中小ものづくり高度化法とは
【2019年5月10日追記】
当ブログ記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。
「中小ものづくり高度化法」はものづくり補助金の申請において重要なポイントとなります。
平成30年度補正ものづくり補助金は2019年5月8日で公募期間が終了しましたが
専門家の間では夏ごろに2次公募が行われるのでは、とも言われています。
当社では、ものづくり補助金の申請支援を行う士業・経営コンサルタント・認定支援機関の先生方を対象に
「今さら聞けない ものづくり補助金の実務」というセミナーを開催いたします。
ものづくり補助金の全体像から制度の理解、公募要領の読み方、申請書の記載方法、提出準備まで、
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コンサルタントの住吉です。
今回は、前回のブログでもお伝えした
ものづくり補助金の申請にあたって理解しておくべき
・中小ものづくり高度化法
・中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン
のうち、「中小ものづくり高度化法」についてご説明させて頂きます。
ちなみに前回のブログはこちら
↓
中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインとは
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1.中小ものづくり高度化法って?
2.ものづくり補助金にどう関係するのか?
3.特定ものづくり基盤技術の12分野とは?
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1.中小ものづくり高度化法って?
この法律は、平成18年4月に公布、6月に施行されました。
正式名称は「中小企業のものづくり基盤技術の高度化に関する法律」と言います。
ものづくりを支えている中小企業が、
日本の製造業の国際競争力の強化や新たな事業の創出には必要不可欠であることから、
こうしたものづくりの基盤となる技術の研究開発やその成果の利用について様々な形で支援を行い、
技術の高度化、国民経済の健全な発展に繋げることを目的としています。
2.ものづくり補助金にどう関係するのか?
「中小ものづくり高度化法」にもとづいて、
経済産業大臣が「特定ものづくり基盤技術」というものを指定しています。
「特定ものづくり基盤技術」とは、日本国内の様々なものづくり技術のうち、
デザイン開発や情報処理、精密加工など、その相当部分が中小企業によって行われており、
その高度化を図ることが、ものづくり高度化法の目的である
日本の製造業の国際競争力の強化、新たな事業の創出に特に役立つ技術のことで
現在は12分野が指定を受けています。
ものづくり補助金の採択を受けるには、
この12分野の中から1分野以上を選択して事業計画を作成しなければいけません。
それぞれの技術についても、確認しておきましょう。
さらに、この手法によって事業を行った結果、
「付加価値額」が年率3%以上、「経常利益」が年率1%以上向上する事業計画が必要・・・と言われています。
(正式な情報はまだ公表されていません。)
3.特定ものづくり基盤技術の指定12分野とは?
現在、指定されているのは次の12分野です。
高度化法に基づいて定められている「指針」に記載された具体例もご紹介します。
(専門用語が多いですがご容赦ください!)
(1)デザイン開発にかかる技術
具体的には・・・
・製品の形状や色彩、質感、装着性の向上、構造の最適設計、ブランドの創出など審美性の向上にかかる技術開発
・ユーザーエクスペリエンスへの配慮、ユーザビリティの向上、安全設計同に関する技術開発
(2)情報処理にかかる技術
具体的には・・・
・製品自身の中に組み込まれ、その動作を制御し、目的とする機能を実現するソフトウェア(組込みソフトウェア)
・製品を作る製造プロセスにおいて製造機器に対する動作の制御や、製造された製品の品質の検査等に用いられるソフトウェア(製造プロセス関連ソフトウェア)
・製品の供給に向けた研究・開発・製造、製品の運用・保守等の各種プロセスにおいて、製品の動作、機能又はデザイン等をコンピュータ内の仮想空間に実現するソフトウェア(デザインソフトウェア)
(3)精密加工にかかる技術
具体的には・・・
