補助金について

ものづくり補助金の申請期限延長(4次締切)と特別枠の終了

 

こんにちは。中小企業診断士の木戸です。

 

街中や電車の人の多さを見ていると新型コロナウイルスによる経済への影響はニュースや新聞ほどひどくないのでは?

と感じることもありますが、実際に多くの企業様を訪問していると事態は深刻なものと強く感じます。

 

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも乗り越えるための設備投資を支援するものづくり補助金を中心とした中小企業生産性革命事業の新型コロナ特別枠の公募が、4次締切で終了するとの発表がありました。

 

これは、予算財源が同一である小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金を合わせると応募件数が増加している等の状況を勘案して、急遽、公募期間中にアナウンスされたものです。

 

これに伴い、今年度内のものづくり補助金の特別枠に応募を予定していた事業者の不利益とならないよう、応募期間が令和2年12月18日(金)17時まで延長されました。

 

新型コロナ特別枠は、申請内容によっては補助率が最大3/4になり、事業再開枠50万円が追加されるなど、該当事業者にとっては非常にメリットのある申請枠でした。

 

弊社では4次締切の申請支援を終了し、5次締切での申請支援をご案内していますが、この4次締切の特別枠での申請を急ぎで考えられている方は、個別にご相談させていただいておりますので、ご検討ください。

 

■お問い合わせはこちら

https://flagship-keiei.co.jp/contact/

 

■ものづくり補助金総合サイト

http://portal.monodukuri-hojo.jp/index.html

補助金について

データから見るものづくり補助金

 

 こんにちは。中小企業診断士の木戸です。

 先日630日にものづくり補助金2次締切の採択結果が発表されました。全国5,721者の申請があり、採択3,267者(うち特別枠:1,773者、特別枠申請から通常枠:488者、通常枠:1,006者)でした。

 今年実施された1次締切と2次締切の申請および採択状況のデータが公表され、統計データが公表されています。公表データをもとにものづくり補助金で採択されるためのポイントを整理したいと思います。

 

【公表されているデータ】(ものづくり補助事業公式ホームページより)

①申請件数の推移

②事業計画の作成時間

③申請のタイミング

④申請者の規模(従業員数)

⑤申請者の業種

⑥補助金の申請額

⑦支援者の関与と報酬比率

⑧申請までの支援期間

⑨加点項目の数

⑩過去3年間の交付回数

 

1.事業計画

 まずは事業計画(審査項目)です。「⑦支援者の関与と報酬比率」より、支援者の関与がある企業の方が、採択率が高くなっています。特に“支援あり/報酬~15%”が最も採択率が高いです。

これは実績のある支援機関が報酬金額を<着手金1020万円+成功報酬10%+消費税>と設定していることが多いからと推測されます。

 例えば、設備投資1500万円(税抜)、補助金1000万円であれば、着手金15万円+成功報酬100万円+消費税11.5万円=126.5万円となり、補助金に対する報酬比率12.65%となります。

 

 支援を受けずに申請されている企業が一番多いのですが、事業計画作成の平均時間が70時間程度であることを考えると専門家に依頼し、採択される可能性を高めることをお勧めします。

 これは、経営者の方には早く採択されて早く事業に着手し、売上・利益、付加価値・生産性を上げ、会社を良くすることに多くの時間を使っていただきたいからです。

 

 

2.補助金の申請額

 次に補助金の申請額です。ものづくり補助金では審査項目に「補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して想定される売上・収益の規模、その実現性等)が高いか。」という項目があります。

 補助額が大きい計画(750万円超:採択率63.7%)の方が少額の計画(500万円以下:48.1%、250万円以下:26.8%)と比べると15.636.9ポイントの採択率に差があります。

 これは、少額の投入額で大きな効果を得られることもありますが、経済的な波及効果を考えると補助額が大きい方が投資対効果のインパクトが大きいのではないかと推測されます。

 

