【2025年最新!】中小企業の設備投資に使える補助金5選!

伊藤 侑加

執筆者伊藤 侑加
(この執筆者の記事一覧はこちら

大阪府出身/関西大学法学部卒業/趣味:旅行、日本酒、酒蔵巡り/中小企業の株式価値算定や会計ソフトウェアのカスタマーサポート等の業務に約10年従事。 日々の業務の中で「お客様の企業の成長に貢献したい」との思いが強くなり、経営コンサルタントになることを決意。 事業主の皆様の課題に真摯に向き合い、寄り添いながら、最善の支援が出来るよう努めて参ります。

続きを読む

2025年最新の中小企業が使える補助金情報

中堅・中小企業を取り巻く環境は、人手不足や物価高騰、最低賃金の上昇など厳しい状況が続いています。
日本政府は、2025年度(令和7年度)の経済対策として中堅企業・中小企業、小規模事業者等の省力化や生産性向上や賃上げに対応するための設備投資、成長を目指す企業への大規模な設備投資等に対して、補助金による支援を実施する方針を打ち出しています。
補助金は、一般的に、公募期間が1~2か月と短期間であり、突然開始される事が多いです。また、補助金申請で採択を受けた設備については、採択後の発注しか認められておらず、発注時期が定められています。
これらのことから「今すぐ補助金を活用して設備を発注したいと思っていたが、該当する補助金がなかった」という事例は多いです。一方で、補助金をうまく活用し、企業の飛躍的な成長を実現している企業も非常に多く存在します。
補助金を活用している企業は、補助金情報をいち早く入手し、補助金の公募が開始されるまでの期間にしっかりと準備を進めた上で、補助金申請をされています。
本記事では、大阪府第1位、全国においてもトップクラスの支援実績を誇る補助金専門家が、2025年度(令和7年度)の中小企業の設備投資に使える補助金の中から厳選した5種類の補助金を解説します。
貴社の補助金申請や設備投資をご検討の際に、必ず役に立つ情報を掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

まず押さえるべき!中小企業向け3大補助金

まずは、中小企業の方が多く利用されている人気の補助金「ものづくり補助金」、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(大規模成長投資補助金)」、「中小企業省力化投資補助金」について解説します。

ものづくり補助金(生産性向上・人手不足解消・省力化など)

ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者の省力化による生産性向上、人手不足解消や、高付加価値化製品・サービスの開発・販売を目的に、設備投資やシステム開発を支援する補助金です。

ものづくり補助金の活用事例

最新鋭の測定機器を導入した検査体制の再構築による高付加価値製品の製造・販売 
工作機械の導入とシステムを活用した高付加価値化製品の製造     など

従来より公募されている定番ともいえる補助金であり、多くの活用事例がございます。
もし詳細をお知りになりたい場合は、フラッグシップ経営の230社以上の支援実績をご覧ください。
フラッグシップ経営補助金採択実績はこちら

 申請対象者・申請要件

ものづくり補助金の申請対象者は中小企業・小規模事業者・個人事業主です。
また、基本要件として①給与支給総額の増加と、②事業場内最低賃金の引き上げ、③付加価値額の増加 をすべて満たす3~5年の事業計画の策定及び実行を行わなければなりません。

給与支給総額の増加

1人あたり給与⽀給総額の年平均成⻑率が事業実施都道府県における最賃の直近5年間の年平均成⻑率以上、または、給与支給総額の年平均成長率+2%以上(※複利計算をもとに算出)の増加が必要です。
なお、給与支給総額=従業員給与+賞与+雑給+役員報酬にて算出します。

事業場内最低賃金の引き上げ

補助事業を実施する事業場内で最低賃金の従業員の賃金が、地域別最低賃金の+30円以上でなければなりません。
例えば、大阪府に事業実施場所がある企業の場合、大阪府の最低賃金は1,114円(令和6年10月時点)であるため、従業員の最低賃金は1,144円以上でなければなりません。
最低賃金は毎年10月に改定されるため、改定後の金額に対し+30円を上回る賃金でなければなりません。

付加価値の増加

年平均成長率+3%以上(※複利計算をもとに算出)の付加価値額(営業利益+人件費+減価償却費)の増加が必要です。

補助対象経費

機械装置費、システム費、外注費、専門家経費

補助率・補助金額

補助率は1/2~2/3、補助金額は最大3,000万円です。(従業員規模に応じて補助率、補助金上限額が異なります。)

製品・サービス高付加価値化枠:最大2,500万円
グローバル枠:最大3,000万円
※上記補助金額は、大幅な賃上げを行わなかった場合。
 大幅な賃上げが出来る場合には、補助金額上限が上乗せされます。

また、小規模事業者・再生事業者以外に対して(製造業の場合21名以上の従業員を雇用する場合)は、指定する一定期間において3か月以上、最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の30%以上いる場合、補助率が2/3に上乗せされます。

