【ページ最終更新日:平成30年8月2日】
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先端設備等導入計画とは

平成30年6月6日に「生産性向上特別措置法」が施行され、各市区町村を主体として「先端設備等導入計画」の認定が行われています。
「先端設備等導入計画」は、中小企業・小規模事業者等が設備投資を通じて労働生産性の向上を図るための計画のことを言い、認定を受けた事業者は税制上や金融支援などにおいて様々なメリットを受けられます。

まずは国が基本方針となる「①導入促進指針」を定め、各市区町村が①指針にもとづいて「②導入促進基本計画」を策定します。
認定を受けたい事業者は、設備を導入する場所の市区町村が定めた②に合致する内容の「③先端設備等導入計画」を策定し、申請手続きを行うというのが基本的な流れです。

しかし、ここで注意しなければいけないのは、②は市区町村によって内容が異なるということです。そのため、たとえ同じ機械であってもA市では対象になるがB市では対象にならない可能性もあります。各市区町村の②基本計画の内容を確認した上で、③を策定し申請手続きを行わなければいけません。



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対象となる事業者

以下に該当する事業者が対象となります。個人事業主や企業組合、協業組合なども対象です。

業種分類 資本金(または出資金の総額)と従業員数
製造業その他 3億円以下 かつ 300人以下
卸売業 1億円以下 かつ 100人以下
小売業 5千万円以下 かつ 50人以下
サービス業 5千万円以下 かつ 100人以下
ゴム製品製造業*(政令指定業種) 3億円以下 かつ 900人以下
ソフトウェア業又は情報処理サービス業(政令指定業種) 3億円以下 かつ 300人以下
旅館業(政令指定業種) 5千万円以下 かつ 200人以下

*自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除きます。

※注意※
この対象は、あくまでも先端設備等導入計画の認定を受けるにあたって対象となる事業者です。
税制上の支援を受けるためには、さらに細かな要件が設定されていますのでご注意ください。(詳しくは以下に記載しています。)

計画内容について

先端設備等導入計画の内容について、主な要件は以下です。
※あくまでも基本要件を記載しています。必ず各市区町村が定める「導入促進基本計画」をご確認ください。

【計画全体】

・国の定める「導入促進計画」および市区町村の定める「導入促進基本計画」に適合するものであること
・先端設備等の導入が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること
認定経営革新等支援機関(※)において事前確認を行った計画であること

※認定経営革新等支援機関とは、経営に関する専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対して、国が認定している公的な支援機関のことを言います。
具体的には、商工会議所や金融機関、税理士や中小企業診断士などが当たります。当社も認定経営革新等支援機関です。


【計画期間】

計画認定から3~5年間の計画であること

【先端設備等の種類】

労働生産性の向上に必要な生産・販売活動等の用に直接供される設備(機械装置、測定工具及び検査工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウェア)

【労働生産性】

計画期間において、基準年度(直近の事業年度末)と比べて労働生産性が年平均3%以上向上すること

労働生産性は、次の式で求められます。


労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量[労働者数 または 労働者数×一人あたり年間就業時間]

例えば、基準年度(直近の事業年度末)の労働生産性が100万円だった場合、以下を満たす計画であることが要件です。
・3年計画の場合・・・3年後の労働生産性が109万円(3%×3年=9%の向上)以上になること
・4年計画の場合・・・4年後の労働生産性が112万円(3%×4年=12%の向上)以上になること
・5年計画の場合・・・5年後の労働生産性が115万円(3%×5年=15%の向上)以上になること

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認定によるメリット

先端設備等導入計画の認定を受けると、税制上や金融支援において様々なメリットを受けることができます。
また、特定のメリットを受けない場合でも、先端設備等導入計画の認定を受けていることが他の補助金申請の際に加点要素になることもあります。

「平成29年度補正予算のものづくり補助金」において、先端設備等導入計画の認定を受けていれば審査の際に加点されることが決定しました。 ※平成30年8月3日(金)~9月10日(月)にかけて二次公募が行われています。



【メリット1】固定資産税の軽減措置

固定資産税が3年間ゼロ~2分の1になる

先端設備等導入計画の対象となる事業者であり(上記の「対象となる事業者」をご確認ください)、さらに以下の要件をすべて満たしている場合、先端設備等導入計画に基づいて取得した設備の固定資産税が3年間ゼロ~2分の1になります。

