
令和8年度から、ものづくり補助金と新事業進出補助金が統合され、「新事業進出・ものづくり補助金」として公募される予定となりました。これは、2025年12月23日に更新された経済産業省の「ミラサポplus」の補助金・助成金等チラシのページで公開された情報です。
同補助金の詳細は公開されていませんが、ものづくり補助金の23次公募、新事業進出補助金の第4回公募までは、それぞれの補助金で実施される予定です。
今後の最新情報は、本ページで随時更新、解説いたします。
<本サイトの情報は、2026年12月23日時点のものです。今後、国会の審査や事務局の公募状況等によって、実施内容や実施有無が変更となる可能性があります。詳細は随時、更新します。>
【ものづくり・商業・サービズ生産性向上促進補助金 PR資料より】
目次
1.新事業進出・ものづくり補助金の「目的」は?
補助金申請において、最も重要なのは「目的」の理解です。審査員は、事業計画書から「国の政策意図を理解し、描かれる経営戦略が政策目的と合致しているか」を厳格に読み取ります。
1-1【振り返り】これまでの両補助金の役割
統合前の2つの補助金は、それぞれ以下の役割を担ってきました。
- ものづくり補助金:技術力の飛躍的向上(旧・高付加価値化枠) 正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といい、中小企業の生産性向上と持続的な賃上げを目的としていました。求められてきたのは、単なる機械の買い替えではなく、革新的かつ高付加価値な新商品の開発」です。自社や業界において「初めての試み」である革新性が審査の核心でした。
- 新事業進出補助金:ビジネスモデルの抜本的変革 「事業再構築補助金」の流れを汲み、既存事業を超えて新市場や高付加価値事業へ進出する大胆な挑戦を支援してきました。キーワードは「変革」であり、既存事業とは異なる事業への前向きな挑戦、すなわち「新市場性」や「高付加価値性」が求められてきました。
1-2【両補助金の統合目的】支援の一本化と真の狙い
2026年度からの統合により、これら2つの施策は1つの枠組みの中で再スタートします。しかし、この統合は単なる事務的な効率化ではありません。
統合の背景:政策の厳しい「見直し」か
今回の統合の背景には、日本維新の会を中心とした「事業再構築補助金」に対する「税金のバラマキ」という厳しい批判があります。これを受け、政府は「採択件数は多いが売上増や賃上げに結びついていない」現状を是正するため閣僚会議を設けており、制度の見直しに向けた動きが見られます。
統合の狙い:狙いは枠組みの整理か
一方で補助額の上限など、補助の内容については既存制度から大きな変更はなく、現状は、枠組み整理にのため統合が行われたものとみられます。一方で「グローバル枠」独立して強化されており、海外進出を支援したい狙いも見られます。今後の中小企業庁の発表や公募要領など、追加で出てくる情報を注視し、新たな施策の真の目的を探っていく必要があります。
新事業進出・ものづくり補助金の「概要」は?
最新の中小企業庁資料に基づき、統合後の主要な申請枠と支援スペックを整理します。

2-1【対象となる事業の3つの柱】
統合後の「新事業進出・ものづくり補助金」は、目的別に以下の3つの「枠」で構成されます。
- 革新的新製品・サービス枠(旧もの補助に相当) 技術的革新性のある製品・サービスの開発を支援します。
- 新事業進出枠(旧新事業進出補助金に相当) 既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業への進出を支援します。
- グローバル枠(海外展開支援) 海外市場開拓(輸出)に向けた国内の輸出体制の強化に係る設備投資を支援します。
2-2【支援スペックの比較】
先に述べた通り、革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠は補助内容に大きな変更はありませんでした。一方で、グローバル枠は上限額が2倍以上に引き上げられ、海外展開を視野に入れた大規模投資への後押しが強く打ち出されています。
2-3【補助率と特例】
- 補助率:原則1/2ですが、小規模事業者や再生事業者は2/3に引き上げられます。
- 大幅賃上げ特例:給与総額の引き上げ等の要件を満たす場合、補助上限が上乗せされます。
新事業進出・ものづくり補助金の「スケジュール」は?
