組織・人材育成 経営基盤の強化 考え方

フラッグシップ経営のマネジメント

皆さん、こんにちはフラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

早いもので2021年も5月に突入しました。当社は12月決算ですので既に3分の1が過ぎたことになります。

 

当社では毎月、数値計画と実績を公開しているのですが、今のところは順調に年間の数値計画達成に向けて邁進しています。

 

当社の数値計画は売上や利益だけではなく5S活動の回数、HPのアクセス数、問い合わせ件数、ブログやSNSの更新回数など様々なKPI(重要業績評価指標)を設定しています。

 

私自身が経営コンサルタントを生業にしていますので、簡単ではありますが自社のマネジメントも行っているのです。

 

社員の皆さんも数値計画や行動計画を定期的に確認し、目標に向かって頑張ってくれています。

 

計画や目標を示すだけで、特段何も教育はしていないのですが、真面目に頑張ってくれるメンバーしかいませんので私は楽なもんです。

 

思えば私が約1年半前に事業を拡大しようと決意してから社員数、売上、事務所の広さなど全ての面で規模が急激に大きくなりました。

 

「急激な拡大は急激な歪を生む」と常々申し上げているのですが、自社が急激に成長していて、確かに細かな管理が行き届かなくなってきました。

 

しかし、私自身は事業規模の拡大によって発生する問題を能動的に潰そうとは思わなくて、私が向かう方向性、スピード感、結果の出し方を社員のそれぞれが勝手に感じて、ついて来てくれれば良いと思っています。

 

言ってみれば各々の責任、能力、貢献意欲、協調性が限りなく求められる職場です。

 

それは新人でもインターン生でも同じです。

 

実のところ会社として丁寧に教育し、ゆっくり育てる事に興味がないと最近気づきました。

(社員やインターン生の皆さん、ごめんなさい。さっき気づいたんです)

 

根底には「職場は学校じゃない」というポリシーがあるからです。

 

「勉強は外でやるべき、職場は成果を出す場所」だと強く思っているからです。

 

ですので、ゆっくり成長したい方や何でも教育してほしい方はほかの会社に行った方が幸せだと思います。

 

ただし、誤解のないように申し上げますが、誰も何も教えてくれない職場かと言えばそうではありません。

 

私が大事にしているのはどんな些細なことでも上司や同僚、先輩に気兼ねなく聞くことができる関係性です。

 

目先の仕事が忙しくても、相談や質問には丁寧に応えてあげたいと自然に思える人で構成された組織を大切にしています。

 

インターン生が代表の私に些細なことを質問することもOKですし、インターン生同士で話し合って解決するもよしです。

 

困ったこと、悩み、分からないことがあれば業務上でもプライベートのことであっても、何でも相談できる相手が社内にたくさん存在する組織が私の理想です。

 

体系的な教育カリキュラムの導入も考えてはいないこともありませんが、先輩や上司の姿を見て、自分が何を学ぶべきか、何を習得すべきかを自発的に考える組織にしたいと思います。

 

自社で色々実験して、体系的にまとめていきます。

組織・人材育成 考え方

個人のスキルアップと会社全体の底上げを行う

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

今月に入り、複数の金融機関の方から、最近の地域金融情勢を教えていただく機会がありました。ほとんどの金融機関は積極的に中小企業を支援する方針に変わりないのですが、決算書を提出し業績が悪化している企業に対しては非常に警戒している様子が感じられました。今後、更に中小企業を取り巻く金融情勢は厳しくなるものと思われます。

 

コロナ禍での経営改善は、資金繰りの問題を早期に解決し、今後どのような経営を目指していくのか、アフターコロナでどのように事業展開するのかを考え、行動しなければなりません。

 

弊社は1月から新年度となり、この1、2カ月で今期の方針や様々な取り組みが出来ているところですが、その中で今期に初めて取り組みするのが実務勉強会の開催です。

 

職種柄、それぞれのコンサルタントが自己研鑽し、スキルアップに努めることが多いのですが、昨年途中からインターン生の受け入れ(来年新卒で入社予定)や無資格者の採用を行い、社員数が増加しているため、会社全体の底上げを行うために実務に直結する勉強会を診断士が講師となり、開催しています。

