経営者の数字に対するリテラシーを考える
こんにちは、中小企業診断士の杉本です。
当社のblogや活動日誌等でも何度か触れておりますが、ここ数カ月で資金繰り等に関する無料経営相談のお問い合わせが急増しています。ご相談内容も「今月末の支払いが厳しい」といったギリギリの段階のご相談が見受けられます。
この段階まで資金繰りが放置される原因の1つとしては、経営者の数字への関心の低さが挙げられると思います。前職を含めこれまで様々な経営者様とお話をしてきましたが、経営者が持つ会社の数字に対するリテラシーは概ね3つの段階に分けることができると考えました。
①会社の数字に無頓着な経営者
②自分の頭の中に数字を持っている経営者
③自分の頭の中の数字と決算書の数字がリンクしている経営者
①会社の数字に無頓着な経営者
いわゆるどんぶり勘定で成り行きに任せた経営により、企業の実状を把握できていない経営者であり、資金ショートについてはギリギリになるまで分からず、経理から言われて初めて判明した等がこのタイプに当てはまり、今でも一定数いらっしゃいます。
②自分の頭の中に数字を持っている経営者
試算表はないものの、見積書やメモなどから、頭の中で損益やキャッシュフローを把握している経営者であり、時には資金ショートの可能性に事前に気づくこともあるが、頭の中の損益と決算書の損益が乖離している場合は、企業の実状に気づくのが遅れてしまうことや赤字の原因の正確な把握に時間がかかることがあります。
③自分の頭の中の数字と決算書の数字がリンクしている経営者
毎月の試算表を作成しており、試算表について税理士の先生方とすり合わせをおこなっている経営者であり、決算書の中身(科目や金額)についても概ね理解されており、資金繰りについても敏感で、資金ショートの数カ月前から危機感を持って相談に来られます。
経営者に必要な能力は大小様々あるかとは思いますが、事業規模を問わず経営者は最低限の会計知識を持ち、企業の財務状態は常に把握しておくべきだと私は考えております。現段階では成り行き任せの経営でも、将来的には改善し、数字に強くなりたいと思う経営者様がいらっしゃいましたら、お気軽にお問い合わせください。
中小企業診断士 杉本貴弘