経営基盤の強化
経営改善について
考え方
皆さん、こんにちは。
株式会社フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
この2年で多くの企業が据置期間(返済不要な期間)を設定した新型コロナ関連の融資を受けたかと思います。
しかし、業況は全く改善されずに運転資金が減少し続け、いよいよコロナ融資の返済も開始されるというケースが増えてきました。
今になって慌てて売上を確保するために四苦八苦している会社もありますが、おそらく何の効果もないままに資金繰りはさらに悪化するでしょう。
私自身は融資を受けることは悪いとは思いませんが、融資を受けてホッとする経営者があまりに多すぎるような気がします。
また、専門家と称するコンサルタントもいかに多くの融資をとりつけるかを命題に間違ったアドバイスをして、結果的にミスリードしていることもあります。(これは金融機関出身の方が多いです。それしか提供できる価値がないからです。)
当然、運転資金をショートさせるわけにはいきませんので、適正な融資(いわゆる通常運転資金もしくは設備投資相当額)は必要かと思いますが、そもそも資金が減少している根本原因は何なのかを突き止める必要があります。
まずは人件費や家賃、交際費などの固定費、利益率の改善などの内部に目を向けます。
これはもちろん重要ですが、それ以上に大切なことは「お客様のお困り事を把握もしていない、把握してもそれに対応できていないために売上が立っていない」ということを認識することです。
お客様のお困り事を把握せずに、自らの利益を最大化しようとしてきた結果、もしくは惰性で経営をしてきた結果が資金繰りの悪化や赤字という数字になって表れているのです。
業績や資金繰りが良い時も悪い時も関係なく顧客の悩み事やお困り事を把握し、それを解決するという心構え(実際に解決できるかは分からないがそうしたスタンスをとり続けること)が売上アップには欠かせない考え方だと思うのですが、そうした考え方が昨今薄れているような気がします。
合理化、IT化、生産性の向上など、どちらかと言えば「省く」ことが推進される世の中ですが、相手の心や課題に寄り添うという考え方は時間をかけなければならないことです。
長期的に業績の良い会社はそうした取り組みが当たり前のようにできています。
新型コロナ融資を受けて、資金繰りが改善し、余裕を見せていた会社はそろそろ厳しくなってきます。
ここで一度、ビジネスの原点に立ち返り「自社のお客様は何に困っているのだろうか」を真剣に考え、場合によってはそれを聞きに行くのも良いかもしれません。
株式会社フラッグシップ経営代表 長尾康行(中小企業診断士)