組織・人材育成 考え方

損得勘定は最優先事項ではない

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品のひとつである『ハムレット』で、「人生は選択の連続である」という言葉があり、シェイクスピアの名言とし有名な一文となっています。

 

この言葉までの流れや言葉に対する解釈は人によって様々でしょうが、人が1日に1000回以上の選択を行っていると言われており、私たちの人生は選択の連続であります。

 

朝何時に起きるのか、朝食は何を食べるのか、どの服を着るのか、何時の電車に乗るのか、など小さな選択を毎日繰り返しています。

 

日常的な選択は、無意識のうちに行っていることが多く、日々のルーティンになってることが大半です。

 

しかし、大きな決断やイレギュラーへの対応など検討が必要なケースでは、何かしらの判断軸を持って、検証し、意思決定します。

 

この判断軸は、人それぞれであり、同じ人でも内容やタイミングによっては、判断軸が変わることも少なくありませんが、私の中で重視している2つの軸があります。

 

それは、「損得勘定で判断しないこと」、「より険しそうな道を選ぶこと」です。これは、今までの進路選択や資格の取得、仕事での判断など、仕事やプライベートを問わず変わりません。

 

(このブログを書きながら、妻のことを「より険しそうな道」と思って意思決定しているわけではないので、例外もあるなと言うことに気付きました。)

 

特に損得勘定で判断しないことは、自分自身の大切にしている判断軸であるのですが、周りに対しても損得勘定が垣間見えると少し引いてしまうところがあります。

 

もちろん、その人の判断軸での意思決定なので、それに対してどうこう言うつもりはありませんし、その意思決定を尊重しています。

 

損得勘定が意思決定に介入する背景には、色々な考えや感情があるとは思いますが、スパイト行動が関係していると考えています。

 

●誰かが得をしているのは許せない(その人が損をしているわけではない)

●自分よりもスピードを出している人が捕まらず、自分が検挙されるのは受け入れられない(その人がスピード違反をした事実には変わ

りないのに)

●あの人だけ昇給をしているのに自分は昇給していない(その人は減給となり実損を受けたわけではない)

●自分も我慢してるのだから、あの人も我慢するべきである(そもそも我慢していることの基準は人それぞれ)

 

と言ったように自分や相手の損得が判断軸に介入しているケースです。

 

誰かが昇給したのなら、自分もそうなれるように頑張ればいいだけ。スピード違反で捕まりたくなければ、法定速度を守ればいいだけ。自分も相手も我慢しない状態を目指せばいいだけ。

 

1つの選択だけでは、誰かの得、誰かの損となることもあるかもしれませんが、全体を俯瞰し、視座を上げて考えれば如何に損得勘定が優先された選択が小さい話なのかと思えてしまいます。

 

ましてや気に入らないからといって他人を攻撃したり、陰で悪口を言ったり、陰湿な行動をとるのは論外です。

 

プライベートなら好きにすれば良いのですが、会社や部活、サークルなど団体活動であれば、建設的に考える癖をつけ、目先の損得勘定に流されず、物事を好転させていくことに集中していきたいものです。

 

日本人は規律性や協調性を重んじる文化から、自分でも気づかないうちにスパイト行動を取ってしまっているかもしれませんので、都度都度、自分自身の選択を振り返り、足を引っ張りあうのではなく、ガンガン前進していきましょう。

 

中小企業診断士 木戸 貴也

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組織・人材育成
仕事に役立つ数学の考え方

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

小学校から大学までの算数・数学は好きな科目だったのですが、正直、方程式とか公式を理解したり、覚えたりして何の意味があるのかなと、疑問を持っていました。

 

学生時代はその目的を理解できず、社会人になりたての頃には、疑問を持っていたことさえも忘れていました。

 

しかし、前職で営業担当だった時、営業の成果(金融機関の法人営業だったので、融資が最も大きな成果でした)が出ている時とそうではない時、自分よりも成績が良い方々との違いを考えていくと、「何を自分でコントロールでき」、「何が自分ではコントロールできないもの」なのかを分け、コントロールできることに集中している時が成果が出ているのでは?と仮説を持ちました。

 

例えば、営業であれば、アポイント件数とか新規訪問件数、融資の提案件数、提案書の作成件数などでした。これらは全て自分自身の活動量で変化するものであり、自分自身がやるかやらないかだけのものでした。

