経営基盤の強化
こんにちは、伊藤です。4月に入り、大阪は桜が満開となりました。
さて、今回は令和6年度に新設された「中堅企業」と「中堅企業向け支援政策」をテーマに取り扱いたいと思います。
これまで、中小企業基本法では、「従業員が一定以下」あるいは「資本金・出資金3億円以下」の企業を中小企業とし、
それ以外の企業は「大企業」と位置付けられていました。
中堅企業は、国内での事業・投資を拡大や、地域の賃上げにも貢献するなど、
日本の成長に欠かせない重要な企業群でありながら、大企業となることから補助金や租税特別措置等の活用ができない状況でした。
日本政府は「新しい資本主義」をスローガンに掲げ、
賃上げや企業の投資意欲など足下の前向きな動きを更に力強く拡大すべく、
新しい資本主義の実現に向けた取組を加速し、新時代にふさわしい経済社会の創造を目指すことを発表しました。
出典:財務省「中堅企業成長促進パッケージ」
経済成長を推し進める中で、産業競争力強化法が改正され、
日本政府は、従来大企業と位置づけされていた企業のうち、「従業員2,000人以下」の法人を「中堅企業」と法的に定義しました。
また、「中堅企業元年」とし、事業拡大や持続的な賃上げに取り組む中堅企業に対し、
積極的な支援を行う方針として、「中堅企業促進パッケージ」を打ち出し190の施策による支援を決定しました。
出典:財務省「中堅企業成長促進パッケージ」
主な支援策は下記の通りです。
①中堅・中小企業の持続的賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資促進補助金
人手不足の中、大規模な投資を通じた労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大により、持続的な成長と賃上げに取り組む企業を支援
<補助対象>
工場の拠点新設や大規模な設備投資
<補助金額・補助率>
投資金額:10億円~150億
※10億円を下回る設備投資は補助対象外
補助率:1/3、補助金額上限50億円
<賃上げ要件>
対象事業に関わる従業員の1人当たり給与支給総額について地域別の最低賃金の伸び率より高い伸び率を実現すること
②大規模投資促進のための地域未来投資促進税制の拡充
大規模な設備投資による事業拡大と、高い付加価値の創出による賃上げを行うなど、
賃金水準・成長意欲の高い中堅企業に対し、新たに「中堅企業枠」を設定し、税額控除を上乗せ支援
<中堅企業枠の要件>
下記1~6の要件を全て満たすこと
①労働生産性の伸び率5%以上、かつ、投資収益率5%以上
②直近年度の付加価値額増加率8%以上
③対象事業において創出される付加価値額が3億円 以上、かつ、事業を実施する企業の前年度と前々 年度の平均付加価値額が50億円以上
④賃金水準・成長意欲が高い中堅企業
⑤設備投資額が10億円以上
⑥パートナーシップ構築宣言の登録を受けている
<優遇内容>
税額控除5% → 税額控除6%
(※特別償却50%でも可能)
③中小企業事業再編投資損失準備金の拡充及び延長
成長意欲のある中堅・中小企業の複数回のM&Aを後押しするため、新たに拡充枠を設定し、投資損失準備金の積立率の上限拡大や、据え置き期間の長期化を行う。
<拡充内容>
①積立率の上限拡大
従来:株式取得価額の70%まで
新制度:2回目は株式取得価額の90%まで、3回目以降は100%可能
②損金算入した積立金の据え置き期間
従来:5年 → 新制度:10年
<要件>
経営力向上計画の認定を受けること
以上です。
弊社では、補助金申請の支援や、中長期的な企業の拡大に向けた経営戦略の策定、実行に向けた伴走支援などを承っております。
いつでもお気軽にご相談くださいませ。
経営基盤の強化
こんにちは、伊藤です。
11月29日に令和5年度補正予算が成立し、省力化・省人化補助金が新設されることとなりました。
省力化・省人化補助金とは、
人手不足や物価高騰の影響を受けながらも生産性向上、売上拡大、賃金の引き上げを行う中堅企業や中小企業に対し、
省力化・省人化設備の設備投資から、工場等拠点新設などの大規模な設備投資まで幅広い支援を行う補助金です。
設備投資による生産性向上により、人手不足解消や売上拡大、賃上げを行うことを目的としています。
