経理が新たな価値を創造する
こんにちは、中小企業診断士の杉本です。
私が以前勤めていた会社で経理業務に携わっていた際に、上司から「我々は、他の部署を顧客としたサービス業だ」と教えられました。製造部や営業部に気持ちよく仕事をしてもらうことで会社の売上が上がり、業績アップに繋がるということです。
「気持ちよく仕事をしてもらう」とは、煩わしい作業を自分たちが請け負うことや、必要な情報をタイムリーに提供すること等がありますが、真に必要なことは経理が持つ情報から新たに価値を創造し企業価値を高めることです。
経理のあり方として、所謂「金庫番」や「仕訳屋」でとどまっている会社も多いかと思います。そういった会社は経営者や取引先、金融機関等にタイムリーに情報が提供できていない場合が多い傾向にあります。
経理として各所に必要な情報をタイムリーに提供できているものの、試算表や決算書などの求められた資料を提出する事実のみを伝えるにとどまっている場合は、新たな価値を創造や企業の価値を高めるに至っていません。
経理が持つ情報から新たに価値を創造するためには、過去の数値から現状分析を行い、短期的な未来を予測し、将来のストーリーを描くことが必要となります。
経理には決算や月次の数値のほか、会社のあらゆる情報が集まります。その情報から会社の良いところ、悪いところ、問題、課題、業界・競合比較などが数字で見て取れます。その数字をもって会社の現状を分析し、短期的な未来の予測(来期予算や決算着地見込みの作成)を行います。そして、経営者が会社の将来のストーリーを描くために必要な情報(中長期の売上予測やキャッシュフロー見込み)を提供し、資金調達などの資金活動を行い、会社が新たな価値を創造するためのサポートを行うことで、企業の価値を高めていきます。
自社の経理がどの段階にあるかを認識し、企業の価値を高める土台作りとしてワンランク上の経理部作りを考えてみてはいかがでしょうか。
中小企業診断士 杉本貴弘