しいのか確認する、細かいことですが、朝礼時に電気やクーラー等の水道光熱費に関連したことを周知することです。

 

総務に関しては、弊社が申請できる助成金を探し、資料収集から助成金の受け取りまでを一人で完結させることです。助成金申請の際は、締切の日付や進捗管理、文章力、メールでのやり取り等、学ぶことがたくさんあります。最初は、自分一人でできるかという不安な気持ちになりますが、何事にも挑戦することが大切だと思います。

 

売上を増加させることだけが会社の利益を出すものではなく、経理・総務として経費削減・助成金申請も会社が目標利益を達成するために必要なことです。

 

また、弊社の経営方針書の「社員に関する方針(社員力)」にも書かれてあるように、一隅を照らす。自分の役割を自覚し、チームの目標を達成することができるよう、経理・総務としてできることを引き続き取り組んでいきます。

 

事務 松野あやか

活動報告 経営方針書

チームでの達成感

こんにちは、事務員の松野です。

 

先日、「成長シートを自己採点した結果」のオフィシャルブログで記載しました「会社全体で取り組む・相手も巻き込みながら取り組む」ことができ、チームでの達成感を感じた出来事がございましたのでご紹介させていただきます。

 

伊藤・杉本と現在、経営方針書の浸透に関することを進めており、全員から現在経営方針書に書いてある項目が自分はできているのか、会社を見回した時にできているのかを収集しました。

会社として全員が取り組めている項目は、〇を、現状できていない・問題がある項目には、×を記入してもらいました。

 

全員のシートを収集し、伊藤・杉本と3人で今後どう全員にフィードバックしていくのか、共有・改善していくのかを議論している際は、意見が食い違い、思ったように進まない時もありました。

 

23回と打ち合わせを進めていく中で、それぞれの意見を尊重し、最終的には3人が納得する形にできました。そして無事、弊社が毎朝行っている朝礼で、書面で全員に弊社の経営方針書の浸透に関することを発表することができました。

 

取り組んだ結果、経営方針書には、一見スキルは不要に見えてコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルを要する項目もあり、またどの状態になれば経営方針書の項目ができているのかという基準が設定できない項目があると気づきました。

 

会社としてできることには限界があり、意識して全員で会社を良くしていこうという想い、意識し継続していこうとする気持ちが大切です。

 

また、経営方針書は、あくまで方針(そういう在り様で、永遠ある方向を示す針)であり、できている・改善できた項目だからといって、次に進んでいくものではなく、会社の経営方針書に沿って行動し続けることが大切であるという着地点になりました。

 

少し、遠回りしたところもありましたが、3人で進めた結果得られた気づきであり、一人で行っていたら味わえない達成感を感じることができ、一歩前に進めたように感じております。

 

引き続き、今の課題である「気づき、思いやり、貢献意欲を会社の社風として浸透させること、相手も巻き込みながら、社内全体の活性化に貢献していくこと」を意識していきます。

 

 

事務 松野 あやか

経営方針書 考え方

考え方が変わる

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

最近、歳を重ねたせいか考え方が丸くなったというか、昔のような尖った感じがなくなったと思うことが多くなりました(周りがどう思っているかは分かりませんが・・・)。

 

例えば、社員Aの欠点や短所が気になると、そこばかりが気になっていたのですが今は「でも、こういう長所があるし、誰でも得手不得手があるのは普通のこと」と自然に思えるようになってきました。

 

また、ある日は「会社が緩んできているから、厳しい話をしよう」と思い、朝礼で厳しい話をするのですが、数時間後には「言いすぎたかな」と思い直すことも増えました。

 

どういう心理状況なのかは自分でも分かりませんが、「社員を信じて任せる」ことが自然にできるようになっているのだと思います。

 

性格上、私は仕事の全てを把握したいと思ってしまうので、どうしてもあらゆることに口出ししたり、自分の思うような方向に進めるために社員の意見を否定したりしたくなっていたのですが、社員が増え、各々が成長していることで自然に自分の考え方も変わってきました。

 

3年前に拡大路線に舵を取り、その際に経営方針書を作成し、それを共有してきたのが良かったのかもしれません。

 

いずれにせよ、この歳で性格や考え方が変わってきたというのは、私自身が事業の拡大や採用・教育に注力する過程の中で成長したことだと思います。

 

今後は仕事に対しては厳しく、人に対してはもっと優しくなれるよう、さらに人間力を高めたいと思います。

組織・人材育成 経営基盤の強化 経営方針書

会社としての目標を共有=経営方針書で共有

こんにちは、事務員の松野です。

 

過去にご支援させていただきました製造業の会社様の経営方針発表会と現在、顧問先様で経営方針発表会の準備をしている中での気づきをお話させていただきます。

 