 

勉強会の内容は、一方的に講師が決めるのではなく、各社員が希望を出し、1人ずつと面談し、まずは上期のテーマを決定しました。

 

その内容は、「財務三表計画の作成」、「資金繰り表の作成」、「返済計画の作成」、「戦略立案と計画骨子」など経営改善・事業再生や資金調達支援、経営顧問先の予算作成、各種公的支援制度の支援など弊社業務にその日から活かせるものです。

 

月2回の実務勉強会を通して、個人のスキルアップと会社全体の底上げをすることで弊社経営方針の達成や業務の生産性を向上させます。

 

日々の業務が忙しいと中々、社員教育に時間を取ることができませんが、社員教育の責任は社員ではなく経営側の責任です。

 

財務面だけでなく組織面でも筋肉質な体制を構築できれば、一時的な不景気で経営が左右されることはなくなると思います。適切なメンバーをバスに乗せた、次は適切な教育で成長を加速させましょう。

 

中小企業診断士 木戸貴也

組織・人材育成 経営改善について 経営方針書 考え方

誰をバスに乗せるか

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

今年もあと1ヶ月となりました。

 

新型コロナの感染が急速に拡大してきておりますので、皆様におかれましても十分にお気をつけください。

 

 さて、私は11月度も40件以上のアポイントがありました。

 

11月だけでなく今年は1年間を通じて休む間もないほどの仕事量で、年末までハードワークが続きそうです。

 

朝起きる時は疲労で毎日体が動きません。

 

「このままでは本当に倒れてしまうのでは」と不安になるくらい朝は力が入らないのです。

 

しかし、一度起きてしまうとエンジンがかかってきます。

 

そして、体は悲鳴を上げているのですが出社して、社員と挨拶や会話を交わすとだんだん力が湧いてくるのです。

 

力が沸いてくるのは、私が非常に恵まれているからだと思います。

 

社員は現在、インターン生もいれて4人いるのですが、4人とも一生懸命に仕事をするだけでなく、周りに対して目配り、気配り、心配りができる社員です。

 

良いメンバーと仕事をしているから同じ空間にいるだけで元気になってくるのです。

 

私自身は教育や指導が苦手で、人材育成に注力していなかったのになぜ良い組織が出来てきたのかを改めて考えてみました。

 

出した結論は「最初に働くメンバーが良かったから」だと思います。

 

「ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則」に記されている「誰をバスに乗せるか」というテーマが当社にピッタリと当てはまったと感じました。

 

ビジョナリーカンパニーで記されている内容は「偉大な企業は最初に目的地を決めるのではなく、誰をバスに乗せるかを決めていた。」ということです。

 

バスに乗っているメンバーが良いメンバーなら目的地を事前に決めていなくとも良い場所に到達できるでしょうし、逆に目的地を事前に決めていても、バスに乗っているメンバーが悪ければ目的地には到達しないということです。

 

偉大な企業は目的地よりも先に誰とビジネスを行うかが優先されていました。

 

当社は偉大な企業ではありませんが、この1年で飛躍的に成長できたのは誰とビジネスを行うかを真剣に考えたからと言えます。

 

私はまず、コアとなるメンバーを設定し、間髪入れずに経営方針を示しました。

 

目的地よりもバスに乗るメンバーを先に決めたのです。

 

そうすると、目的地に向かってバスが勝手に動いているかのごとく会社が成長していきました。

 

疲労が積み重なっても会社に行くと不思議と力が湧き出てくるのは、会社が良い方向に向き、高い推進力で進んでいると実感できるからです。

 

 経営方針書や事業計画書を策定して目標やビジョンを設定し、目的地を伝える事はもちろん重要ですが、それよりも「誰をバスに乗せるか」の方が圧倒的に重要だということを再認識しました。

 

 

「誰をバスに乗せるか?」そう聞かれたらすぐにAさん、Bさんと答えることができれば幸せなことだと思いませんか。

 