 

3.加点項目と過去3年間の交付回数

 上記1.で事業計画内容の重要性をお伝えしたのですが、加点項目に比例して採択率が高くなり、過去3年間の交付回数に比例して採択率が低くなっています。

 加点項目は、最低2つ(例えば、事業継続力強化計画と賃金引上げ2%または3%)を行い、3つ以上(残りの小規模事業者、創業5年以内、経営革新計画など)となると採択率は格段に高くなっています。

 過去3年間の交付回数による減点は仕方ないのですが、事業計画や加点項目にしっかりと取組むことで十分に採択される可能性は高くなります。

 当社がご支援させていただき採択された企業は約70%が複数回採択されている企業です。

 

 

 ものづくり補助金の申請を希望される企業様からのお問い合わせだけでなく、設備メーカーや設備商社の方から申請支援のご依頼をいただくことも良くあります。

 

 3次締切は8月3日と締切が近づいていますが、11月には4次、2月には5次締切がありますので、申請をご検討されている方や設備メーカーで納入先への支援を希望される方は当社までお問い合わせください。

補助金について

令和元年度補正ものづくり補助金の公募について

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

令和2310日(火)から、ものづくり補助金の公募が開始しています。

 

基本的な主旨は前回までと変わっていないのですが、

いくつか留意点や変更点があります。

  

1.申請方法

まずは申請方法についてです。昨年の2次公募から電子申請のみとなっていましたが、

本年度も電子申請システムのみでの受付となります。

電子申請には「GビズIDプライムアカウント」を取得する必要があります。

アカウントの取得には2週間程度の期間を要しますので、

未取得の方は、まずアカウントの取得をお願いしています。

 

 2.補助上限、補助率、補助要件

前回まであった小規模型が廃止になりました。

そのため補助上限は一律1000万円となっています。

(グローバル展開型とビジネスモデル構築型は後日追加されます。)

また、先端設備導入等計画認定による補助率アップの要件もなくなり、

補助率2/3となるのは「小規模企業者・小規模事業者」のみとなりました。

原則、補助率1/2です。

※小規模企業者・小規模事業者とは、常勤従業員数が製造業その他業種・

宿泊業・娯楽業では20人以下、卸売業・小売業・サービス業では5人以下の

会社又は個人事業主を言います。特定非営利活動法人は、従業員が20人以下。

補助要件については、以下の①から③を満たす3年から5年の事業計画の策定

及び実行が求められています。

①付加価値額+3%以上/年

②給与支給総額+1.5%以上/年

③事業場内最低賃金>地域別最低賃金+30円

※「付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費」の計算式ですので、

補助金を活用して設備投資をし、売上・利益を高めて、人件費(給与支給総額)、

付加価値額を増加させることを事業計画書でしっかりと伝えなければなりません。

 

 

3.加点要素

先端設備等導入計画や経営力向上計画、地域経済牽引事業計画の

認定・承認による加点がなくなりました。

各計画書認定・承認による加点は、「経営革新計画の承認」と

「(連携)事業継続力強化計画の認定」のみです。

 

 

4.その他

①申請要件に、賃金引上げにかかる計画策定等が追加され、

 要件が未達の場合に、補助金の一部返還が求められます。

②新型コロナウイルスの影響を受けて、サプライチェーンの毀損等に

 対応するための設備投資等を行う事業者は加点措置や

 申請要件緩和等によって優先的に支援されます。

③申請手続き簡素化のため、認定経営革新等支援機関の

 確認書添付が不要となりました。

④初めて補助金申請される方でも採択されやすくなるよう、

 過去3年以内に類似の補助金(ものづくり・商業・サービス補助金)の

 交付決定を受けた事業者は、審査にて減点措置が講じられます。

⑤中古設備や専門家活用にかかる補助対象経費が明確化されました。

⑥過去の申請実績を踏まえて、共同申請や設備投資を伴わない

 事業類型が廃止されました。

 

