考え方
こんにちは、営業事務の造田です。
日々の業務の中で、社内で使用する資料やお客様にお送りする説明資料を作成する機会が多々あります。その際に、「もっと良くしてから出したい」「まだ完成ではないから提出できない」と考えているうちに、気が付けば時間だけが過ぎてしまっていたという経験は少なくありません。
これまでは、できる限り高い品質で提出することが最善であると感じていましたが、最近「まず形にして出すことが、成果につながる」という実感を持つようになりました。今回はその気づきについて、共有させていただきます。
まず、完璧を求めすぎることにはいくつかの落とし穴があり、時間がかかりすぎて機会を逃してしまうことや、1人で抱え込みすぎて改善のきっかけを失うことがあげられます。例えば、どんなに優れたアイデアでも、世に出る時間が遅くなってしまうと価値を失う可能性もあります。
一方で、「まず形にする」ことで得られるメリットは、たとえ8割の完成度でも、早く動き出すことで学びが深まることや、他の社員からのフィードバックを受けることでより良い形に仕上がることではないかと感じております。
私自身も、最近は「まず形にする」ことを意識して業務に取り組んでいます。例として、社内資料を作成する際には、完成形にこだわらず、まず箇条書きで内容をまとめて事前に確認したり、デザインを整える前には情報の追加や修正が無いかという意見を聞いたりしています。こうしたプロセスを踏むことで、自分では気が付けなかった視点での意見やアドバイスなどの声が集まり、従来に比べて効率的により良い資料作りを行えるようになりました。
これらの経験を通じて、「まず形にすること」が成果への第一歩であると、改めて感じています。今後もスピードと柔軟性を両立させながら、より良いアウトプットを目指していきたいです。
造田朋夏
考え方
皆様、こんにちは!コンサルタント職の平石です。
今回は、私の前職である営業職と、現在のコンサルタント職のギャップについて書いてみました。
●過去に大切にしていた行動
私が営業職に従事していた際に最も重視されていたのは、回答の「即時性」でした。顧客からの問いかけに対して、仮にそれが80%程度の精度であっても、迅速に応答することが顧客満足度に繋がっていました。営業における信頼とは、顧客の不安をその場で解消し、取引の流れを滞らせないことによって成形されるものです。多少の誤差が含まれていても、後日の修正や追加対応によって補正できる、という前提が存在していたと言えます。
●現職で求められる要素
しかしながら、コンサルタント業務においては事情が根本的に異なります。補助金支援業務、経営戦略や組織改革、財務施策といった領域において、20%の誤りを含む情報を提示することは許されません。誤った前提に基づく意思決定は、将来の企業価値に甚大な影響を及ぼし、取り返しのつかない事態を招く可能性があるからです。したがって、コンサルタントに求められるのは「即答」ではなく、事実に裏付けられた「100%の正確性」なのです。
ここに存在するのは、単なる業務特性の違いではなく、「信頼」の定義そのものの相違です。営業における信頼は、機動力と柔軟性によって獲得されます。一方で、コンサルティングにおける信頼は、徹底した調査と分析に基づく確実性によってのみ構築されます。すなわち、前者がスピードをもって顧客に安心を与える行為であるのに対し、後者は細部まで吟味されたと根拠をもって顧客の意思決定を支える行為であると言えるでしょう。
私自身、営業職で培った「即応」の習慣をいったん断ち切り、情報の確からしさを多面的に検証し、根拠を整えた上で提案する姿勢へと移行する必要がありました。正確性を優先する姿勢は、表面的には回り道に見えるかもしれません。しかし、それこそがコンサルタントとして専門性を発揮し、顧客の経営課題に対して真に価値ある支援を提供するための不可欠な要件であると実感しています。
「営業とコンサルティング」いずれも顧客志向を基盤とする点では共通しますが、その信頼の在り方は決定的に異なります。このギャップを理解し、実務に適用することこそが、コンサルタントとしての職業的成長の核心であると考えています。
考え方
皆さん、こんにちは。
フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
ようやく秋らしさが出てきた大阪です。
寒暖差が激しくなる季節ですので、体調管理にはお気を付けください。
さて、今回は私が最近意識している「足るを知る者は富む」 という考え方についてお話しさせてください。
私自身は経営コンサルタントとして成長と目標達成を追求する日々をこれまで送ってきており、プライベートも含め人生は比較的順調だと自分では思っています。
しかし、ふとした瞬間に「もっと上へ」「まだ足りない」という焦燥感に駆られ、知らず知らずのうちに他人や競合他社と自分を比較してしまうことがあります。
この「比較」こそが、私たちの心の平穏を乱す最大の要因だと感じています。
手に入れたはずの成功や、順調なはずの日常も、誰かの「もっと良いもの」を見た途端に色褪せて見える。
この感覚は、際限のない欲望のループであり、どんなに地位や富を得ても、本当の幸せには辿り着けないことを示唆しています。
際限のない競争からの卒業
老子の言葉に「足るを知る者は富む」という教えがあります。
これは「満足することを知っている者は、精神的に豊かである」という意味です。
現代社会において、「富む」と聞くと、つい金銭的な豊かさを想像しがちです。
もちろん経済的な安定は重要ですが、この教えが説く「富」とは財布の中身ではなく心の持ちよう、内面の充足を指しています。
私たちは常に「不足」を起点に物事を考えがちです。「年収が足りない」「スキルが足りない」「時間が足りない」。
この「足りない」という視点に立てば自分の周りの世界は常に欠けているものだらけです。
一方、「足るを知る」という視点に立てば世界は一変します。
今の健康に感謝する。
愛する家族や友人がいることに感謝する。
挑戦できる仕事があることに感謝する。
屋根のある家で眠れることに感謝する。
これらはすでに私たちが持っている、誰かと比較する必要のない確固たる豊かさです。
この「あるもの」に焦点を当てることこそが、心の富を築く第一歩なのです。
競争社会を生き抜くための「心のセーフティネット」
経営の現場でも、健全な競争は成長のエネルギーになります。
しかし、その競争が「他人を打ち負かすこと」を目的とした際限のないレースになったとき、疲弊と不幸しか生み出しません。
真に力強い経営者やビジネスパーソンは、表面的な成功や他人の評価に惑わされず、自分軸の「満足点」を持っています。
それがブレない判断基準となり長期的な安定と幸福につながるのです。
他人との比較で一時的な高揚感を得るよりも、今、自分の周りにある「足る」を噛みしめる方が、心の安定、ひいては人生の持続的な幸福度を確実に高めます。
これは、人生というプロジェクトにおける、最も強固な「心のセーフティネット」です。
私も、時には上を目指し競争しますが、最終的にはこの「足るを知る者は富む」という教えに立ち戻るようにしています。
自分にとって何が大切かを明確にし、既にある豊かさに感謝すること。
それこそがストレスの多い現代を幸せに、力強く生き抜くための真の経営戦略なのかもしれません。
皆様にとっての「足る」とは何でしょうか?
立ち止まって、今一度、ご自身の周りにある豊かさを数えてみてください。
そこには、あなたがすでに持っている、揺るぎない「富」が必ず見つかるはずです。