【事業者の要件】

次の①~③のいずれかに該当していること
①資本金(出資金)が1億円以下の法人
②資本金(出資金)を有しない法人のうち、従業員が1,000人以下の法人
③従業員が1,000人以下の個人事業主

【期間の要件】

平成33年3月31日まで

【設備の要件】

下表の対象設備に該当し、次の①~③を満たしていること
①生産・販売活動等の用に直接供されるものであること
②中古品でないこと
③旧モデルと比較して生産性向上に資する指標が年平均1%以上向上する設備であること

対象設備 1台あたりの最低価額と販売開始時期
機械装置 160万円以上で10年以内に販売開始されたもの
測定工具及び検査工具 30万円以上で5年以内に販売開始されたもの
器具備品 30万円以上で6年以内に販売開始されたもの
建物附属設備 ※1 60万円以上で14年以内に販売開始されたもの

※1 償却資産として課税されるものに限ります

※注意※
対象設備や要件は市区町村によって異なる場合があります。
必ず各市区町村が定める「導入促進基本計画」をご確認ください。



税制措置を受けるまでの流れ

①事業者は、取得する設備のメーカーへ「工業会の証明書」の発行を依頼します
②事業者の依頼を受けた設備メーカーは、その設備の証明団体として指定されている工業会に対して申請書の発行申請を行います
③申請を受けた工業会は、証明書を発行して設備メーカーへ交付します
④証明書を取得した設備メーカーは、その証明書を事業者に渡します
⑤事業者は、『先端設備等導入計画』を策定するために、経営革新等支援機関に計画の事前確認を依頼します
⑥事業者の依頼を受けた経営革新等支援機関は、計画の事前確認を行い「事前確認書」を発行します
⑦事業者は、先端設備等導入計画を策定し、取得した「工業会の証明書」「事前確認書」と合わせて市区町村へ計画申請をします
⑧市区町村は、計画内容を確認して問題がなければ『先端設備等導入計画』の認定を行います
⑨『先端設備等導入計画』の認定を受けた事業者は、設備を取得します(必ず認定を受けてから取得しなければいけません)
⑩事業者は、税務申告の際に納税書類とあわせて④工業会の証明書の写し、⑧認定を受けた先端設備等導入計画の写し、⑧認定書の写しを添付することで、認定を受けた設備に対して固定資産税の軽減措置を受けます

【工業会の証明書の取得が、先端設備等導入計画の申請・認定に間に合わなかった場合】
取得する設備によっては、工業会の証明書の取得に時間がかかり『先端設備等導入計画』の申請・認定に間に合わない可能性があります。
その場合は、認定後から固定資産税の賦課期日(1月1日)までの間に証明書を追加提出することで、固定資産税の軽減措置を受けることができます。
また、計画内容を変更して設備を追加取得する場合も同様です。

【工業会の証明書について】
工業会の証明書は、中小企業等経営強化法の証明書(経営力向上計画の申請において指定されていた様式)と異なる様式になる可能性があります。
改めて証明書の様式を確認しておくようにしてください。

【設備メーカーによる申請について】
工業会に対して証明書の発行申請を行う際、その設備の性能把握や同一メーカー内の新旧モデルの判別が必要となるため、設備メーカーによる申請が望ましいとされています。しかし、正確な申請が可能な場合には、代理店や子会社等による申請も可能です。

【補助金の優先採択を検討している場合】
補助金の優先採択を受けるために『先端設備等導入計画』の取得を行う場合、その補助金の交付決定前に設備を契約した場合は補助対象になりません。工業会の証明書を取得するにあたって設備の契約を求められる場合があるため、証明書を取得する時期については注意が必要です。


【メリット2】金融支援

信用保証協会の別枠融資を受けられる

事業者が「先端設備等導入計画」に基づく事業の実施にあたって民間金融機関から融資を受ける際、信用保証協会による信用保証のうち、普通保険等とは別枠の追加保証が受けられます。

【保証限度額】
(普通保険の場合)別枠2億円(組合4億円)
(無担保保険の場合)別枠8,000万円
(特別小口保険の場合)別枠2,000万円

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