 

他にも審査項目や補助対象経費などの変更や追加、明確化などがされています。

補助金の採択率を高めるためには留押さえておくポイントや注意点などがあります。

 

 

当社では十分な申請支援体制を整えておりますが、お問い合わせが殺到した場合には、

支援をお断りさせて頂くこともございます。

 

 

ものづくり補助金の申請を検討されている方は、ぜひお早めにご相談くださいませ。

 

 

【お問合せ先】https://flagship-keiei.co.jp/contact/

 

 

参照:全国中小企業団体中央会HP

https://www.chuokai.or.jp/hotinfo/reiwamono-0326koubo20200310.html

 

経営基盤の強化 経営改善計画策定支援事業 補助金について 資金調達について

新型コロナウイルス感染症関連の支援策

皆様、こんにちは。中小企業診断士の木戸です。

 

本日は経済産業省の「新型コロナウイルス感染症関連」の支援策についてです。

 

経済産業省には新型コロナウイルスによる企業への影響を緩和し、企業を支援するための施策があります。支援策は、大きく分けて下記の6種類です。

1.資金繰り支援(貸付・保証)

2.新型コロナウイルス対策補助事業

3.中小企業・小規模企業の相談窓口

4.現地進出企業・現地情報及び相談窓口(ジェトロ)

5.輸出入手続きの緩和等

6.下請中小企業への配慮要請

 

 

 

 1.資金繰り支援(貸付・保証)

 (1)セーフティネット保証4号・5号

 ①4号:⾃治体からの要請に基づき、 別枠(最⼤2.8億円)で100%保証。

  (売上高が前年同期比▲20%以上減少の場合)

 ②5号:重⼤な影響が⽣じている業種に、 別枠(最⼤2.8億円)で80%保証。

  (売上高が前年同期比▲5%以上減少の場合)

セーフティネット保証は、事業所の所在地の市町村(または特別区)の商工担当課等の窓口に認定申請書を提出し、認定を受け、希望の金融機関または所在地の信用保証協会に認定書を持参のうえ、保証付き融資を申し込むことが可能です。

(信用保証協会または金融機関による審査の結果、ご希望にそいかねる場合がありますのでご注意ください。)

 

 (2)セーフティネット貸付

経済産業省の要請により、日本政策金融公庫では新型コロナウイルス感染症に関する特別相談窓口を開設しており、セーフティネット貸付の要件を緩和し、支援対象を今後の影響が懸念される事業者にまで拡大されています。

 

 

2.新型コロナウイルス対策補助事業

 (1)マスク生産設備導入補助事業

マスク不足を解消するため、国からの増産要請を受けてマスク生産設備を導入する事業者に対して補助金を交付するものです。マスクの安定的な供給量の確保を早期に実現することを目的に広く募集されています。

 ①公募期間

  令和2220日(木曜日)~令和2311日(水曜日)12時必着

 ②補助対象者

  国からの増産要請を受けて、マスク生産設備を導入した事業者

 ③補助上限額

  原則3千万円/製造ライン(補助率:中小企業34、大企業・中堅企業23

 

 (2)生産性革命推進事業

 ①ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業(ものづくり補助金)

  中小企業・小規模事業者が実施する設備投資にかかる費用の一部を補助するものです。

  補助額 100万円~1000万円、補助率 中小企業12 小規模事業者 23

  公募開始予定:2020年3月頃

 ②小規模事業者持続的発展支援事業(持続化補助金)

  小規模事業者が取り組む販路開拓や生産性向上の取り組みを支援するものです。

  補助額 ~50万円、補助率 23

  公募開始予定:2020年3、4月頃

 ③(IT導入補助金)

  バックオフィス業務の効率化等の付加価値向上に繋がるITツール導入を支援

  補助額 30~450万円、補助率 1/2

  公募開始予定:20205月頃

 

 