第17次公募、第18次公募にて公募されていた省力化枠は、中小省力化投資補助金<一般型>に移行されます。

中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金(大規模成長補助金)

地方の雇用と持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指す大規模投資の促進を支援する補助金です。
2024年度(令和6年度)より新設された補助金ですが、公募開始当初から、想定数を超える多くの企業からの応募があり、2025年度(令和7年度)も公募が継続されることとなりました。

活用事例

市場、顧客からの増産要望に対応するための工場や倉庫、販売拠点などの新設や増築(新拠点の設立、既存工場の大規模改修)
生産性を飛躍的に向上させるための省力化設備、ロボット等の購入
生産情報を一元管理するための統合基幹業務システムの構築、ソフトウェアの構築 など

申請対象者・申請要件

申請対象者は従業員数2,000人以下の企業です。

申請要件は、①投資額10億円以上であること、②地域最低賃金の上昇率を上回る賃上げを行うことです。

従業員数2,000人以下の企業であること

申請対象者は、常時使用する従業員数が2,000人以下の会社等であることです。
本事業の申請対象者のポイントは、中小企業法の中小企業の要件と異なる点です。ただし、みなし大企業は対象外です。

投資額10億円以上であること

本補助金は、10億円以上の投資をすることが必須要件です。
補助金採択後、値引きなどにより設備投資額が10億円を下回った場合には、全額補助金の対象外となってしまいます。

地域最低賃金の上昇率を上回る賃上げ

補助事業終了後3年間の賃上げ率が、補助事業実施場所が所在する都道府県の直近5年間の最低賃金の伸び率以上となることが要件とされています。

 補助対象経費

建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費

補助率・補助金額

補助率は1/3、補助金額上限50億円です。
本補助金は企業規模に関わらず、一律の補助率・補助金額です。

中小企業省力化投資補助金

中小企業等の付加価値や生産性の向上、賃上げを目的に、IoTやロボットなどの付加価値額向上や生産性向上、人手不足解消に効果的な汎用製品の導入を支援する補助金です。

現時点(2024年12月時点)ではカタログから製品を選択して申請することとなりますが、2025年度(令和7年度)からは、オーダーメイド型の設備の購入も補助金の対象となるよう運用の見直し、改善が行われます

活用事例

生産性向上と省力化に向けた加工機の導入
慢性的な人手不足である接客業務を対応するためのロボット導入 など

申請対象者・申請要件

申請対象者は、人手不足の状態にある中小企業者等です。
主な申請要件は、①人手不足の状況であること、②労働生産性の向上、③保険への加入です。
その他、地域最低賃金を下回る従業員がいないことや、省力化設備の導入を契機として積極的な人員削減を行わないことなどが求められます。

人手不足の状況であること

下記のいずれかの状況でなければなりません。
①限られた人手で業務を遂行するため、直近の従業員の平均残業時間が30時間を超えていること
②整理解雇に依らない離職・退職によって従業員が前年度比で5%以上減少している
※ただし、「常時使用する従業員」ではない者が主体の事業者については従業員数を総労働時間で代替することも認める。
(直近 1 年間のうち、月の総労働時間が前年同月比で5%以上減少していること。)
③採用活動を行い求人を掲載したものの、充足には至らなかった。
④その他、省力化を推し進める必要に迫られている。

労働生産性の向上

年平均成長率+3.0%以上(※複利計算をもとに算出)労働生産性が向上する3年の事業計画の策定及び、実行しなればなりません。
なお、労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数で算出します。

保険への加入

取得する省力化製品に対する補助額が500万円以上となる場合、保険又は共済への加入が必須です。
※500万円未満の場合も加入することを強く推奨しています。

補助対象経費

2024年12月時点では、カタログに掲載された汎用製品が対象製品です。
今後、オーダーメイド型の設備も対象となる事が令和6年度補正予算にて閣議決定されました。

補助率と補助金額

2024年12月時点はカタログ注文型枠のみであり、補助率は1/2、補助金上限額1,500万円です。しかし、2025年には一般型の申請枠が創設され、補助金上限額1億円となります。補助率は1/3~2/3となります。
従業員規模や大幅な賃上げの実施、設備投資額などにより、補助金額と補助率が異なります。

大注目!令和7年度(2025年度)新たに公募される補助金2選!