 

一方で、面談率(飛び込み営業もあったので、実権者に合えないことがほとんどでした)や提案の成約率、起案の承諾率などの結果は、自分ではコントロールできません。全て相手があるためです(面談率=実権者、成約率=実権者や競合企業、起案率=上司や本部の決裁など)。

 

もちろん、面談率を上げる努力(例えば、アポが取りやすい時間を調べる、事務所にいる時間帯や比較的手すきな時間を掴むなど)は重要であり、常に工夫し続けるのですが、「率」そのものをコントロールすることは誰にもできないのです。

 

この考えに至ったのは、数学で「定数」と「変数」を学んでいたからだと思っています。

 

色々な方と仕事をしてきましたが、意外と変数ではなく定数を動かそう、動かそうとして上手く行かない方も見てきました。

 

社会人になって改めて数学を学びなおす必要はないとは思いますが、「定数」と「変数」の違いを理解しているだけでも、何に注力すれば良いのか、分かり易くなるのではないでしょうか。

中小企業診断士 木戸 貴也

組織・人材育成
的確な指示を出すポイント

こんにちは、営業事務の造田です。

 

日々の仕事の中で自分から他の社員に作業を依頼することが多々あります。

 

自分は作業の詳細や完成のイメージを把握できているため、「このような言い方をすれば十分に伝わるだろう」と思っていても、その指示が1回で伝わる確率は70%ほどのように感じます。また、完成後に確認した資料が自分の求めていたものとは異なっており、後から修正しなければならないという経験もありました。

 

上手く伝わらなかった理由を後から考えてみると、

〈そもそもそれを行うべき目的を伝えられていなかった〉

ということが大きな要素であると気づきました。

 

これを解決するために最近では、「この資料は○○をするために使用するものであるから、△△日には完成させる必要がある」と完成形の見本がある場合はそれと併せて依頼をするよう心掛けています。

これを実践するようになってからよりスムーズに作業を完了できるようになった気がします。

 

今後も相手に依頼をする前には一度、どのように伝えるのが1番良いのか要点をまとめて依頼することでお互いの認識の相違を無くせるよう心掛けたいと思います。

 

造田朋夏

組織・人材育成
環境が私たちに与える影響

 

環境が変わると、私たちの行動や意見も変わることがあります。特に、周囲の人々の影響を受ける同調の力は非常に強力であり、時には自分の意思とは異なる行動や意見を持つようになることもあります。

 会議などでも「自分はAだと思っているけれど、皆の意見がBなら、Bが正しいのかもしれない」と考えてしまう方も多いのではないでしょうか。

 

私たちがどのような環境にいるかによって、考え方や行動が大きく影響されることは多くの研究で明らかにされています。質の悪い環境に身を置くと、知らず知らずのうちにその環境に同調し、ネガティブな行動や考え方を持つようになることがあります。

 

例えば、職場でネガティブな雰囲気や非効率な習慣が蔓延している場合、新しく入った社員もその影響を受け、同じような行動を取るようになることが少なくありません。逆に、ポジティブで生産的な環境に身を置くと、同じようにポジティブで生産的な行動を取るようになります。

 

意識が変わると行動が変わり、行動が変わると習慣が変わり、習慣が変わると人間性が変わります。このプロセスの中で最も重要な要素は「行動」です。どんなに良い意識や考え方を持っていても、それを実際の行動に移さなければ意味がありません。

 弊社では、期初に会社全体での目標や個人の行動目標を策定しています。マイルストーンを設定し進捗を確認していますが、立てた目標がすべて順調に進むことは難しいです。ですので、達成できていない項目については切り替え、目標を小さく設定し直してでも、少しずつ「行動」することを大切にしています。

 

行動を変えるためには、まず自分自身の意識を変えることが重要です。新しい知識を学び、それを日常生活や仕事に取り入れることで、少しずつ行動が変わっていきます。その行動が習慣化することで、最終的には自分自身の人間性も変わっていきます。

 自分自身の環境を見直し、ポジティブな影響を与える環境を作り上げることで、より良い行動を促し、最終的には会社や自分自身の成長につなげていきたいと思います。

中村菜摘