令和6年に新設された省力化投資補助金が、従来のカタログ注文型に加えて、一般型が令和7年に新設されます。予算額3,000億円と中小企業向けの補助金では大規模な予算があり、中小企業等の付加価値や生産性向上を図り、賃上げにつなげることを目的に実施されます。
補助金の申請受付は、令和7年3月~4月頃の予測ですが、新設される申請枠は、オーダーメイドでの投資案件であり、公募要領が公表されてから準備を進めたのでは申請期限に間に合いません。そのため、補助金の概要を理解し、今できる準備を進めることが非常に重要です。
本サイトでは、中小企業省力化投資補助金を活用し、生産性向上や賃上げを目指す方に役立つ情報を徹底解説します。
<本サイトの情報は、2024年12月10日時点のものです。今後、国会の審査等によって、実施内容や実施有無が変更となる可能性があります。詳細は随時、更新します。>
目次
省力化投資補助金<一般型>の「目的」は?
中小企業省力化投資補助金<一般型>の目的は、中小企業等の売上拡大や生産性向上を後押しするために、人手不足に悩む中小企業等に対して、省力化投資を支援することで、付加価値額や生産性向上を図り、賃上げにつなげることです。
令和6年に新設された同補助金<カタログ注文型>が拡充され、従来の汎用製品に限らず、中小企業等が抱える個別の現場での課題解決に向けたオーダーメイドでの省力化投資を支援する補助金です。
具体的には、業務プロセスの自動化・高度化やロボット生産プロセスの改善、デジタルトランスフォーメーション(DX)等の設備導入やシステム構築等が対象となります。
省力化投資補助金<一般型>の「対象事業者」は?
省力化投資補助金<一般型>の対象となる事業者は、「事業規模」と「応募要件」に分けられます。まずは、それぞれの基準を理解し、対象となる事業者かどうかを判断することが重要です。
省力化投資補助金<一般型>の「対象の事業規模」は?
省力化投資補助金<一般型>の対象となる事業規模は、中小企業であり、資本金と常勤従業員数の基準が、業種によって定められています。まずは、業種と資本金、常勤従業員数を確認し、対象となる事業規模かどうかを確認しましょう。
業種 | 資本金 | 常勤従業員数 |
製造業、建設業、運輸業、旅行業、 ソフトウェア業、情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業(ソフトウェア業、情報処理 サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
※ゴム製品製造業や旅館業、その他の上記以外の業種では別途異なる基準があります。
※上記基準を満たす場合でも「みなし大企業(親会社が大企業などの要件あり)」は対象外です。
省力化投資補助金<一般型>の「応募要件」は?
省力化投資補助金<一般型>の応募要件には、「付加価値額要件」や「生産性向上要件」、「賃上げ要件」などが基本要件となる可能性があります。具体的な応募要件は、公募要領にて公表されますので、更新をお待ちください。
省力化投資補助金<一般型>の「概要」は?
省力化投資補助金<一般型>の「補助額」「補助率」は?
省力化投資補助金<一般型>の補助額は従業員数によって、異なります。また、補助率については、事業規模によって、中小企業「1/2」、小規模事業者「2/3」となり、補助金額1,500万円を超える部分は、一律「1/3」となっています。
枠・類型 | 補助上限額(大幅賃上げ要件) | 補助率 |
<一般型> | 従業員数 5人以下 750万円(1,000万円) 従業員数 6~20人 1,500万円(2,000万円) 従業員数 21~50人 3,000万円(4,000万円) 従業員数 51~100人 5,000万円(6,500万円) 従業員数 101人以上 8,000万円(1億円) | 1/2、小規模・再生2/3 ※補助金額1,500万円までは1/2または2/3、1,500万円を超える部分は1/3 ※別途最賃引上げ特例等あり |
<カタログ注文型> ※参考 | 従業員数 5人以下 250万円(300万円) 従業員数 6~20人 500万円(750万円) 従業員数 21人以上 1,000万円(1,500万円) | 1/2 |
省力化投資補助金<一般型>の「補助対象経費」は?
省力化投資補助金<一般型>の補助対象経費は、「機械装置費」と「システム構築費(ソフトウェア費)」が中心となります。「中古機械」が対象となること、「リース」を活用できることなどの情報はありませんが、公募開始時の情報で対象となる可能性があります。
省力化投資補助金<一般型>の「スケジュール」は?