3.中小企業・小規模企業の相談窓口

新型コロナウイルスの流行により、影響を受けるまたは、その恐れがある中小企業・小規模事業者を対象として相談窓口を設置し、経営上の相談を受け付けています。

相談窓口は、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会、商工会議所、商工会連合会、中小企業団体中央会及びよろず支援拠点、並びに全国商店街振興組合連合会、中小企業基盤整備機構及び各地方経済産業局等です。

 

 

4.現地進出企業・現地情報及び相談窓口(ジェトロ)

ジェトロ現地事務所等で収集した「操業再開に向けた中国の省市別支援策」や、「ビジネス短信」、新型コロナウイルス関連相談窓口連絡先(東京0335825651。現地日系企業の皆様は、最寄りのジェトロ事務所まで)が設置されています。

 

 

5.輸出入手続きの緩和等

新型コロナウイルスの流行に伴う輸出入の遅延等が見込まれることから、新たな特例措置も含め、貿易管理上の注意事項とそれに対する相談窓口が設置されています。

 

 

6.下請中小企業への配慮要請

新型コロナウイルスの流行により、国内の生産活動への影響が懸念されています。その影響により、不当な取引条件の押しつけを行わないなど、下請中小企業への配慮について、関係団体(1,129団体)を通じ、親事業者に要請されています。

 

 

 

今般の新型コロナウイルス流行により、既に倒産している企業もあり、業種を問わず多くの事業者様が、売上やサプライチェーン、従業員の働き方、資金繰りなど経営に影響が出ていると思います。

経営へのダメージを少しでも軽くし、流行が解消されたときにはしっかりと回復できるよう、様々な支援策を積極的に活用することをご検討されてはいかがでしょうか。

 

 

当社では、経営改善計画策定支援を含む資金繰り改善支援や民間金融機関や政府系金融機関からの資金調達支援、ものづくり補助金の申請支援などの実績もございますので、お気軽にお問合せください。

 

 

【お問合せ先】

●HP https://flagship-keiei.co.jp/contact/

●担当 kido@flagship-keiei.co.jp

 

 

<参照:経済産業省ホームページ

  https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html

プロフェッショナルアカデミー 補助金について

ものづくり補助金の申請支援の事例紹介~不採択事例~

皆様、こんにちは。コンサルタントの住吉です。

先日のブログでは、
当社がものづくり補助金の申請支援を行って
採択された事例を紹介しました。
▽▽▽
ブログ記事はこちら

今回は、当社が申請支援を行った結果
不採択」になってしまった事例をご紹介したいと思います。

採択された事例との違いやポイントなどご参考にして頂ければ幸いです。


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来月6/15(土)に大阪にて、6/29(土)に東京にて開催致します。

今回のテーマは「今さら聞けない ものづくり補助金の実務」です。

GW明けの5月8日にものづくり補助金の公募期間が終了しましたが、夏頃に2次公募の実施が予想されています。
この講座で、ものづくり補助金の申請におけるノウハウやポイントを勉強していただき、
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~~~不採択だった事例のご紹介~~~


■ 企業の概要
某県に事業所を構えるT社は、主にエンジン関連の自動車部品製造を行っています。
地域では有名な工業地帯に位置しており、
周辺には金属製品や自動車関連部品の製造を行う小規模事業者が数多くありました。
T社にとっては競合企業ですが、同じ地域を支える事業者として良好な関係を構築していました。

また、自動車のエンジン関連部品は難加工が多く、
T社は熟練した職人の技術力を強みに事業を拡大していきました。
しかし一方で、職人の高齢化や人材不足が大きな課題となっていました。