移行期における公募タイミングを把握し、自社にとって最適な時期を選ぶことが重要です。
3-1【今後のスケジュール予測】
- ものづくり補助金 第23次(2026年春頃公募開始予測): 現行制度としての最終公募になる可能性があります。従来の基準で申請したい企業はここがラストチャンスになると考えられます。
- 新事業進出補助金 第3次・第4次(2026年夏頃までに実施予測): 第3次は2026年3月末締切で公募がされております。第4次は2026年の夏頃にに実施される可能性がありますが、第3次公募が現行制度の最終回となる可能性も十分に考えられます。
- 統合版「第1回公募」(2026年夏以降公募開始予測): 令和7年度補正予算が成立した後の夏以降に、新生「新事業進出・ものづくり補助金」がスタートすることが予測されます。
3-2【「いつ申請するのが得か?」判断のポイント】
- 現行制度で申請すべき場合: すでに設備導入計画が固まっており、2026年前半に事業を開始したい場合。また、慣れ親しんだ審査基準で手堅く採択を狙いたい場合です。
- 統合後(新制度)を待つべき場合: グローバル枠(上限9,000万円)を活用した大規模な輸出拡大を狙う場合、新制度での申請を行う方が有利な可能性が高いです。
新事業進出・ものづくり補助金の「申請準備」は?
補助金の活用を検討される場合、前もって準備をしておくことに損はありません。新制度の公募はまだ先となりますが、どのタイミングでも応募申請ができるように準備しておくことは、より効果の高い投資を実現する上で重要です。ご興味のお持ちの事業者様は、このタイミングで以下の事前準備事項を是非ご確認ください。
Step 1:投資内容の言語化(革新性と新市場の証明)
「古い機械の入れ替え」ではなく、その投資によって「いかに付加価値(粗利)を高めるか」「新事業として新たな市場を開拓できるか」自社の目的や具体的な方法を言語化してください。特に「新市場進出枠」や「グローバル枠」では、市場調査に基づいた客観的な売上予測が必須となります。
Step 2:資金計画の策定と銀行への早期相談
補助金は後払いです。補助金の給付を受けるまでは、最短でも半年以上、長くて1年程度、一時的に投資額を立て替える必要があります。つなぎ融資や自己資金の検討を含め、早めにメインバンクへ相談いただく事をお勧めいたします。
Step 3:経営計画の策定・ブラッシュアップ(成長のコミットメント)
現行の補助金制度では、計画段階から賃上げ・付加価値向上のコミットメントがより重視されます。
新制度においても、これは変わらないか、より高い目標設定を求められることが予想されますので、
こちらも、早いタイミングで将来の事業計画・収支計画をご検討いただくことをお勧めいたします。
- 付加価値額の向上:年平均成長率+3%〜4%以上の意欲的な目標設定が求められます。
- 賃上げ計画:未達の場合の返還リスクも考慮し、現実的かつ攻めの計画を練ってください。
Step 4:事務手続きの確認(gBizIDと加点項目の準備)
- gBizIDプライム:補助金申請を行う上では、取得必須となります。
代表者がマイナンバーカードを保有していれば簡単にWeb申請が可能ですが、
紙申請の場合は取得に時間がかかるため、未取得なら即申請が必要です。 - 経営革新計画の承認:強力な加点要素となります。承認までに2ヶ月程度を要するため、今のうちに着手しておくべきです。
まとめ
2026年度の新補助金制度は、長きにわたり中小企業の補助金施策として続いてきた「ものづくり補助金」とコロナ禍以降、拡大された事業再構築に関する支援の延長に合った「新事業進出補助金」が統合されることとなりました。
今回の統合により、グローバル枠の支援が強化されることが明確となりましたが、新たな制度としての目的や、事業者に求められる要件はまだまだ情報が少なく見通せていません。
新政権の中小企業支援の方向性によっては、目的や要件が変わってくる可能性もあります。最適なタイミングで最適な支援を受けられるよう、今後、本ブログでも追加情報を随時お伝えしていきますので最新情報の収集を怠らず、動向を注視していただければと思います。
<本サイトの情報は、筆者の見解によるものです。補助金申請を行う際は、必ず公募要領など公式情報をご確認ください。>



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