補助金について

中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインとは

【2019年5月10日追記】
当ブログ記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」はものづくり補助金の申請において重要なポイントとなります。
平成30年度補正ものづくり補助金は2019年5月8日で公募期間が終了しましたが
専門家の間では夏ごろに2次公募が行われるのでは、とも言われています。

当社では、ものづくり補助金の申請支援を行う士業・経営コンサルタント・認定支援機関の先生方を対象に
「今さら聞けない ものづくり補助金の実務」というセミナーを開催いたします。
ものづくり補助金の全体像から制度の理解、公募要領の読み方、申請書の記載方法、提出準備まで、
次回の公募から使える超実践的な内容をお届けします。

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は、ぜひご参加いただければ幸いです。(先着20名様限定のため、お早めにお申し込みください。)

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また、ものづくり補助金の申請をお考えの企業様からのご相談も受け付けております。
お気軽にお問い合わせくださいませ。

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コンサルタントの住吉です。 まもなく始まる「ものづくり補助金」 の申請にあたっては

・中小ものづくり高度化法 ・中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン

の理解がかかせません!
今回は、後者の「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」について 以下のテーマでまとめてみました。


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1.中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインって?
2.このガイドラインが出来た背景は?
3.生産性の向上って?
4.10個の具体的な手法とは?

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1.中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインって?

このガイドラインは、 サービス産業を営む中小企業が、経営課題を解決するための参考になるように という目的で
平成27年1月に経済産業省によって作られたものです。
平成28年2月に一部差し替え・追加が行われるなど 時代の流れにあわせて更新されています。


2.このガイドラインが出来た背景は?

平成26年4月の内閣府の発表によれば サービス産業のGDP、雇用のシェアは日本経済の約7割を占めており
さらに、そのうち9割以上を中小企業が占めています。

少子高齢化などの社会構造の変化、ニーズの多様化によって、
サービス産業に求められる役割や重要性は今後さらに大きくなることが見込まれます。

しかし、日本のサービス産業は、製造業や海外のサービス産業に比べると
その生産性が低く、日本経済の足を引っ張っているという状況・・・。

そこで、このガイドラインが作られ、サービス業を営む中小企業が生産性を上げるための
具体的な手法や方向性について、具体的な事例もあわせて紹介されているのです。
「このガイドラインを参考にして 中小企業の皆さんは生産性の向上に努めてくださいね!」 ということです。


3.生産性の向上って?

ビジネスパーソンの方は、これまで上司や先輩に
「もっと生産性を上げろ!」 と言われたことがあるのではないでしょうか?

「生産性」とは「労働生産性」のことで、 一人あたりの従業員が生み出す付加価値額のことを指します。
つまり、先ほどの例を言い換えると 「もっと君ひとりが生み出す付加価値額を増やせ!」 という意味になります。


また、付加価値額は次の式で求められます。


付加価値額=営業利益+人件費+減価償却費


これを従業員数(または労働時間数)で割ったものが、 一人あたりの付加価値=労働生産性です。

労働生産性を上げるためには、
付加価値を上げる(提供するサービスの価値を増大させる=売上を増やす)
効率を上げる(無駄な時間や行程を減らす=コストを削減する)
という2つの方向性が考えられます。 (もちろん他にもあるかと思いますが、ガイドライン上はこの2つです。)

そこで、このガイドラインでは ①付加価値を上げる、という切り口で8個、②効率を上げる、という切り口で2個、
あわせて10個の具体的な手法が紹介されています。


4.10個の具体的な手法とは?

①付加価値を上げる
(1)新規顧客層への展開
(2)商圏の拡大
(3)独自性・独創性の発揮
(4)ブランド力の強化
(5)顧客満足度の向上
(6)価値や品質の見える化
(7)機能分化・連携
(8)IT利活用(付加価値向上に繋がる利活用)


②効率を上げる
(9)サービス提供プロセスの改善
(10)IT利活用(効率化に繋げるための利活用)


ものづくり補助金の申請を行う際には、 この10個のうち、いずれかの手法を取り入れた事業でなければいけません。
さらには、この手法によって事業を行った結果、「付加価値額」が年率3%以上、「経常利益」が年率1%以上向上する事業計画が必要です。
(平成30年度補正ものづくり補助金における要件です)

「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」は、 経済産業省のホームページから確認できます。
↓ ↓ ↓
経済産業省「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインを策定しました」

以上です! 最後までお読みいただきありがとうございます。
申請する前に、ぜひ一度確認して下さいね!



