組織・人材育成 考え方

人手不足であっても代わりの人間はいくらでもいる

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

『代わりの人間はいくらでもいる』これは元プロ野球選手で監督であった野村克也氏が言っていた言葉です。

 

代わりの人間がいくらでもいることは組織の本質であり、代わりの人間はいくらでもいることを理解し、自分自身を高め続けることができる人が、一流の人、成長し続けられる人であると思います。

 

一方で人手不足の現在では、希望の採用が出来ずに特定の社員、役員、外注先などに依存してしまうことがありますが、それでも代わりの人間はいくらでもいることを前提に考えなければなりません。

 

一見、非常に厳しい言葉にも感じられますが、組織目線では「業務の平準化、マニュアル化ができており、高い生産性と品質を維持できる体制になっている」、「新しく入った社員が育つ環境が整っている」、

「次世代の中心メンバーが成長している」などのように代わりの人間がいくらでもいるということは、強い組織になっているとも考えることができます。

 

『代わりの人間はいくらでもいる=誰かをやめさせて他の人に任せる』ではなく、環境や状況に応じて、それぞれの強みを活かしながら、ベストメンバーで臨むためには代わりがいないとできませんので、組織としても個人としても重要な言葉だと思います。

中小企業診断士 木戸貴也

経営改善について 考え方

状況が厳しくなった場合、タフなやつだけが前に進める

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

中小企業を取り巻く経営環境は、「企業規模や業種を問わない賃上げの圧力」や「政策金利の引上げによる支払利息の増加」、「関税や為替変動によるコストアップ」など収益を圧迫するようなテーマが日々、取り上げられています。

 

経営は順風満帆な時期よりも逆風が吹き荒れる環境でこそ、本当の力、真の実力が試されるもので、こうした状況下では、多くの企業や個人が足を止め、リスクを回避し、様子を見る行動を取りがちです。

 

しかし、それらの企業や個人よりも一歩先へ進める企業、個人だけが、次の成長、発展を手にすることができます。つまり、「状況が厳しくなった場合、タフなやつだけが前に進める」ということです。

 

ここでいう「タフなやつ」とは、単に我慢強い人ではありません。冷静さを保ち、自身の感情と向き合い、極限下でも質の高い意思決定を下せる人を指します。

 

タフネスは、「精神論」ではなく「技術」であり、「鍛えれば身につく資産」です。厳しい状況では、「粘る」ことが重要視されがちですが、重要なのは「何を捨て、どこに集中するか」の判断です。

 

時に撤退も戦略の1つです。タフな人は、自分のリソースを冷静に把握し、勝機のある領域に一点突破します。そして、その一点に対しては、執念をもって活動を続けます。

 

どれだけ優秀な戦略や計画であっても実行されなければ意味はなしません。不確実性の中では、タフさがなければどのようなスキルや資格、経験も活かせません。

 

タフであることは、未来を勝ち取る力です。

中小企業診断士 木戸貴也

考え方

やらないことリスト

こんにちは、営業事務の造田です。

 

皆様は1日の中や少し先の予定で実行すべきタスクをどのように管理されていますか?

 

多くの方はTo Doリストを作成して漏れが発生しないように管理されているかと思います。
私も毎朝出勤後にはやるべきタスクを書き出し、優先順位をつけて取り組むようにしています。

 

ですが、実際にはリストに書かれている内容以外のことにも時間が割かれてしまい、タスクを完了させるまでに想定以上の時間がかかってしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

最近私は「やらないことリスト」というものの存在を知り、「やらないこと」にも意識をするようにしています。

例えばマルチタスクをしない、情報を検索するときに無作為に追い続けないということです。

 

Aの業務をしている途中でBの業務がすぐに終わりそうだから先に片付けてしまおうとマルチタスクをすると、Aの業務に戻ろうとした際に振り返りの時間が必要になります。

また、情報を収集したいときに関連のありそうな情報をむやみに収集しても結果的に欲しい情報を得られないこともあります。

 

やらないことを明確にするメリットは、頭の中を整理しながら物事を進めることができることだと感じています。
ひとつひとつタスクをこなしていくことで達成感も得られることができます。

 

業務を行う上で、時間がかかってしまうことに悩まれている方は、ぜひ「やらないことリスト」も作成してみてはいかがでしょうか。

 

造田朋夏

組織・人材育成 経営基盤の強化 考え方

若手社員が働きたい職場とは?