経営方針書とは、経営理念や年度方針、数値計画、環境分析、会社の10年後のあるべき姿などを1冊にまとめたものを指します。

 

経営方針発表会を開催する目的は会社様によって異なります。

・経営理念や経営方針がないため、経営方針書を作成し、社員へ共有したい

・今後の会社の方針やビジョンを社内で共有することで全社員一丸となって会社を成長させたい

・現状維持ではなく、会社の成長をさせるとともに社員のモチベーションを上げたい

・事業拡大や組織体制を強化したい

などが挙げられます。

 

ただ単に経営方針書を作成するだけでは、形式的になってしまう可能性があるため、何のために作成するのかという目的を決めることが重要になります。

 

そもそも目的が分からない、経営者の頭では分かっているが、言葉で表すのは難しい、文章で表すと手が止まってしまうなどでも構いません。

 

弊社では、先生としての指導ではなく、パートナーとしての伴走しておりますので、経営者や社員の方々からヒアリングを行い、作成する目的や数値計画、経営理念、発表会の準備など、全て経営者の方々と共に考え、事業の発展に貢献していきたいと思っております。

 

また、弊社のHPでは、会社概要や特徴、スタッフ紹介をしておりますので、ぜひご覧ください。

会社概要はこちらから

 

事務 松野 あやか

ご挨拶 経営方針書 考え方

「経営方針書」の作成で年を越す

皆様、こんばんは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

このブログを書いているのは1231日の19時半でちょうど紅白が始まったタイミングです。

 

私は、幼少の時から年末年始のテレビの特番や歌番組には見向きもせず、自分の世界に入るのが好きでした。

 

それは今も変わらずで、ここ数年は書斎にこもって音楽や映画を流しながら(聴いても見てもないのですが、音があれば落ち着くので)、予算や方針書の作成、新年の目標を考える、年賀状のコメントを添えるなどを行いながらのんびりと過ごしています。

 

私にとって年末年始の休暇は会社のことを考える絶好の機会でして、特に、社員数が増え会社が急激に大きくなっているため、方針書に私や会社が目指す考え方を可能な限り伝えようと時間を割くことにしています。

 

年末年始の休暇は当社にとっては単に年が変わるだけでなく、新しい期の始まりでもあります。若い時は予算の作成程度だったのですが、年を重ねたせいか、最近はどんな会社にしたいのかを考えることが多く、売上や利益よりも戦略や組織について考える時間が本当に増えました。

 

普段から考えていることを数日の休暇で全てまとめるのは容易ではありませんが、責任を感じながらも楽しんで、間もなく始まる来期方針を完成させたいと思います。

 

末筆ではございますが皆様、本年も大変お世話になりました。来年も皆様にとって良い年になりますようお祈り申し上げます。

経営方針書 考え方

バスの目的地を理解しているか

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則(ジムコリンズ著)』では、「だれをバスに乗せるのか」が重要であり、まず適切な人(誰を選ぶか)を、その後、目標(何をすべきか)の順番で決める必要があります。ビジョンや戦術、戦略、組織構造なども全て後です。

 

しかし、多くの企業はゼロから誰をバスに乗せるかを考えることはほとんどのケースで難しく、既にバスに人が乗った状態で走っています。

 

そのため、不適切な人をバスから降ろす又は座席を変えて(後部座席へ座らせる)から、目的地を決めなければなりません。

 

(不適切な人=すぐにリストラ、レイオフではないことに注意が必要です。)

 

リストラをしない、しかし不適切な人をバスから降ろすことは一見、矛盾することへの挑戦ですが、最も効果的な方法は、経営方針や社風が不適切な人を自然とバスから降ろさせる(結果、自発的に降りていく)ことです。

 

では、不適切な人とはどのような人のことなのでしょうか。

 

「性格や基礎的能力、専門知識、学歴、業務経験」など様々な要素があると思いますが、私は既にバスが走り出している場合、「バスの目的地を理解し、日々の言動に表れているか?」を重要視しています。

 

会社の目標達成が最も重要なのですが、組織では大小異なれどそれぞれの利害があり、会社にとって重要なこと、やるべきことであっても自分が不利になる場合、やりたくない場合には、会社ではなく個人を優先した言動を取りがちです。

 

ここで、自分が不利になる、やりたくないことでも会社の目的地を理解し、目的地に近づくための行動ができなければ、それは不適切な人であり、バスの後部座席に座るか降りていただくしか無いのではと感じます。

 

1回だけで判断することはできませんが、2、3回と不適切な言動がある人は、その後も同じようなことを繰り返し行うものです。

 

社長自身のベクトルと揃っていないと感じる社員がいる場合には、まずはその社員の座席変更を検討し、それでも難しいようであればバスから降ろすために早急に経営方針の作成、社風の改善に取り組みましょう。

 

中小企業診断士 木戸貴也