令和6年度補正予算案にて判明した新たに創設される注目の補助金を2種類解説します。
新たな補助金のため、詳細情報は未確定な部分もありますが、2024年12月6日時点で判明している最新情報をお伝えします。

中小企業成長加速化補助金

成長への意欲の高い中小企業・小規模事業者の飛躍的成長を支援する補助金です。
売上高100億円を目指す中小企業等への設備投資や、中小機構によるM&A支援、海外展開・人材育成等の経営課題解決に向けた支援が行われます。
令和7年2月に募集要項が公開され、令和7年5月頃の申請開始予定です。

活用事例

売上高100億円超を目指すための新拠点の設立、工場の増設
売上高100億円超を目指すための増産体制を構築するための生産ラインの増設 など

補助対象者・申請要件

補助対象者は売上高100億円超を目指す中小企業・小規模事業者等です。

申請要件は①売上高100億円超を目指す宣言を行っていること、②投資金額1億円以上であること、③賃上げ要件です。

売上100億円超を目指す宣言を行っていること

売上高100億円超を目指すためのビジョンや取り組みを宣言し、ポータルサイト上への公表が必要です。
ポータルサイトは令和7年春頃開設予定です。

設備投資額1億円以上であること

専門家経費・外注費を除く補助対象経費として1億円以上の投資を行う事業でなければなりません。

賃上げ要件
(※詳細は未決定につき、後日追記します。)

補助対象経費

建物費、機械装置費・ソフトウェア費・外注費・専門家経費

補助率・補助金額

補助率は1/2、補助金額最大5億円です。

詳細情報は、「中小企業成長加速化補助金を徹底解説!」にて随時更新します!

新事業進出補助金

中小企業者等の成長につながる新事業進出・事業転換を重点的に支援するための補助金です。
従来の事業再構築補助金の後継という位置づけで補正予算に盛り込まれたことから、事業再構築補助金をベースに改編される見通しです。

活用事例

自社の強みを活用した新商品の製造に向けた設備投資
新事業を実施するための建物改修と機械装置の導入
既存事業の衰退にから抜本的な事業転換を実現するための生産ラインの導入 など

補助対象者・申請要件

補助対象者は新事業進出、事業転換を目指す中小企業者等です。
申請要件は新規事業への挑戦であること、賃上げ要件、付加価値額向上などです。

企業の成長・拡大に向けた新事業への挑戦

事業者にとって新製品(又はサービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であることが必要です。
「既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であること」が公募概要に明記されているため、既存事業の拡大ではなく、新市場・高付加価値事業へ進出するという取り組みが必要です。

賃上げ要件

事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上であることが要件とされています。その他、給与支給総額に対する賃上げも予定されています。
また、1人あたり給与⽀給総額の年平均成⻑率が事業実施都道府県における最賃の直近5年間の年平均成⻑率以上、または、給与支給総額に対する年平均成長率+2.5%の増加が要件とされます。

付加価値額向上要件

付加価値額が年平均成長率+4.0%(複利計算で算出)以上増加する計画を作成することが要件とされています。

一般事業主行動計画の公表

次世代育成支援対策推進法にもとづく一般事業主行動計画の公表が必要です。

補助対象経費

建物費、機械装置費・ソフトウェア費・外注費・専門家経費 など

補助率・補助金額

補助率は1/2、補助金額上限7,000万円です。
従業員規模によって補助金額上限が異なります。

詳細情報は、「新事業進出補助金を徹底解説!」にて随時更新します!

補助金公募までの今後のスケジュール

補助金の公募は、通常、予算成立後に執行されますが、補助金においては、予算成立を見越して予算成立前に公募が開始されることも非常に多いです。
特に「補正予算」については、本予算(当初予算)で不足した予算を補う役割を担っており、予算成立後速やかに執行がなされます。
令和6年度補正予算については、2024年12月17日に予算が成立となりました。
各補助金の公募開始時期は、2025年2月~5月頃となります。

まとめ

今回は、2025年度(令和7年度)の中小企業の設備投資に最適な補助金を5つに厳選して解説しましたが、実は補助金は3,000種類以上あると言われています。
「自社に最適な補助金を見つける」ためには、単に補助金を見つけるだけでなく、補助金の目的や、補助金額、申請要件などから総合的に判断しなければなりません。
日常の業務を行いながら、最新の補助金情報を取得することは非常に負担が大きい作業です。
自社に最適な補助金情報をいち早く把握し、余裕を持って申請に進めるためにも、補助金支援を得意とする専門家に相談することをお勧めします。

(※本記事の情報は2024年12月27日時点の内容となります。今後、公募開始時点にて変更となる可能性がございます。)

伊藤 侑加

執筆者伊藤 侑加
(この執筆者の記事一覧はこちら

大阪府出身/関西大学法学部卒業/趣味:旅行、日本酒、酒蔵巡り/中小企業の株式価値算定や会計ソフトウェアのカスタマーサポート等の業務に約10年従事。 日々の業務の中で「お客様の企業の成長に貢献したい」との思いが強くなり、経営コンサルタントになることを決意。 事業主の皆様の課題に真摯に向き合い、寄り添いながら、最善の支援が出来るよう努めて参ります。

コメント

CAPTCHA


業績の悪化や資金繰りでお悩みの経営者様、おひとりで悩まずにご相談ください。

業績の悪化や資金繰りでお悩みの経営者様、
おひとりで悩まずにご相談ください。