考え方

経営者の心構え

 こんにちは、フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

当社が位置する大阪は緊急事態宣言中ということもあり、新規感染者数は比較的抑え込まれてきています。31日に緊急事態宣言が解除されますが、その後も継続して新規感染者を抑えられるかは個人の自覚ある行動に委ねられるかと思います。

 

さて、今日は経営についてのお話を少しだけさせていただきたいと思います。

 

経営に対する心構えといった方が良いかもしれません。

 

最近あった話です。

 

30代前半の若い経営者の方の相談です。相談の内容は「売上がない」「利益がない」「資金がない」です。「売上が減った」「利益が減った」「資金が不足しそうだ」ではなく、すでに「ほとんどない」という内容です。

 

しかし、身なりはというといい鞄にいいスーツ、ipadでメモを取り、外車に乗っています。仕事はスターバックスで行うことが多いようです。

 

私もどちらかと言えば身なりや車にお金はかけますが、全て役員報酬からで会社の経費は全く使いません。

 

このように、どのようなスタイルで経営を行うかは経営者自身が決めることができます。

 

出社するもしないも自由、自分が頑張るのも部下に丸投げするのも自由です。

 

経営者はすべて自由にできるのです。

 

その自由を求めて多くの方が安易に起業し、自由の解釈を勘違いし、失敗していきます。

 

経営者に与えられる自由は制限のない自由ですが、責任にも制限がありません。

 

私は自由と責任を与えられて12年目になりますが、時々「恐怖」を感じることさえあります。

 

しかし、恐怖を感じるということは正常な反応だと思っていまして、恐怖を克服するために一生懸命に取り組むと目に見える「成果」が出てきます。

 

成果は売上や利益だけではありません。

 

仲間が増えたり、良い社風ができてきたり、自分自身の成長を感じることができたりと有形無形の成果を得ることができます。

 

売上や利益の確保、資金繰りや日々起こるトラブルや社内の人間関係まですべて自分が自由に設計し、自分の責任となって会社に返ってきていることを経営者は理解しなければなりません。

 

経営者としての自覚や心構えがなっていない状態で資金調達や売上アップのマーケティングの話をしても、全く効果はありません。

 

借入だけが膨らんで倒産、破産という流れがすでに出来上がっているからです。

 

経営者になることは、人生観を大きく変えるほどの刺激や成長を得ることができます。

 

そして大きな自由も得ることができます。

 

しかし、その自由のほとんどを会社のことに費やす必要があるので、経営者にとって真の自由はほとんど存在しないのかもしれません。

 

経営がうまくいかないと悩む際には、まず自分の心構えがどうかということを考えるとよいでしょう。

 

難しい専門的な経営の話などは経営者の心構えに比べると大した話ではないように思います。

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考え方
やらないことリスト

こんにちは、営業事務の造田です。

 

皆様は1日の中や少し先の予定で実行すべきタスクをどのように管理されていますか?

 

多くの方はTo Doリストを作成して漏れが発生しないように管理されているかと思います。
私も毎朝出勤後にはやるべきタスクを書き出し、優先順位をつけて取り組むようにしています。

 

ですが、実際にはリストに書かれている内容以外のことにも時間が割かれてしまい、タスクを完了させるまでに想定以上の時間がかかってしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

最近私は「やらないことリスト」というものの存在を知り、「やらないこと」にも意識をするようにしています。

例えばマルチタスクをしない、情報を検索するときに無作為に追い続けないということです。

 

Aの業務をしている途中でBの業務がすぐに終わりそうだから先に片付けてしまおうとマルチタスクをすると、Aの業務に戻ろうとした際に振り返りの時間が必要になります。

また、情報を収集したいときに関連のありそうな情報をむやみに収集しても結果的に欲しい情報を得られないこともあります。

 

やらないことを明確にするメリットは、頭の中を整理しながら物事を進めることができることだと感じています。
ひとつひとつタスクをこなしていくことで達成感も得られることができます。

 

業務を行う上で、時間がかかってしまうことに悩まれている方は、ぜひ「やらないことリスト」も作成してみてはいかがでしょうか。

 

造田朋夏

考え方
若手社員が働きたい職場とは?