具体的には「大規模成長投資補助金」「ものづくり補助金省力化(オーダーメイド)枠」「中小企業省力化投資補助金(カタログ型)」の3パターンの補助金の新設が予定されています。
各補助金についての概要は下記の通りです。
大規模成長投資補助金
工場等の拠点新設、大規模な設備投資に対する支援として予定されています。
・対象者:中堅・中小企業
・対象経費 :工場等の拠点新設や大規模な設備投資に係る費用
・補助上限額:50億円(※投資下限額10億円)
・補助率:1/3以内
・事業期間:交付決定~令和9年3月31日まで。
※令和5年度から令和8年度までの複数年度にまたがる事業に対する補助事業(国庫債務負担行為)
・公募開始時期:未定
ものづくり補助金 省力化枠(オーダーメイド枠)
ものづくり補助金の「省力化枠」として新設されます。
個々のビジネスモデルに適した、オーダーメイド型の省力化設備の投資に対する支援として予定されています。
・対象者:中小企業、小規模事業者等
・補助上限額:750万円~8,000万円
・補助率:1/2以内(※補助金額1,500万円までは1/2、1,500万円を超える部分は1/3)、小規模・再生事業者2/3以内
・事業期間:交付決定~令和6年12月10日まで
・公募開始時期:ものづくり補助金17次公募より。公募開始日は未定。
省人化投資補助金(カタログ型)
事業再構築補助金を再編し、省力化補助枠(カタログ型)として新設される見込みです。
IoT、AI、ロボット等の人手不足解消に効果がある省力化設備の投資に対する支援として予定されています。
簡易で即効性のある投資とするため、汎用製品として「カタログ」に掲載し、カタログからの選択式となる見込みです。
・対象者:中小企業、小規模事業者等
・補助上限額:200万円~1,000万円(大幅な賃上げを行う場合は300万~1,500万円)
・補助率:1/2以内
・事業期間:未定
・公募開始時期:未定
※全て2023年12月8日時点の情報です。今後変更となる可能性がございます。
補助金は補助金採択後、すぐに入金されるのではなく、
交付申請→交付決定→設備の発注→設備代金の支払い・稼働→実績報告を経て、ようやく入金となります。
半年後~2年以内に設備導入をご検討されている事業者様は、今から補助金を検討していても決して早過ぎるという訳ではありません。
もし次年度以降での設備投資をご検討の事業者様がいらっしゃいましたら、お気軽に弊社までご相談ください。
伊藤 侑加
経営基盤の強化
先日は長尾とともに、顧問先様の経営方針発表会に出席しました。
発表会の会場は、とあるホテルの会場を貸切られ、とても厳かな雰囲気でした。
経営方針発表会の冒頭では、社長からの今後30年先を見据えた、企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)についての発表がありました。
30年先というのは、今現在、勤務されている一番若い従業員様が定年を迎える年として設定されたそうです。
また、従業員の皆様が長く働きたいと思える会社にするために、今後、会社としてどのような取り組みを検討しているのかについての発表もありました。
賃金の上昇と家庭も大切にしながら、仕事も充実したものにして貰いたいという社長からの言葉の1つ1つには、従業員の皆様を大切にされているという想いがとても伝わってきました。
従業員の皆様からは今年の売上目標とその目標達成に向けた施策の発表、各自の決意表明の発表がございました。
決意表明をすることで、自分自身を奮い立たせることが出来るとともに、仕事に対する考え方、目標などを会社の皆様に伝えられる機会であるとも実感しました。
こちらの顧問先様とのご縁は、経営改善支援がきっかけですが、現在は黒字化し更なる成長に向けて進まれています。
創業100年以上の企業様で、経営者様や幹部層の皆様の経営に関する考え方など、私たちも学ばせていただくことが多いです。
弊社においても来年1月に経営方針発表会を執り行う予定です。
当社はこれまで代表の長尾からのみの発信による経営方針発表会がでしたが、顧問先様の経営方針発表会に出席し、今後は従業員からの発信も多く行う経営方針発表会を実現していきたいと思いました。
伊藤 侑加