2次補正予算案のポイント 資本性資金とは
皆さんこんにちは、中小企業診断士の木戸です。
日々、新型コロナウイルス感染症に関する支援策などの情報が更新されています。
経営者の皆様は、日頃の業務に加えて、社内外の対応でご多用とは存じますが、
支援情報を集め、自社で活用できる支援策は積極的に活用しましょう。
政府・与党は、追加経済対策として2次補正予算案を令和2年5月27日までに閣議決定し、
今国会中(令和2年6月17日まで)の成立を目指しています。
これまでの企業向け支援は、日本政策金融公庫などの緊急融資や保証協会の
セーフティネット保証、危機関連保証での資金繰り支援や給付金などが中心でしたが、
2次補正予算案には、資本性資金の供給が盛り込まれています。
<参照>
“大企業から中堅・中小企業に至るまで、資金繰り支援の更なる充実に加え、
必要があれば機動的に十分な規模の資本性の資金を投入することも可能とし、
事業の存続を強力に下支えします。”
「新型コロナウイルス感染症に関する安倍内閣総理大臣記者会見」
(令和2年5月14日より抜粋)
資本性の資金とは、『資本性劣後ローン』のことで、
内容については過去の当社ブログ(資本性劣後ローンとは)をご覧ください。
金融庁が平成23年11月に「『資本性借入金』の積極的活用について」を公表して以降、
活用状況は増加しているようですが、多くの中小企業にとっては馴染みの薄い融資です。
当社からのアドバイス
資本性劣後ローンでの資金調達は増資に近い意味合いを持つため、
①自己資本比率の改善や金融機関の追加融資を受けやすくなることや
②期日一括返済のため資金繰りが改善されることなどの
メリットがあると言われています。
しかし、金融検査上、資本に準じた取扱いをするとは言え、
『資本性劣後ローン=本当の自己資本』ではないため、
中小企業からするとやはり借入金です。
また、通常の融資と比べると高い金利設定となっており、
融資期限前の返済も原則できません。
通常の融資と使い分けることで非常にメリットのある資本性劣後ローンですが、
事業計画が出来ていない(または甘い)状況で融資を受けることは
リスクが高いと考えています。
資本性劣後ローンは融資期間が5年超15年以内の長期間にわたる融資です。
経営が計画通りに進むことは稀ですが、資本性劣後ローンを受ける場合は、
しっかりと事業計画書を作成し、融資期限が到来するときに返済できる準備が大切です。
当社は認定支援機関として約8年前から資本性劣後ローンの事業計画書策定を
支援しており、ノウハウを蓄積しています。
資本性劣後ローンを活用することで、
資金繰りが劇的に改善されることもありますので、気になる方はご連絡ください。