こんにちは、伊藤です。
先日、リクルートマネジメントソリューションズが行った「働きたい職場」に関する新入社員意識調査の記事を読み、驚いたことがありました。
それは、「皆が1つの目標を共有している」「お互いに鍛え合う」「ルールが明確である」といった点を重視する人が少数派だったことです。
特に、「皆が1つの目標を共有している」ことが重要視されていない点には衝撃を受けました。
近年、「経営者は経営理念やビジョンを明確にし、社員と共有することが大切だ」と言われる機会が増えていますが、新入社員はそこに魅力を感じていないのです。
一方で、調査結果からは「お互いに助け合える」「遠慮せず意見を言い合える」「お互いの個性を尊重する組織」といった要素が求められていることがわかりました。つまり、「組織の目標に従う」よりも、「自分の意向を尊重しながら働ける環境」を重視する傾向が強まっているということです。
これは、働き方や価値観の多様化が進む現代ならではの変化だといえるでしょう。

さらに驚くべきは、新入社員の3割が入社直後から転職を考えているというデータでした。
かつては「3年は働くべき」と言われていましたが、その価値観はもはや過去のものとなりつつあります。
今や採用するだけでなく、「どう定着させるか」が経営課題となっています。
こうした状況の中で、企業が社員の定着率を高めるためには、従業員が最大限の力を発揮できる環境を整え、信頼関係を構築することが不可欠です。
どれだけ優れた経営戦略を掲げても、従業員の意欲が低ければ離職につながってしまいます。
特に重要なのが、「従業員の声をしっかり聞くこと」です。
単なる雑談や同行時の会話ではなく、意図的に時間を確保し、業務の課題やキャリアの希望についてじっくりと話し合う機会を設けることが求められます。
例えば「月1回の1on1ミーティング」を導入し、キャリアパスやスキルアップの方向性を話し合う場を設けるなどです。
一方的に話すのではなく対話を重視しながら、従業員が不安を感じないよう、「このスキルを習得すれば昇進のチャンスがある」といった指針を明確にし、従業員のモチベーション向上につなげます。
また、「この業務をこなせば売上が上がる」だけでなく、「この業務を通じて新しいスキルが身につき、キャリアアップにつながる」という、個人にとってのメリットを明確に伝えることも重要です。
経営層や管理職は、単なる指示者ではなく、「従業員の成長を支援する立場」であることが求められています。

 
「自分の会社なのに、なぜそこまでサポートしなければならないのか」と疑問に思う経営者もいるかもしれません。
しかし、従業員が成長し、成功することは、企業の業績向上にもつながります。
たとえすぐに成果につながらなくても、学びの機会や挑戦の場を提供し、信頼関係を築くことが大切です。
その誠実な姿勢が評価され、「この会社で働き続けたい」「この上司のもとで成長したい」と思われることで、従業員のエンゲージメントが高まり、企業の持続的な成長につながるのです。

人手不足が深刻化する中、利益を上げるためには、目の前の従業員の成長と満足を優先することが求められます。
従業員がやりがいを持ち、能力を発揮できる環境を整えれば、結果的に企業の成長にもつながるのです。
短期的な利益だけを追求するのではなく、長期的な信頼関係を築く経営を目指しましょう。

伊藤 侑加

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肉をあげずに、肉の獲り方を教える

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

先日、支援先様で私は「肉をあげるのではなく、肉の獲り方を教えるのが本人のため」という表現を使いました。

 

ライオンや鳥でも子供が赤ちゃんの間は食べさせていたが、あるタイミングで子供を突き放す映像をみたことはないでしょうか。

 

その時の親の心境は辛くて仕方がないと思うのですが、それでも自分で餌を獲りに行く方法を叩き込まなければ、厳しい自然界で生き延びることはできないため心を鬼にして突き放しているのです。

 

どういったシチュエーションで私がこのフレーズを使用したかの言及はここでは避けますが、この考え方は私が幼少期から大人になるまでの過程で培われた価値観の中でも上位に入ります。

 

「答え」「成果」「喜び」「物や金銭」などを与え続けると、本人が考えることも努力することも感謝することもなくなってしまい、最終的には一人で生きていく事ができず、与えてくれる人に依存し続ける人生になるということの教訓ですが、これは何も自然界のみならず、親子関係、恋愛関係、夫婦や上司部下でも同じではないでしょうか。

 

自分の力で道を切り拓き、自己実現を目指していく人生が幸せであって、何でも周りから与えられる人生はただの依存です。

 

大事な相手を幸せにするために補助する、突き放す、遠くから見守る、寄り添うなどタイミングや相手のステージにおいて使い分けないと一人では生きていけない人間になってしまいます。

 

本人のためを思って、真の厳しさを教え込むことが本当の愛情だと動物は教えてくれます。

 

もちろん真の優しさについても動物は教えてくれます。

 

会社でも厳しく育てて、自社でも他社でも通用する社会人になるために厳しく育てるのが人材育成だと思います。

 

しかし、それもハラスメントと解されるのが今の日本社会ですが・・・。

 

それではまた次回です。