こんにちは、伊藤です。
先日、リクルートマネジメントソリューションズが行った「働きたい職場」に関する新入社員意識調査の記事を読み、驚いたことがありました。
それは、「皆が1つの目標を共有している」「お互いに鍛え合う」「ルールが明確である」といった点を重視する人が少数派だったことです。
特に、「皆が1つの目標を共有している」ことが重要視されていない点には衝撃を受けました。
近年、「経営者は経営理念やビジョンを明確にし、社員と共有することが大切だ」と言われる機会が増えていますが、新入社員はそこに魅力を感じていないのです。
一方で、調査結果からは「お互いに助け合える」「遠慮せず意見を言い合える」「お互いの個性を尊重する組織」といった要素が求められていることがわかりました。つまり、「組織の目標に従う」よりも、「自分の意向を尊重しながら働ける環境」を重視する傾向が強まっているということです。
これは、働き方や価値観の多様化が進む現代ならではの変化だといえるでしょう。

さらに驚くべきは、新入社員の3割が入社直後から転職を考えているというデータでした。
かつては「3年は働くべき」と言われていましたが、その価値観はもはや過去のものとなりつつあります。
今や採用するだけでなく、「どう定着させるか」が経営課題となっています。
こうした状況の中で、企業が社員の定着率を高めるためには、従業員が最大限の力を発揮できる環境を整え、信頼関係を構築することが不可欠です。
どれだけ優れた経営戦略を掲げても、従業員の意欲が低ければ離職につながってしまいます。
特に重要なのが、「従業員の声をしっかり聞くこと」です。
単なる雑談や同行時の会話ではなく、意図的に時間を確保し、業務の課題やキャリアの希望についてじっくりと話し合う機会を設けることが求められます。
例えば「月1回の1on1ミーティング」を導入し、キャリアパスやスキルアップの方向性を話し合う場を設けるなどです。
一方的に話すのではなく対話を重視しながら、従業員が不安を感じないよう、「このスキルを習得すれば昇進のチャンスがある」といった指針を明確にし、従業員のモチベーション向上につなげます。
また、「この業務をこなせば売上が上がる」だけでなく、「この業務を通じて新しいスキルが身につき、キャリアアップにつながる」という、個人にとってのメリットを明確に伝えることも重要です。
経営層や管理職は、単なる指示者ではなく、「従業員の成長を支援する立場」であることが求められています。

 
「自分の会社なのに、なぜそこまでサポートしなければならないのか」と疑問に思う経営者もいるかもしれません。
しかし、従業員が成長し、成功することは、企業の業績向上にもつながります。
たとえすぐに成果につながらなくても、学びの機会や挑戦の場を提供し、信頼関係を築くことが大切です。
その誠実な姿勢が評価され、「この会社で働き続けたい」「この上司のもとで成長したい」と思われることで、従業員のエンゲージメントが高まり、企業の持続的な成長につながるのです。

人手不足が深刻化する中、利益を上げるためには、目の前の従業員の成長と満足を優先することが求められます。
従業員がやりがいを持ち、能力を発揮できる環境を整えれば、結果的に企業の成長にもつながるのです。
短期的な利益だけを追求するのではなく、長期的な信頼関係を築く経営を目指しましょう。

伊藤 侑加

組織・人材育成 考え方

肉をあげずに、肉の獲り方を教える

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

先日、支援先様で私は「肉をあげるのではなく、肉の獲り方を教えるのが本人のため」という表現を使いました。

 

ライオンや鳥でも子供が赤ちゃんの間は食べさせていたが、あるタイミングで子供を突き放す映像をみたことはないでしょうか。

 

その時の親の心境は辛くて仕方がないと思うのですが、それでも自分で餌を獲りに行く方法を叩き込まなければ、厳しい自然界で生き延びることはできないため心を鬼にして突き放しているのです。

 

どういったシチュエーションで私がこのフレーズを使用したかの言及はここでは避けますが、この考え方は私が幼少期から大人になるまでの過程で培われた価値観の中でも上位に入ります。

 

「答え」「成果」「喜び」「物や金銭」などを与え続けると、本人が考えることも努力することも感謝することもなくなってしまい、最終的には一人で生きていく事ができず、与えてくれる人に依存し続ける人生になるということの教訓ですが、これは何も自然界のみならず、親子関係、恋愛関係、夫婦や上司部下でも同じではないでしょうか。

 

自分の力で道を切り拓き、自己実現を目指していく人生が幸せであって、何でも周りから与えられる人生はただの依存です。

 

大事な相手を幸せにするために補助する、突き放す、遠くから見守る、寄り添うなどタイミングや相手のステージにおいて使い分けないと一人では生きていけない人間になってしまいます。

 

本人のためを思って、真の厳しさを教え込むことが本当の愛情だと動物は教えてくれます。

 

もちろん真の優しさについても動物は教えてくれます。

 

会社でも厳しく育てて、自社でも他社でも通用する社会人になるために厳しく育てるのが人材育成だと思います。

 

しかし、それもハラスメントと解されるのが今の日本社会ですが・・・。

 