■ 事業実施の背景(設備投資が必要な理由)
製造業の生産管理には、よくQ(Quality:品質)C(Cost:コスト)D(Delivery:納期)の考え方が用いられます。
T社は、自社の強みを発揮して複雑形状をした製品製造に取り組み、顧客の要望にも柔軟に対応してきました。
しかし、近年では自動車の安全性能の向上や排ガス規制への対応などにより顧客の要望が厳格化してきていました。
特に製品の”精度”については一層の向上が求められており、
T社では製品の「検査測定」工程がボトルネックとなっていました。

具体的には、T社では熟練した職人が
マイクロメーターやハイトゲージ、シリンダーゲージ等の複数の測定器具を用いて
製品の検査測定を行っていましたが、
最近では顧客からRの仮想点・架空点といった測定器具では図ることができない箇所の精度が
㎛単位まで求められるようになっていました。

T社ではこのような検査測定が不可能なため外部や元請け企業に検査工程を依頼せざるを得ず、
コストが発生する上にリードタイムの長期化に繋がってしまいました。

今後も顧客の要望に応え事業を拡大していくためには
検査工程の刷新が必要不可欠であったため
ものづくり補助金を活用して「高精度測定機」を導入することにしました。


■ 設備投資の内容
高精度測定機 税別680万円


■事業計画の概要とポイント
T社の位置する工業地帯では、高精度測定機を導入している事業者が非常に少なく
今回の設備投資は、同業社と大きな差別化を図ることが期待できました。
一方で、近隣の事業者においても顧客からの要望厳格化の流れが大きくなっており
T社は自社で高精度測定を実現することで、将来的には同地域の小規模事業者の検査工程を請け負い
地域全体の底上げに繋げたいというおもいを持っていました。

そこで、設備投資による製造工程の変化やリードタイムの短縮など期待される効果を一覧化して
Before→Afterを明確に示した事業計画を作成するとともに
将来展望として同地域の小規模事業者と協力体制を構築することを計画に記載しました。

また、電気自動車の台頭などにより業界全体は厳しい状況にあるものの
更なる難加工や異素材による高精度製品の製造にも取り組むことで
積極的に事業を展開していく、という計画を作成し申請を行いました。


■不採択になった理由
ものづくり補助金が不採択だった場合、
地域の中央会に問い合わせれば審査を行った審査員のコメントを聞くことが出来ます。

T社では、主に以下のようなコメントが寄せられました。
(以下はコメントの一部です。少し表現は変えています。)

・リードタイム短縮による生産性の向上は期待できる
・技術的に真新しいとは言えず、革新的とは言えない
・想定されるマーケットの認識や評価が曖昧      など

審査員は、公募要領に記載されている「審査項目」を基準に審査を行います。
技術面、事業化面、政策面といった切り口がありますが
T社においては、技術面、事業化面における評価が低かったということになります。

確かに、設備投資によってリードタイムが短縮するためT社の生産性向上は期待できます。
しかしこれはT社に限ったことではなく同じ測定機を導入すれば他の企業でも同様の効果を見込めます。

ものづくり補助金の申請要件には
「革新的な試作品・サービス開発や生産プロセスの改善」とありますので、
同業他社には出来ないT社ならではの工夫、取り組みでなければいけません。

先日のブログでご紹介したH社では、導入する設備は同じ「測定機」でしたが、
設備導入後は、自社の強みを活かしてこれまでにない新たな加工方法の確立へ取り組む、と言う内容でした。
(H社は技術面において評価された、ということになります、)

また、将来的にどのようなマーケットへ展開していくのか、については
T社の経営者様へヒアリングを行っていましたが、
「どこに攻めるか・・・あまり思い浮かばないなあ。既存の対応で精一杯かなあ。」
という回答であり、経営者自身もはっきりとは見出せていない状況でした。

そのため、想定されるマーケットや業界について記載はしたものの
やはり具体性に乏しく、審査員には痛いところを突かれてしまった、という結果でした。


■さいごに
ものづくり補助金は競争率が高いため、
単に要件を満たしている、というだけでは採択は難しくなります。
設備投資によって実施したい事業が補助金の趣旨(革新的な開発で生産性向上に資する)と合致していること、
そしてそれを客観的に伝えられることが必要不可欠です。

