経営改善について 考え方

経営者が外部コンサルタントを使う理由とは?

こんにちは、伊藤です。

7月に入り、大阪では蝉の鳴き声が聞こえ始めました。
既に気温が40℃近い地域もありますので、皆様、体調にはくれぐれもご自愛ください。
 

さて、今回はよく出てくるテーマですが、「経営者が外部コンサルタントを使う理由とは?」です。 
 

最近、コンサルタントという職業はメジャーになり、大学生での就職ランキングにおいても上位に位置する職業ともなりました。
しかし、「外部コンサルタントを使うこと」に対する不安や懸念を感じている経営者は非常に多いのが現実です。
多くの方が感じられる不安としては「料金に見合う成果が出るのかわからない。」という点でしょうか。

 
有形材であれば、モノを見た上で意思決定ができるのですが、
弊社のようなコンサルタントサービスは無形ですので、自社に合うのかどうかが分からないということで利用を躊躇されることが多いです。
 
当社にコンサルタントをご依頼いただく企業者様は、

①補助金
補助金は設備投資を後押ししてくれる存在だが、採択されなければならない上、
日頃の業務外で行わなけらばならず、補助金関連の業務に関する時間を削減したい。

②経営顧問
定期的な予算実績の管理や財務分析により、今後の行動(AP)を一緒に検討したい。
経営を行う上で従業員などには相談出来ない不安や悩み事を相談する存在となって貰いたい。

③事業再生
日々の資金繰りに追われており、打ち手について相談したい。
黒字化に向けた伴走支援をして貰いたい。

④その他
社内のメンバーでは客観的に見ることが難しい組織の問題を第三者の立場から客観的に分析し解決策の提案をして貰いたい。
経営力を向上させるための決算書の読み方や、組織活性化に向けた管理職向けの研修をして貰いたい。 
 
以上のようなお悩み事の解決のために、ご依頼いただくことが多いです。
 

コンサルタントを選ぶ上で一番大切なのは、自社の課題解決にフィットするコンサルタントであるかということです。
例えば、赤字経営が続いている中で、経営改善を目的に、ブランディング強化による売上向上を支援するコンサルタントに相談してしまうなど、
一概にダメとは言えませんが、仕入が先行することで資金繰りが悪化し、経営状態が厳しくなることが多いです。
 

弊社でも他社様でも無料相談を実施している場合が多いので、まずは話を聞いてみて、
自社の課題に合った支援を受けられるのか、自社の価値観に適したコンサルタントなのかを見極めると良いでしょう。
 
また、弊社のサービスは無形ではありますが、
補助金での採択、決算書における貸借対照表や損益計算書の数値の改善、会社の雰囲気が以前よりも明るくなった…などで
コンサルタントを活用して良かったと、ご評価をいただく機会もございます。

外部コンサルタントは短期的にはコストとなりますが、
無駄な経費の削減や、効率的な運営への助言など、中長期的にはコストの最適化に繋がることも多いです。
経営者の皆様には、組織の課題解決と持続的な成長を実現するために、外部コンサルタントを上手く活用していただければと思います。

伊藤侑加

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経営改善について
解決に向けたアプローチ方法を変えてみる

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

リーダーシップ論の中で、会社で発生する課題を『適応課題』と『技術的問題』に分ける考え方があります。

 

技術的問題とは、解決方法が明確で、既存の方法や技術、考え方で解決可能な問題のことで、

適応課題とは、問題の当事者が認識やものの見方、考え方、周囲との関係性が変えなければ解決できない課題のことです。

 

適応課題と技術的問題を完全に切り分けることは難しいかもしれませんが、可能な限り整理し、

両方が入り混じらないようにすることで、解決の方向性をクリアにすることができます。

 

特に適応課題については、短期的に解決できるものと時間をかけて長期的に解決する課題に分けられます。

すぐに解決できる課題を『緩和課題』と、じっくりと時間をかけて解決する課題を『根治課題』とも言います。

 

この適応課題は、自分自身では認識しにくく、自分や会社に根付いた考え方を変更したり、手放したりしなければならず、

当事者の相当の覚悟や周りとの対話、自身での内省を繰り返しながら、変化していくものです。

 

最近、環境の変化によって、上手くいかないことが多くなった、赤字決算で収益改善ができていないなど、

問題が発生した際、技術的問題のアプローチでは解消できないことがあります。

 

そういった場合は、適応課題と捉え、今までの考え方、ものの見方、関係性などを見直すことで、

解決の糸口が見えてくるかもしれません。

 