・金属、プラスチック、セラミックス、ゴム、木材等多岐にわたる材料を目的に応じた形状に成形加工するために、機械・工具又は金型等で圧力を加えて所要の形状・寸法に塑性変形・塑性流動させて成形する技術
・金属プレス機等の加圧装置を用いて、金型形状を転写する加工技術
・切削工具、電気、光エネルギー等を用いて素材の一部を除去し、必要な寸法や形状を得る加工技術
(4)製造環境にかかる技術
具体的には・・・
・空間や機器内における温度、湿度、圧力、清浄度の制御する技術
・水、水蒸気等の流体の制御・精製・濾過等の技術
(5)接合・実装にかかる技術
具体的には・・・
・熱による相変化を用いた接合・実装技術
・耐久性と易解体性が両立する高度な機能を持つ接着剤の開発
・塑性・弾性変形を用いた接合・実装技術
(6)立体造形にかかる技術
具体的には・・・
・鋳型空間に溶融金属を流し込み凝固させることで形状を得る融体加工技術
・金属粉末やセラミックス粉末の集合体を融点よりも低い温度で加熱し固化させることで目的物を得る粉体加工技術
・三次元データを用いて任意の形状を金型等の専用工具を使わずに直接製造できる積層造形技術
・原料のプラスチックに微細成形加工等を施し、機能性の高い超薄物部品を作製する技術
(7)表面処理にかかる技術
具体的には・・・
・溶融した金属、セラミックス等の材料を基材表面に吹き付けること又は堆積させること
・高耐候性、省エネルギー性能を有する塗料の開発
・金属を溶かした水溶液中に浸せきさせること
・水性であっても洗浄能力にそん色がなく環境負荷の少ない洗浄剤の開発
(8)機械制御にかかる技術
・発電装置においては大きなトルクをエネルギーロスなく発電機に伝える技術
・周辺環境への配慮から振動、騒音の大幅に低減させる技術
・複雑かつ多様な動作を可能にする高精度・高信頼性の位置決め技術
(9)複合・新機能材料にかかる技術
具体的には・・・
・金属材料に加熱、冷却の熱操作、浸炭、窒化等の処理を加えることにより、材料の耐久性等の様々な特性を付与することができる技術
・セラミックスにアルミナ、チタン酸バリウム、ジルコニア、コージライト等、セラミックスが本質的に持つ機能を積極的に引き出したファインセラミックスと呼ばれる新機能材料及び新構造材料が様々な産業分野において使用されている技術
・有機高分子材料、例えばプラスチックでは自然由来のプラスチック、生分解性ポリマーの導入に関する技術開発、添加される染料や可塑剤、難燃剤等における安全な新添加材料等の開発が求められている技術
(10)材料製造プロセスにかかる技術
具体的には・・・
・プラスチック等の有機高分子材料、金属・セラミックス、繊維及びこれら複合素材等の焼結、破砕、混合ないし生成プロセスにおける反応条件の精密制御や触媒利用による反応活性化、主生成物・副生成物・未反応物質等を含む混合物からの目的物の分離や不要物の分解・除去、副生産物・未反応物質等の再利用・高度化利用、リサイクル
(11)バイオにかかる技術
具体的には・・・
・遺伝子組換え技術
・発酵
・生育条件制御技術
(12)測定計測にかかる技術
具体的には・・・
・X線、超音波、赤外線、核磁気共鳴等を用いて物体や人体の表面や内部構造を侵襲することなく検査する技術(非破壊検査
・固体、液体、気体、真空中等の物質を測定する技術
・真空中で発生した荷電粒子等を利用して物質の表面分析する技術
・測定結果を評価・分析・解析する技術
・測定計測データの信頼性を担保するための検査・評価する技術
「中小ものづくり高度化法」については、
中小企業庁のホームページにポータルサイトが作られています。
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中小企業庁「中小ものづくり高度化法ポータルサイト」
また、今回のものづくり補助金に限らず
上記の12分野に該当するものづくり技術を用いて研究開発等を行う場合、
指定の様式に則った研究開発計画を作成して申請を行い、経済産業大臣から認定を受けられれば
金融の円滑化措置、特許化に係る特例措置、戦略的基盤技術高度化支援事業といった
支援を受けることができます。
気になる方はポータルサイトをぜひご覧くださいね!
以上です! 最後までお読みいただきありがとうございます。
申請する前に、ぜひ一度確認して下さいね!
ものづくり補助金の申請をお考えの方はこちら
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平成30年度補正予算 ものづくり補助金について