それではまた次回です。

組織・人材育成 考え方

「やりたい、やりたくない」でなく「やるか、やらないか」

こんにちは、伊藤です。

私が最近心がけていることは、仕事に対して感情を持ち込まず「やるか、やらないか」で意思決定をすることです。

私自身は日頃、ネガティブな思考になりやすい人間なので、様々な物事に対して億劫に感じやすいのですが、負の感情は、感情を正常な状態に戻すまでに時間がかかってしまう・・要は作業時間のロスに繋がるとに気づきました。

私がこれまで関わってきた数千人の中で、「仕事ができるヒト」は、「やりたい・やりたくない」という感情から意思決定するのでなく、「やるか・やらないか」という思考で意思決定している方でした。
さらに、「やらない」という意思決定は殆ど行わず、「やる」と決めて、苦手なことでも取り組む姿勢の方が多かったです。

私も過去に上司や先輩から、「過去の担当者が大きな失敗をしたから取引を再開するのは無理だ」と言われていた企業に、2年間通い続け、取引を獲得したことがあります。
周りからは無理だと言われていましたが、「絶対、契約を取り付ける」と覚悟し、繁忙期であっても、「週に1回はお客様に訪問する」と決めて、企業への訪問を継続しました。
私が粘り強く通い続けていたことや、お客様が急ぎで商品が必要となった瞬間に、私のことを思い浮かべてくださった事などにより、取引が再開し、最終的にはその企業の主要取引先ともなりました。

もちろん、過去には「やる」と決めたのに「できなかった」経験や、小さな出来事なのに「やりたくない」という気持ちが先行して物事を後回しにしたために、大きな出来事に発展してしまい、「もっと早くやっておけば良かった」と後悔したこともあります。
早い段階で「やる」と決めて行動していれば結果が変わっていたと思います。

もちろん、瞬間的に感情を持ってしまうことはありますが、「今の自分は感情的になっていないか」、「結局、やるのか、やらないのか、どっちなのか。」と問い続け、「やる」と決めて行動し続けたいと思います。

伊藤 侑加

考え方

「ありたい姿」と「あるべき姿」

こんにちは、営業事務の造田です。

 

当社では先日今期の経営方針発表会を開催いたしました。

当日は①代表の長尾より前期の振り返りと今期の取組み内容、長尾が当社や当社従業員に求める考え方についての共有と、②全社員による部門方針と行動計画の発表がございました。

 

②全社員による部門方針と行動計画の発表では、当社が行っている様々な支援や文化形成の面において、各チームリーダーが「チームとしてありたい姿」を、各個人が「個人としてありたい姿」と行動計画について事前に検討し、発表を行いました。

 

私はこれまで目標を決定する際は「あるべき姿」を想像してそれを達成するための目標を考えることが多く、「ありたい姿」をもとに目標を立てた経験があまりなかったため、まずは2つの言葉の違いについて考えました。

 

・あるべき姿:会社で決められたルールや理想とする結果をもとに第三者から見た時の理想の状態

・ありたい姿:ルールや制約を取り除いたうえでの自分が理想とする状態

 

これらを踏まえて過去に設定した目標と結果を振り返ってみると、自分の理想と第三者から求められている理想が乖離しているときほど、目標が達成できなかったり達成までに苦労したりととても大変であったように感じます。

 

今回新しい視点として「ありたい姿」から目標を考えてみると、自分のなりたいものや挑戦したいことが明確になり、それらを実現するための行動内容もより具体的に設定できたのではないかと実感しています。

 

今回設定した「ありたい姿」を日頃から意識し、今期も当社や事業者様のご支援に貢献していきたいと思います。

 

造田朋夏

考え方

経営に免許は不要

フラッグシップ経営の代表、中小企業診断士の長尾です。

 

最近よく使うフレーズです

 

「経営に免許は不要」

 

いつでも、だれでも好きな時に経営者になることができ、法に触れない限り完全に自由に意思決定ができます。

 

 

その結果、企業の10年生存率は10%を切っていますし、30年生き残る会社は0.2%と言われています。

 

また、倒産していなくても半分以上の会社が営業赤字ですし、過剰債務、債務超過のいわゆるゾンビ企業も数えきれないほど存在します。

 

確かに経営に免許は不要ですが、「経営知識」や「経営の感性」をもたない人間が好き放題に経営するとそうなってしまいます。

 

実はこの「経営知識」や「経営の感性」というのは大した話ではなく、商売をする上での原理原則を身に付けるだけです。

 

例えば

 

お客様に価値を提供する、適正な利益を残す、売れない場合は自分が現場に出てお客様の声を聞く、資金や利益率など計数を学ぶ、社員がいるなら社員教育をする、小売りなら清掃をする、暇なら集客について考えるなどです。

 

どれも当たり前で、キホンのキにもならないような事を全くやらない経営者が多い、多すぎる・・・というのが現実です。

 

会社経営は人が人に価値を伝えて対価を交換するだけのシンプルな活動です。

 

赤字の会社を立て直すのが我々の仕事ですが、そもそも基本的な姿勢や覚悟がない経営者やその会社は市場から退場すべきだと思うのです。

 

私の表現は厳しいでしょうか?