T社の経営者様には、契約前の段階で一度ヒアリングを行っており
「革新性を強く訴求できないため、厳しい戦いになります。」
とは事前に伝えていましたが、それでも挑戦したいというお話を伺い、申請支援を行いました。

申請支援を行う専門家として力が及ばなかったことに悔しさを感じますが、
事業者に対しては、事前にリスクや懸念点を伝えておくことは必要であると感じています。

当社では、基本的に厳しいと思われる案件であっても依頼をお受けしますが、
(対応できる案件数には限界があります・・・)
補助金を活用する場合には、
その制度の趣旨や目的に沿った内容であるかを確認することをお勧めします。

趣旨に合っているかが分からない、不安だという場合には
ぜひ一度、お問い合わせください。



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プロフェッショナルアカデミー 補助金について

ものづくり補助金の申請支援の事例紹介

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さて、今回のブログでは
当社が実際にものづくり補助金の申請支援を行い、補助金の採択を受けた事例を紹介します。


■ 企業の概要
京都府に事業所を構える金属製品製造業(H社)。
主に産業機械に使用される精密部品の金属金型を製造している。
また、自社内での開発・設計も可能であり、下請け受注だけでなく独自製品の製造販売も行っている。
年商は6億円程で、従業員5名の小規模事業者。

■ 設備投資の内容
高精度測定機 税別700万円


【支援の流れ】
まずはH社からの資料提供とヒアリング、工場見学を行い、現状分析に取り組みました。
ものづくり補助金の申請においては、公募要件を十分に満たすことはもちろん、
審査項目を全て網羅し、内容に一貫性のある事業計画を策定することが必要です。
また、単なる代替投資や設備の更新ではなく、
革新的で自社の生産性向上に寄与する取組であることも示さなければいけません。

そこで、次のように事業計画の策定を行いました。



【計画書の主な構成】
1.H社の現状・強み
2.市場動向・顧客ニーズの変化
3.H社の現在の課題とこれまでの取り組み
4.設備投資の必要性と内容
5.期待される効果と革新性・優位性
6.H社の社内体制と事業スケジュール
7.新市場・顧客への展開戦略
8.定性・定量計画



【計画の概要とポイント】
H社は、小規模でありながらも最新型設備を積極的に導入して技術力の向上に努めており、
㎛単位の優れた精密加工技術を強みに、業界・業種を問わず多種多様な製品の試作開発に取り組んできました。
計画には、このような事業者の強みを必ず明記します。


その上で、なぜ設備投資が必要なのかを、審査員が納得するよう分かりやすく示します。
H社の場合は、製造工程における「検査測定」に課題があり、顧客の要望を満たせていませんでした。
具体的には、H社の顧客からは従来以上に高精度化・短納期化の要望が高まっており、
寸法公差(図面の寸法に対して許される誤差の範囲)が100μm単位、10μm単位、1μm単位と厳格化していました。


しかし、H社では製品の精度検査をマイクロメーターやノギスを用いて行っていたため、属人的で精度にバラつきがあり
製造加工時に発生するひずみや公差を1㎛単位まで正確・精緻に測定することができませんでした。
そこで、新たに1㎛単位での高精度測定を実現できる高精度測定機を導入することで
顧客の要望を十分に満たすとともに、強みを発揮してこれまでにない新たな加工方法の確立への挑戦に取り組む計画を策定しました。


計画書には、現在の製造工程をフロー図で表して課題である「検査測定」工程を色分けして示したり、
実際の図面や現在使用しているマイクロメーターの写真を掲載することで、見やすい・分かりやすい計画書を作成しました。


また、必ず入れなければならないのは設備導入による変化、Before→Afterを示すことです。
H社の場合は、検査精度、不良率、検査における所要時間などの変化を一覧化しました。
また、新たに挑戦する加工方法については、H社の社長と協力してイメージ図を作成しました。


