「相乗積」を活用した営業戦略の立て方!
こんにちは、伊藤です。
梅が咲き始め、また、私の好きな日本酒も新酒が出荷される時期となり、少しずつ春の訪れを感じている最近です。
さて、今回のテーマは「相乗積」を活用した営業戦略の立て方!です。
日頃、営業活動を行う中で、
「A社は当社のシェアが大きいから、売上を維持するための守りの営業を行う」や、
「B社は当社の取引がないから、攻めの営業を行う」など肌感覚ではわかりながらも
「どの取引先でいくら売上を伸ばせばよいのか?」「適正利益率はどれぐらいなのか?」を判断するのは困難ではありませんか。
そのような場合に活用できるのが「相乗積」です。
「相乗積」とは、「売上高比率×粗利益率」で求められ、部門・商品群ごとの利益貢献度を表すものです。
スーパーマーケットなどの小売業者の店舗レイアウトの改善検討時やマーケティング戦略立案時に活用されることが多いです。
今回は、部門・商品群を、取引先に置き換え、各取引先の利益貢献度を計算し、取引先別の営業戦略を考えてみたいと思います。
まずは、取引先別リストを作成し、取引先ごとの売上高構成比×粗利率で相乗積を計算します。
今回はエクセル形式で作成しました。
相乗積の合計は会社全体の粗利率と一致します。
次に考えるのは当社の粗利益率の目標値です。
現在、14.81%が会社全体の粗利益率のため、15.00%を目標と設定します。
売上高の大きいC社の利益が改善出来れば粗利率の向上は期待できますが、売上構成比40%以上を占めており、
価格交渉をすることで売上が減少する恐れもあります。
そのため、売上構成比が高すぎず、利益率改善が期待できそうな取引先を検討します。
今回はD社の利益率改善に取り組み、会社の粗利益率15%を目指します。
D社の売上高、粗利金額を変更しないといけませんが、
エクセルでリスト作成する場合は、是非「ゴールシーク」という機能を使ってみてください。
ゴールシークとは、あらかじめ設定した目標値(答え)からいくら必要なのか逆算で計算をしてくれる機能です。
数式入力→会社の現在の粗利益率合計が表示されている数式セルを選択、
目標値→15%と入力、変化させるセル→D社の粗利金額のセルを選択し、OKを押します。
会社の粗利益率15%となるため、D社で獲得するべき粗利益金額、粗利益率が計算されました。
もちろん、机上の算定結果だけなので、利益交渉を成功させるための戦略も必要ですが、
ターゲット顧客や営業戦略を決定しなければ始まらないと思います。
是非1つのツールとして活用してみてください。
伊藤 侑加