 

免許が不要な会社経営を始めた以上、最低限の覚悟だと思うのですが・・・

 

外部専門家はどこまで行っても応援席の最前列で大声を上げることしかできません。

 

試合は経営者が真剣に向き合うしかないですし、そのための練習も同様ですよね。

 

それではまた次回です。

考え方

相手との距離を縮める「雑談力」

こんにちは、営業事務の造田です。

 

皆様は会社の上司・部下や取引先の方と会話をする際にもっと相手との距離を縮められれば良いのにと感じた経験はございませんか。

 

お互いの信頼関係を構築し、コミュニケーションを円滑に進めるためには、ただ必要な会話だけしかしないのではなく、何気ない雑談を交えることがポイントです。このようなスキルを「雑談力」と呼びますが、今回は雑談力の高め方についてご案内します。

 

まず、雑談力がない人には、
・相手の会話に対するリアクションが薄い
・自分の話は熱心にできるが、逆に自分が好きな分野にしか興味がない
といった特徴があげられ、会話を続けると相手に不快感を与える可能性があります。

 

相手に話を聞いてもらっている時や自分の好きな分野の話をする時は会話が苦ではない一方で、自分から話題を提供することは苦手な方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 

続いて雑談力を身に付ける簡単な会話方法をご案内します。

 

〇相手の興味を知るために、相手の事を聞き出してから本題に移る
→すぐに本題に入ってしまうと相手の気分を瞬時に読み取ることが難しいため、「~についてどう思いますか?」や「最近いかがですか?」とあらかじめ相手の気分を知っておくことでスムーズにコミュニケーションを取ることに繋がります。

 

〇相手の発言には否定ばかりせず、相手に合わせ共感をする
→自分の意見を聞いてもらいたくて話をしていても、否定されてしまう回数が多くなるとだんだん不快に感じられてしまうため、すぐに否定をするのではなく相手の意見を受け入れたうえで誤っている内容は訂正することが重要です。相手と会話のテンポやトーンを合わせることでより相手から距離を縮めてもらうきっかけにもなります。

 

雑談力は一見、【話し上手】であることが重要であるように見えますが、それ以上に【聞き上手】であることも重要です。

 

すぐに雑談力を身に付けることは難しいかもしれませんが、皆様もぜひ実践してみてください。

 

造田朋夏

組織・人材育成 考え方

モノがあふれる時代こそ重要性が増す「提案営業」とは

こんにちは、伊藤です。

最近感じることは、商品があふれすぎて、自分に合った商品を簡単に選ぶことが難しいということです。

 

先日、某ファッション通販サイトで、黒いパンプスを購入しようとしたのですが、
「黒 パンプス」と検索すると、あらゆるブランドの似たようなデザインの商品が200点以上も表示され、どれを購入するのが良いか悩んでしまい、購入に至らなかったということがありました。

この時に感じたのは、私の課題を解決してくれる、提案サービス(提案営業)があればいいなという事でした。

 

提案営業とは、ただ商品やサービスを販売するのでなく、顧客が抱える課題を理解し、解決策を一緒に考えていく営業方法のことを言います。

 

提案営業を行う際に一番重要なことは、「まずはお客様の状況や悩み事をしっかりと聞くこと」です。

 

例えば、お客様が「コスト削減」を希望する場合、
「この商品であればいくらコストが削減できます」と、すぐに商品の提案に入るのではなく、
まずは「どんなコストを削減したいのか。」、「なぜコストを削減したいのか?」「コスト削減をした結果、何を実現したいのか。」を質問し、お客様のニーズを掘り下げます。
そして、お客様の潜在ニーズを認識した段階で、課題の解決に向けた提案を行います。
 

もし、提案が見送りになったとしても、一度の提案で終わるのではなく、
定期的なフォローアップや進捗確認を通じて、「この人に相談して良かった」と思って貰える存在になることも重要です。

市場では、あらゆる商品やサービスがあふれるものの、消費者が消費できるキャパシティは限られています。
このような中で事業の成長を持続的なものとするためには、顧客に寄り添いながら、顧客の課題の解決に取り組み、長期的な信頼関係を築くことが大切です。
すぐに営業方法を切り替えることは難しいかもしれませんが、少しずつでも結構ですので、
ぜひ、提案営業の考え方を取り入れて営業活動をしてみてください。

伊藤 侑加