文字だけの計画書では事業のイメージが浮かびにくく、審査員にとっても読みづらい計画書となってしまいます。
小学生でもわかる、とまでは言いませんが、分かりやすく説得力のある計画書であることが必要不可欠です。


さらに、将来的にどのように事業を展開していくのかも明記しなければいけません。
H社では、既存顧客・新規顧客の2つの切り口で、どのような業界・企業をターゲットとするのかを示しました。
また、ターゲットとなる市場の規模、現在のH社のシェアなども記載してその市場に将来性があることを示しました。
その他、公募要領に記載された審査項目をすべて網羅した計画を作成し、申請を行いました。


H社は小規模事業者だったため補助率は2/3、設備投資額が700万円だったため小規模型での申請でしたが
無事に採択され、700万円×2/3=466万円の補助金が交付されました。


今回の講座では、このような他社事例の紹介や計画書作成におけるポイントはもちろん
事業者との契約時の注意点や、提出に必要な資料のまとめ方、採択事例だけでなく不採択事例についてもお伝えします。
次回の公募からすぐに活用できる、超実践的な講座です。
ぜひご参加いただければ幸いです。
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補助金について

ものづくり補助金の「リース導入」にはご注意を!

ものづくり補助金(令和3年実施)はこちらへ

 

こんにちは、コンサルタントの住吉です。

2月18日からものづくり補助金の申請が始まり、

企業様や設備メーカー様から多数お問い合わせを頂いております。

 

基本的にはお電話でヒアリングさせて頂きながら進めていくのですが

申請を決める前に、事前にここだけはチェックして欲しいというポイントがあります。

それは、リース導入の場合はメリットがほとんどないということです。

実際に、2月にお問い合わせ頂いたある企業様はリースでの設備導入を検討されていたのですが

ものづくり補助金ではほとんどメリットがほとんどないことをお伝えすると

今回は申請を見送られるとご判断されました。

 

もちろん、リースで設備導入される場合も、ものづくり補助金の申請は可能です。

公募要領の補助対象経費(機械装置費)の説明文にも、以下のように記載されています。

「専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に関する経費」

 

しかし、この「借用」については、次の注意書きが添えられています。

※「借用」とは、いわゆるリース・レンタルをいい、交付決定後に契約したことが確認できるもので、補助事業期間中に要する経費のみとなります。したがって、契約期間が補助事業期間を超える場合の補助対象経費は、按分等の方式により算出された当該補助事業期間分のみ対象となります。

 

 

「補助事業期間」は、補助金の交付決定を受けた日から

2019年12月27日(小規模型で申請した場合は2019年11月29日)までの間です。

 

下表で、ものづくり補助金の申請から補助事業期間完了までのスケジュールを確認してみます。

※採択発表以降の日程には予想も含まれます。何卒ご了承ください。

 

 

 

採択発表後の手続きがスムーズに進んだ場合でも、補助事業期間はおそらく8月~12月までの5カ月間となります。

この補助事業期間内に、設備の発注・納入・検収・支払をすべて完了させなければいけません。

 

例えば、1,200万円の設備を5年リース(60回払い)で導入する場合

1,200万円÷60回=20万円が1カ月のリース代ですね。

補助事業期間が8月~12月の5カ月間だと仮定すると

20万円×5カ月=100万円が実際に支払った金額となります。

補助金は、実際の支払額に対して補助率が適用されますので

補助率1/2であれば50万円、補助率2/3であれば66万円の補助金を受け取ることができます。。

 

もし、この設備をリースではなく一括購入していた場合

補助率1/2であれば600万円、2/3であれば800万円の補助金を受け取ることができます。

 

このように、リース導入か一括購入で500万円以上の差額が生じてしまいます。

とはいえ、補助金は後払いですので先に資金確保をしなければいけません。

金融機関から設備資金を調達する場合は、事前に担当者に相談しておくとスムーズに進められるかと思います。

 

