内製か外注か
こんにちは、中小企業診断士の杉本です。
新たな事業を行う際や経営資源・環境の変化に伴う課題解決において、工程を内製するか外注するか判断を迫られる事もあるかと思います。
例えば製造業において、取引先からの要求により生産能力を拡大しなければならない場合、新たな設備や人的投資により生産能力を拡大させるケースもあれば、外注により要求される生産能力を補うケースも存在します。
内製と外注、どちらにもメリット・デメリットがあるため、適切に判断する必要があります。
・内製化のメリット
自社にノウハウが蓄積される
迅速かつ柔軟な対応が可能
外注先の管理コストを削減できる
・内製のデメリット
人材育成に時間を要する
初期投資が大きく必要な場合があり、人件費が固定費として継続的に発生する
高度な作業を要する場合、人材の確保が難しく人手不足となる
・外注のメリット
専門人材を活用できる
初期投資や人件費を削減できる
自社の経営資源を他の業務に集中することができる
・外注のデメリット
自社にノウハウが蓄積されない
内製化と比較して柔軟性が乏しく、納期が長くなる傾向にある
外注先とのコミュニケーションコストが発生する
情報漏洩のリスクがある
内製と外注のどちらが適しているかは、業務内容や企業の状況によって異なります。
例えば、自社でノウハウや技術を蓄積したい場合は内製が適しています。また、柔軟な対応が必要な業務やセキュリティの確保が重要な業務も内製が適しています。
一方、初期投資やランニングコストを抑えたい場合は外注が適しています。また、専門性の高い業務や人的リソースを有効活用したい業務も外注が適しています。
内製化と外注を組み合わせて、業務を効率的に行うことも可能です。基本的な業務は内製化して専門的な業務は外注する。急ぎの業務は外注して、通常の業務は内製化するなどの方法があります。
内製と外注、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、工程における優先しなければならない重要なポイントと総合的なコストにより、自社に最適な内製化と外注のバランスを検討することが大切です。
中小企業診断士 杉本貴弘