補助金について

今さら聞けない補助金制度の基本

コンサルタントの住吉です。
国や自治体が行っている「補助金制度」は
中小企業の皆様にとっては、ぜひ効果的に活用したいものですよね。


補助金には様々な種類がありますが、
今回はその基本について、分かりやすくまとめてみました。



1.そもそも「補助金」とは?
2.補助金と助成金、何がどう違うの?
3.補助金のメリットとデメリットは?
4.注意すべき点は?



1.そもそも「補助金」とは?

政府が、国の様々な政策目標を達成するために、
地方自治体や企業、民間団体、個人に対して直接交付する金銭給付のことを言います。
言い換えると、国がお金を支援してあげるかわりに、
自治体や企業は政策目標の達成につながる取り組みを行ってください、というものです。
そのため、補助金によってそれぞれ用途が制限されており
受け取った補助金を企業が好き勝手に使える訳ではありません。



2.補助金と助成金、何がどう違うの?

どちらも政府から交付される支援金という意味では同じです。
特に違いはないというコンサルタントの方もいらっしゃいますが、
厳密に分けると、次のような違いが挙げられます。

・助成金は、要件を満たせば原則受け取ることができる
・補助金は、要件を満たしても、審査を通過しなければ受け取れない

・助成金は、主に厚生労働省が管轄している
・補助金は、主に厚生労働省以外の官公庁、地方自治体が管轄している



3.補助金のメリット、デメリットは?

ここでは中小企業が補助金を活用する場合のメリット、デメリットをご紹介します。
まずはメリットから。


(1)返済しなくてよい
金融機関から融資を受ける時には、
元本返済はもちろん、金利負担や担保、保証人などが必要になりますが、
補助金は原則返済する必要がありません。


(2)企業の信頼度があがる
補助金を受けたということは、
政府からその取り組みが認められた、つまりお墨付きを貰えたということになります。
そのため、金融機関や取引先、従業員からの信頼度が上がることが期待されます。


(3)事業が前進する
補助金は採択を受けてからすぐに受け取ることは出来ません。
実際に事業が動き出し、それをきちんと証明して初めて受け取ることができます。
逆に言うと、計画通りに事業が進んでいなければ受け取れません。
そのため、補助金を受け取ることができた=事業が計画通りに前進している と言えるのです。


続いてデメリット。

(1)時間や取り組みに制限がある
補助金を受け取るためは、申請手続きから事業の実施において
定められた期間内で全て終わらせなければいけません。
この期間外で行う取り組みは、補助金の対象外となってしまいます。
「今すぐ補助金を活用して設備投資をしたい!」 と思っても、
該当する補助金制度が行われていなければ活用できません。
このような機会損失が生じてしまうリスクがあります。
また、うっかり期間を超えてしまった、という場合ももちろん認められません。
きちんとスケジュール管理をして取り組まなければいけません。


(2)手間がかかる
補助金は国のお金ですので、
書類の作成や保管に関するルールは非常に細かく、手間がかかります。
定期的に報告書を提出する必要があったり、
書類に不備があれば補助金の返還が求められる可能性もあります。
あまり慣れていない方にとっては大変かも知れません。


(3)入金時期や金額をコントロールできない
補助金の採択を受けたときに、大まかな補助金の金額や入金時期は把握できますが、
実際の事業の進み具合によっては、 想定よりも入金時期が遅くなったり減額される可能性があります。
補助金をあてにして資金繰りを計画していると、思わぬ事態に陥る・・・こともあり得るのです。



4.注意すべき点は?

そのほか、次のことについては注意しておく必要があります。


(1)後払いであること
補助金はすべて後払いのため、
設備投資などを行う時は、前もって資金を用意しておかなければいけません。


(2)税金がかかる
受け取った補助金は、原則その期に益金として計上されます。
(個人事業主の場合は事業所得になります。)


(3)収益還付の可能性がある
補助金は、基本的には返す必要はありません。
しかし一定以上の収益が出た場合には、
一部を返還しなければいけないというルールがありますので 注意が必要です。


以上です! 最後までお読みいただきありがとうございます。
申請する前に、ぜひ一度おさらいしておいて下さいね!