中小企業診断士 木戸 貴也

経営改善について
意図的に“踊り場”をつくる考え方

 フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

七走一坐(しちそういちざ)という禅の言葉があります。

 

多くの人は聞いたこともない言葉だと思いますが、漢字からその意味を推察できますね。

 

直訳すると「7回走ったら1回座りなさい」という意味です。

 

真面目な経営者ほど「休まずに一生懸命に働かなければならない」という強迫観念にも似たような考え方をしている方も少なくはありません。

 

私も小さな会社ですが経営をする立場なのでよくわかります。

 

 また、経営者でなくとも真面目で仕事に対して一生懸命な人ほど、走り続けなければならないと感じている人もいることでしょう。

 

かくいう私も体力的にも精神的にも若い時から鍛えられていますので、長期間にわたってハードワークができます。

 

しかし、個人の働き方も経営も意図的に踊り場を作り、一度休む(休息という意味ではなく、作戦を練る時間、仕事の段取りを行う時間、大局観を考える時間を確保する)ことはとても大切だと若いころに叩き込まれました。

 

 当社の社員も基本的に真面目ですので、がむしゃらに目の前の仕事に取り組もうとしますが、方向も確認せずに突き進んでいるなと感じることもあります。

 

当社のように単なる社員の暴走や早とちりなら良いのですが、中小企業の経営者がこれでは困ります。

 

経営も与えられた仕事も、すぐにとりかかるのではなく、いったん立ち止まり、今の立ち位置から全体を俯瞰する時間を設けることが大切だというのが、禅の教えですので、これまでの流れや今後の展開を整理して、これからどう進んでいくかをノート、手帳、ペンをもって整理しましょう。

 

 立ち止まる事こそ、最もゴールに到達するための近道なのです。もちろん、立ち止まってばかりでは前に進みませんが、物事がうまくいない時こそ七走一坐くらいが丁度良いのではないでしょうか。

経営改善について
「相乗積」を活用した営業戦略の立て方!

こんにちは、伊藤です。
梅が咲き始め、また、私の好きな日本酒も新酒が出荷される時期となり、少しずつ春の訪れを感じている最近です。
さて、今回のテーマは「相乗積」を活用した営業戦略の立て方!です。 

日頃、営業活動を行う中で、
「A社は当社のシェアが大きいから、売上を維持するための守りの営業を行う」や、
「B社は当社の取引がないから、攻めの営業を行う」など肌感覚ではわかりながらも
「どの取引先でいくら売上を伸ばせばよいのか?」「適正利益率はどれぐらいなのか?」を判断するのは困難ではありませんか。
 

そのような場合に活用できるのが「相乗積」です。
「相乗積」とは、「売上高比率×粗利益率」で求められ、部門・商品群ごとの利益貢献度を表すものです。
スーパーマーケットなどの小売業者の店舗レイアウトの改善検討時やマーケティング戦略立案時に活用されることが多いです。

 
今回は、部門・商品群を、取引先に置き換え、各取引先の利益貢献度を計算し、取引先別の営業戦略を考えてみたいと思います。

まずは、取引先別リストを作成し、取引先ごとの売上高構成比×粗利率で相乗積を計算します。
今回はエクセル形式で作成しました。
相乗積の合計は会社全体の粗利率と一致します。

 

次に考えるのは当社の粗利益率の目標値です。
現在、14.81%が会社全体の粗利益率のため、15.00%を目標と設定します。

売上高の大きいC社の利益が改善出来れば粗利率の向上は期待できますが、売上構成比40%以上を占めており、
価格交渉をすることで売上が減少する恐れもあります。
そのため、売上構成比が高すぎず、利益率改善が期待できそうな取引先を検討します。
今回はD社の利益率改善に取り組み、会社の粗利益率15%を目指します。

D社の売上高、粗利金額を変更しないといけませんが、
エクセルでリスト作成する場合は、是非「ゴールシーク」という機能を使ってみてください。
ゴールシークとは、あらかじめ設定した目標値(答え)からいくら必要なのか逆算で計算をしてくれる機能です。

 

数式入力→会社の現在の粗利益率合計が表示されている数式セルを選択、
目標値→15%と入力、変化させるセル→D社の粗利金額のセルを選択し、OKを押します。 
会社の粗利益率15%となるため、D社で獲得するべき粗利益金額、粗利益率が計算されました。

もちろん、机上の算定結果だけなので、利益交渉を成功させるための戦略も必要ですが、
ターゲット顧客や営業戦略を決定しなければ始まらないと思います。
是非1つのツールとして活用してみてください。 

伊藤 侑加