経営は経営者次第
こんにちは、中小企業診断士の木戸です。
東京商工リサーチによると2021年上半期(1-6月)の全国企業倒産は3,044件(前年同期比23.9%減)であり、2020年上半期(1-6月)の4,001件から大幅に減少しています。これは過去50年間で2番目の低水準とのことです。
新型コロナ関連の融資や助成金、補助金などでなんとか資金繰りが出来ていることが要因と考えられますが、もう1つの要因が考えられます。それは、経営者の気持ちが折れていないことです。
事業再生・経営改善では、「資金がショートする(支払手形や小切手を落とせない)こと」と「経営者の気持ちが折れること」の2つの要因が重なると経営改善が進まず、倒産へ向かうケースが少なくありません。
新型コロナウイルス感染症の影響が出始めて約1年半が経ちますが、お会いした経営者の中でコロナ禍での経営を諦められた方は一人もいませんでした。
「どれだけ売上が減少しても」、「資金繰りが厳しく親族からお金を借りてでも」、「社内で感染拡大して事業が停滞しても」何とか会社を守ろうとする姿勢に刺激を受け、私たちのご支援にも力が入りました。
ワクチン接種が進んではいますが、東京や大阪などでは緊急事態宣言が発令されており、新型コロナウイルス感染症の影響がいつ収まるのかは想定できない状況です。私は少なくとも3~5年は、影響が残り続けると考える方が良いと思いっています。
感染拡大が収まっても事業が改善するには時差があります。また、コロナ融資など借入金は増加しており、この約1年半に受けた財務面を中心とした経営へのダメージから回復するには1、2年でできることではないからです。
先行きが不透明な時こそ、3年後や5年後の中長期的な事業構想を持つことが大切です。周りは目先のことで精一杯になっている時に中長期的な戦略を持つことで、アフターコロナでの改善に明暗が分かれるような気がしています。
盆休みに入る会社も多いと思いますが、経営者は休みの時こそ将来を考える時間を持てるのではないでしょうか。
中小企業診断士 木戸貴也