省力化投資補助金<一般型>は、令和8年度以降も公募される予定ですが、令和7年度の実施スケジュールの申請スケジュールは、年2回(最大3回)と考えています。また、1次公募で不採択となった場合、2次公募への再チャレンジは可能なスケジュールが計画されると予測しています。
1次公募は「令和7年4月頃」
・申請期限 令和7年4月頃
・採択発表 令和7年7月頃
・設備等の発注時期 令和7年8月頃(交付決定後)
※設備等の発注は交付決定前に行うと補助対象外となります。事前着手制度がない補助金では、仮発注、内示なども禁止されていますので、ご注意ください。
2次公募は「令和7年8月頃」
・申請期限 令和7年8月頃
・採択発表 令和7年11月頃
・設備等の発注時期 令和7年12月頃(交付決定後)
※設備等の発注は交付決定前に行うと補助対象外となります。事前着手制度がない補助金では、仮発注、内示なども禁止されていますので、ご注意ください。
通年での受付や3次公募以降の受付の可能性もある
ものづくり補助金などの経済産業省が実施する補助金は、年2回の公募が中心です。そのため、省力化投資補助金<一般型>についても同様の公募回数と予測されますが、通年での受付や3次公募以降の受付の可能性もあります。
これは、同じ予算で実施される省力化投資補助金<カタログ注文型>が、○○公募での受付ではなく、通年で申請したいタイミングで随時、応募できるからです。そのため、通年での受付の可能性や3次公募以降の実施可能性があり、投資計画に合わせて柔軟にチャレンジできる可能性があります。
省力化投資補助金<一般型>の「事前準備」は?
省力化投資補助金<一般型>の申請には、2か月~3か月程度の準備期間が必要です。具体的なオーダーメイドでの機械装置やシステム構築を検討するには、相当期間が必要です。具体的な投資内容や事業内容を検討する際には、外部専門家や金融機関からのアドバイスを受けることで、審査項目や必須項目などを抑えた申請資料を作成することが重要です。
業務プロセス自動化・高度化が必要な「経営戦略」を策定する
補助金での設備投資を通して、現在抱えるどのような課題を解決し、業務プロセスの自動化・高度化やロボット生産プロセスの改善、DXなどによって、達成する「経営戦略」が重要です。補助金での設備投資で失敗される方は、『補助金ありき』での計画策定であることが多く、採択に向けては補助金の有無に関係なく実現したい経営戦略が最も大切です。
過去には、補助金を前提とした設備投資を行い、「オーバースペックの設備であり、生産性が逆に低下した」、「設備投資以外にも新事業に資金が必要で資金ショートした」など経営に大きなダメージを受けられた企業があります。
補助金での設備投資を成功させるためにも、必ず経営戦略の中で『補助金活用』がどのような位置づけで、どのような役割なのかを整理しましょう。
補助金の対象とする「設備投資」を検討する
次に、補助金を活用して投資する設備内容を検討します。この際、生産性向上や省力化促進、高付加価値化などを実現するために何が問題(ボトルネック)となっているのかを整理しましょう。省力化投資補助金<一般型>では、中小企業が抱える個別の課題に対して、『現状の問題点→課題の設定→具体的な解決策(設備投資を含む)→効果(売上拡大、生産性向上、賃上げなど)』のストーリーで説明しなければなりません。
例えばですが、製造業であればどの生産拠点のどの生産工程のどの生産設備に課題があるのかを可能な限り具体化し、『現状と設備投資後を数値で対比』できることが重要です。
事業計画書作成などの「申請サポート先」を選択する
補助金に該当するのかどうかで悩まれたり、事前準備で困ったりすることがあれば、できるだけ早く専門家に相談し、申請サポート先を選択しましょう。特に新設される補助金で、数千万円の高額補助金を獲得するためには、経験豊富な専門家の支援が効果的です。
また、ものづくり補助金や大規模成長投資補助金など様々な補助金は、同じようなスケジュールで受付されています。そのため、特に支援実績が豊富な専門家は早い段階でご支援の新規受付を締め切ることがあります。これは、可能な限り採択率を高めるため、早くご相談いただいたお客様を優先的に対応するためです。
当社は、中小企業・中堅企業向けの補助金で全国トップクラスの支援実績がございます。無料相談を実施していますので、設備投資や補助金申請でお悩みのことがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
<本サイトの情報は、筆者の見解によるものです。補助金申請を行う際は、必ず公募要領など公式情報をご確認ください。>
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