 

ものづくり補助金の申請について、ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

ものづくり補助金(令和3年実施)はこちらへ

補助金について

平成30年度補正ものづくり補助金の公募について

【2019年2月19日追記】
平成30年度補正「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の公募が始まりました。
公募期間は2019年2月18日~5月8日です。


今年度のものづくり補助金の専用サイトを更新しました。
ものづくり補助金に関するご質問等がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
補助金申請の支援依頼も受け付けております。
※お問い合わせ頂いた順に対応させて頂いておりますのでご了承ください。


もの補助 特設サイトはこちら



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以下、2019年1月17日の記事です。



こんにちは、コンサルタントの住吉です。

 

少しずつ情報が公開されてきておりますが、

今年も「ものづくり補助金」の公募が行われる予定です。

 

正式な公募要領の公開はまだ先となりますが、

現在、中小企業庁より今年のものづくり補助金の事務局の募集が行われています。

 

毎年、「全国中小企業団体中央会」が事務局となり

ものづくり補助金の公募にかかる業務を行っていますね。

 

この事務局の募集締切が1月23日で、事務局が決定すれば速やかに公募が開始されます。

中小企業庁のHP上でも、以下のように記載されています。

 

上記事務局が決定後、実施事務局が、中小企業・小規模事業者が行う革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセス改善のための設備投資等の一部を補助する事業の、事業者向け公募を行います。これは、平成30年度補正予算の成立後、速やかに実施する予定です。
なお、事業者の事業実施期間を可能な限り長く確保する観点から、上記公募の際には、約2か月の公募期間を設けるほか、早期に公募を締め切って審査し、採択発表を速やかに(可能ならば年度内に)行うことを検討中です。また、夏以降に2次公募を行うことも予定しています。

(中小企業庁HPより抜粋)

 

また、今年も昨年に引き続き1万件の採択が予定されています。

ちなみに昨年(平成29年度補正)は

申請数 23,630 件に対して採択数 11,989 件で採択率が50%以上と非常に高かったです。

 

 

当社も今年の申請支援に向けて準備を進めておりますが、

お問い合わせが殺到した場合には、支援をお断りさせて頂く場合もございます。

 

ものづくり補助金の申請を検討されている方は、ぜひお早めにご相談くださいませ。

 

 

補助金について

ものづくり補助金の二次公募が始まりました!

こんにちは、コンサルタントの住吉です。

平成29年度ものづくり補助金の二次公募が始まりました!

公募期間は8月3日(金)~9月10日(月)までです。

※電子申請の場合は、9月11日(火)15時まで

 

今年度は、国の予算が1000億円と非常に大きく

一次公募では17275件の応募に対して9518件が採択されました。

採択率は55.1%と、例年のものづくり補助金の採択率の中では非常に高いです。

 

二次公募の採択率はどうなるか分かりませんが、

お盆休みも挟みますので、早めに取り掛かることをオススメします。

 

当社も二次公募の申請支援にさっそく着手しています!

ものづくり補助金について、ご質問などがあればお気軽にご連絡くださいませ。


▽ 平成29年度ものづくり補助金の特設ページはこちら ▽







補助金について

先端設備等導入計画とは?

こんにちは、コンサルタントの住吉です。
先日6月1日に「生産性向上特別措置法」の施行のための政令が閣議決定されました。
まもなく同法が施行されます。


『先端設備等導入計画』は、「生産性向上特別措置法」において措置された中小企業・小規模事業者等が、設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画のことを言い、認定を受けた事業者は税制上や金融支援などにおいて様々なメリットを受けられます。


先端設備等導入計画についての特設ページを作成したので、ぜひご覧ください。
公募情報が公開されましたら、随時ページを更新してまいります。


先端設備等導入計画とは先端設備等導入計画とは