経営相談の実例
当社には資金繰りの悪化や赤字体質に悩んでいる経営者がよく相談に来られます。
経営をする上で様々なお悩みがあるかと思いますが、やはり多くの経営者が資金面や利益面で悩まれています。
最近、当社に経営相談に来られた方の実例を見てみましょう。
【相談事例1 大阪府 土木工事業 売上高5億、借入2億】
創業から4年で売上規模が飛躍的に増大した。
原価管理や人員の育成を後回しにし、売上至上主義でこれまでやってきたとのこと。
しかし、ここにきて急激に資金繰りが悪化。借入高が膨らむ一方だが資金が全く残らない。
融資を受けてもすぐに資金不足に陥る状況となっており、最近では融資も断られるようになった。
経営者自らが工事内容や現場に目が届く間は良かったが、今となっては何が資金繰りの悪化の原因となっているかも分からず、当社に相談に来られた。
【相談事例2 大阪府 雑貨輸入業 売上高7億、借入3千万】
日本で受注した案件を中国の工場で製造させ、輸入するビジネスモデルで売上は順調に伸ばしていた。
粗利率は5%程度と元々低いにも関わらず、中国の工場のマネジメントが十分ではなく不良品や納期遅れが発生し毎期大幅な赤字決算となる。
借入は少ないものの経営者に対する貸し付けや、大幅な赤字の累積による多額の債務超過がバランスシートに計上されており、資金調達ができないことから当社に相談に来られた。
この二つの相談事例で共通している事は売上至上主義で利益率を管理しない、行けるところまで行く、金融機関に見放されてから事の重大さに気づくということでしょうか。
売上至上主義の考え方の経営者は損益には神経を使っていますがバランスシートには無関心です。
その結果、バランスシートに負の遺産が多額に計上され、改善には数年から10年以上要するということになります。
今回の実例のように金融機関が活用できない、手元運転資金もないという状況では経営改善のハードルが上がってしまいます。
そして、皆さんがこう言います。
「もっと早く相談しておけば・・・」
経営改善に相談に来るタイミングは状況によって異なりますが、経営者ならここに至るまでに本能で危機感を感じたことがあったはずです。
その危機感を目先の資金調達で安易に対応するのではなく、危機感が生まれた要因は一体何であるのかを真剣に突き止めることが重要です。
それができない場合は常に専門家のサポートを受けることをお勧めします。