経営者の心構え
こんにちは、フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
当社が位置する大阪は緊急事態宣言中ということもあり、新規感染者数は比較的抑え込まれてきています。3月1日に緊急事態宣言が解除されますが、その後も継続して新規感染者を抑えられるかは個人の自覚ある行動に委ねられるかと思います。
さて、今日は経営についてのお話を少しだけさせていただきたいと思います。
経営に対する心構えといった方が良いかもしれません。
最近あった話です。
30代前半の若い経営者の方の相談です。相談の内容は「売上がない」「利益がない」「資金がない」です。「売上が減った」「利益が減った」「資金が不足しそうだ」ではなく、すでに「ほとんどない」という内容です。
しかし、身なりはというといい鞄にいいスーツ、ipadでメモを取り、外車に乗っています。仕事はスターバックスで行うことが多いようです。
私もどちらかと言えば身なりや車にお金はかけますが、全て役員報酬からで会社の経費は全く使いません。
このように、どのようなスタイルで経営を行うかは経営者自身が決めることができます。
出社するもしないも自由、自分が頑張るのも部下に丸投げするのも自由です。
経営者はすべて自由にできるのです。
その自由を求めて多くの方が安易に起業し、自由の解釈を勘違いし、失敗していきます。
経営者に与えられる自由は制限のない自由ですが、責任にも制限がありません。
私は自由と責任を与えられて12年目になりますが、時々「恐怖」を感じることさえあります。
しかし、恐怖を感じるということは正常な反応だと思っていまして、恐怖を克服するために一生懸命に取り組むと目に見える「成果」が出てきます。
成果は売上や利益だけではありません。
仲間が増えたり、良い社風ができてきたり、自分自身の成長を感じることができたりと有形無形の成果を得ることができます。
売上や利益の確保、資金繰りや日々起こるトラブルや社内の人間関係まですべて自分が自由に設計し、自分の責任となって会社に返ってきていることを経営者は理解しなければなりません。
経営者としての自覚や心構えがなっていない状態で資金調達や売上アップのマーケティングの話をしても、全く効果はありません。
借入だけが膨らんで倒産、破産という流れがすでに出来上がっているからです。
経営者になることは、人生観を大きく変えるほどの刺激や成長を得ることができます。
そして大きな自由も得ることができます。
しかし、その自由のほとんどを会社のことに費やす必要があるので、経営者にとって真の自由はほとんど存在しないのかもしれません。
経営がうまくいかないと悩む際には、まず自分の心構えがどうかということを考えるとよいでしょう。
難しい専門的な経営の話などは経営者の心構えに比べると大した話ではないように思います。