 

それでは、また次回です。

組織・人材育成 考え方

新型コロナで苦しむ今だからこそ組織の活性化が必要 バーナードの組織成立の3要素

皆さん、こんにちはフラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

大阪では新型コロナの感染拡大は少し落ち着いており当社が事業所を構える本町でも日常を取り戻しているようにみえます。

 

しかし、まだ根本的に新型コロナの脅威が除去されたわけではありません。

 

引き続き、用心しながら各自がすべきことをしましょう。

 

さて、今回は組織に関係することをテーマにお話させていただきたいと思います。

 

当社の支援先様は中小企業もしくは零細企業ですので、組織といっても大企業のように部や課が明確に整備されているわけでもなく、管理職が部下の教育に力を入れているとは言えない企業もあります。

 

また、会社としても教育訓練制度や効果的な会議や面談を実施できていないところも多いのが実態です。

 

中には会社の仕組み云々ではなく、個人の資質に尽きるような話もありますが、大企業と比較して人材育成が十分でないケースが多いのは明らかです。

(もちろん、中小企業でも人材の採用や育成で成果を出されているところもありますので一概には言えませんが・・・)

 

組織について最近深く考えていたのですが、私はチェスター・I・バーナード(以下、バーナード)が著した「経営者の役割」という本に記載されている「組織成立の3要素」に問題解決のヒントがあるのではと思いました。

 

その3要素を紹介しましょう。

 

1.コミュニケーション

バーナードは伝達という表現を使用していますが、社員同士や経営者と社員がコミュニケーションをとらなくなると組織の機能が停滞すると説いています。また、特に言葉を交わしていなくても場の空気を読んで、何となく同意に至ることもコミュニケーションの一環だと言っています。コミュニケーションの量が多く、その質も高いと以心伝心のような効果が出てくるということでしょう。

 

2.貢献意欲

仕事は複数人で行うものなので、そこに貢献しようとする各自の意欲が不可欠だと説いています。忠誠心や団結心、組織力という単語で言い換えることもできます。ただし、貢献意欲をもって業務に取り組むのは少数の者だけだとも言っています。しかし、経営陣以外に少数でもそのような幹部や管理職がいると、中小企業は十分に組織力を発揮できるのではと思います。

 

3.共通目的

組織には何のために存在するのか、何をするのかを明確にしなければなりません。目的がなければ組織自体が不要になりますからこれは当然なのですが、目的を明示できていない企業は数多く見られます。

 

また、目的には協働的側面と主観的側面が存在し、協働的側面は組織で成果をだす目的のことで、主観的側面はひとりの人間としての働く目的のことです。

社員さんは生活が懸かっていますので「給料をもらう」という主観的側面は皆さんお持ちです。しかし、経営者が協働的側面である共通目的を明示できていない、もしくは浸透させることができていないために、社員さんの多くが協働的側面の目的を見出せないまま仕事をしているケースが多いのではと思います。

 

 中小企業では確かに個人の資質の問題ということもありますが、やはりリーダーである経営者が組織としての「共通目的」(目標・ビジョン)を考え、伝える(コミュンケーション)ことが重要です。

 

その中身や伝え方で、社員さんの「意欲」が上昇することもありますし、減退することもあります。

 

そう考えると「伝達(コミュニケーション)」「意欲」「目的」は相互に関連し、組織を動かしているといえます。

 

私は3要素を意識した経営を実践するために支援先様には経営方針書を作成し、1年に1回は全員でそれを共有する場(当社ではキックオフと呼んでいる)を設けるよう指導をしています。

 

経営者が方針書を作成し、その方針に沿って経営していくことを明確にすることが全てのスタートと考えています。

 

そして、皆がその方針に沿うように日々コミュニケーションをとり、各自が自分の長所を発揮する(貢献する)場づくりが組織の活性化には必要だと思います。

 

バーナードの3要素は半世紀ほど前の使い古された理論のような感じがしますが、今の日本の中小企業に欠けている重要な3要素だと思います。

 

株式会社フラッグシップ経営代表 長尾康行(中小企業診断士)