考え方

空、雨、傘

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

コンサルタントによって、考え方はそれぞれなのですが、私は「事実を解釈ではなく客観的に捉えること」を大切にしています。
解釈は人それぞれですし、同じ人でも状況が変われば別の解釈をするものです。

1人で仕事をしているのであれば、それでいいのですが、コンサルタントは1人で仕事が完結することがありません。

クライアント、銀行などの債権者、関係士業など当社の担当者としては1人で働いていても
必ず他者との調整や共通認識を持つタイミングがあります。

この際、お互いに解釈だけで話し合っていてはお互いの主張で終わってしまうことがあり、
事実は事実として捉え、共通認識の事実とすることで、お互いの解釈に理解を深めることができます。

一方で、事実を分析しているだけでは、何をすべきなのか、仮説をどのように立てるのかと
具体的なアクションに繋がりにくい特徴もあります。

コンサルティング業界で有名な言葉に「空、雨、傘」という言葉があります。

これは、『空が曇ってきたから、今日は雨が降りそうだ、だから傘を持っていくべきだ』というものであり、
事実を正確に認識し、事実を基に解釈し、解釈を基に行動を導くことの重要性を示す言葉です。

ロジカルシンキングの考え方に「So What?(だから何?)」、「Why So?(それはなぜ?)」があり、
結論と根拠をスムーズに理解するための手法です。

同じ事象を見たとしても、当事者の経験や役職、価値観などによって、「So What?(だから何?)」が変わってきます。

例えば、為替変動があり、ドル安円高が進行した際、「輸出企業にとっては不利になり、輸入企業にとっては有利となる」のであれば、
同じドル安円高という事実であっても、各企業の解釈とその後の行動が変わってきます。

社内会議でのディスカッションや取引先との打ち合わせ時など、日頃から「事実」、「解釈」、「行動」を
切り分けて考える習慣をつけるとコミュニケーションが少しでも円滑になるのではないでしょうか。

中小企業診断士 木戸 貴也

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考え方
自然な笑顔のコツはウイスキー

こんにちは、伊藤です。
私は、毎朝電車通勤をしており、日々、会社員の方をはじめ、多くの方とすれ違っているのですが、表情の硬い方が非常に多いです。
もちろんずっと笑顔で居続けられる人はいないと思いますが、一般的に「初対面の印象は5秒で決まる」とも言われており、
「もし、この表情でお客様にお会いされているなら、勿体無いなぁ。」と思う方が多いです。
(恐らく大半の方が表情の切り替えが出来ていると思いますが…。) 

 

そんな出来事から思い出したのが「店舗接客調査における笑顔の調査結果」です。
私はこれまで居酒屋、ファーストフード、カフェなどの飲食店や、スーパーマーケット、ドラッグストアなどの小売店から大規模商業施設まで500店舗以上の接客調査を行ってきました。
クライアント様によって調査依頼項目が異なりますが、必ず調査要望に入っているのが「自然な笑顔で接客が出来ているか」という項目です。
店舗数で500なので、それらを遥かに上回る従業員様を調査しましたが、自然な笑顔で接客をして下さった方は、3分の1もいなかったです。
それだけ「自然な笑顔」は難しく、裏を返せば、「自然な笑顔」ができるだけで他者との差別化に繋げられるということです。

 

しかし、接客業として働く方の多くは「接客においては笑顔が大切」という事を意識し、日頃接客されているかと思います。
ただ、実際には、口角が上がっているだけで自然な笑顔が出来ていなかったり、声が大きいだけであり、
元気はあるけれど表情が硬く事務的な雰囲気に見えたり、緊張した雰囲気に見え、顧客からは「笑顔でない」と判断されてしまうことが多いです。
自分の笑顔の表情を知るためには、鏡を見てみるといいでしょう。

 

自然な笑顔を作るためには、「目元が笑顔であるか」が非常に重要です。
特に、マスクを着用して接客する場合は、目元しか表情が見えないため、より目元の笑顔を意識しなければなりません。
自然な笑顔を作るためには「表情筋」が影響を与えますが、普段あまり使用しない筋肉のため、意識せずに動かすことは難しいです。

「お客様へ感謝の気持ち」を持っていても、笑顔がないために、
お客様にその気持ちが伝わらないのは、とても勿体ないことです。
 

そこで、自然な笑顔を作るコツとして、是非覚えていただきたいのが「ウィスキー体操」です。
方法はいたってシンプル、「ウィスキー」と発音するだけです。
「ウィ」の発音の時に、口角を上げ、「キィ」の発音の時に、目元と口角を上げるよう意識してください。
これだけで目元が上がり、自然な笑顔が作れるようになります。
 

笑顔は、経験や知識がなくても行える相手に好印象を与えられるツールでもあります。
ビジネスシーン以外においても、良好なコミュニケーションを築くためには、笑顔であることが大切です。
是非、始業前や思い立った時に「ウィスキー」と発音して、自然な笑顔を表現できるようにしましょう。

伊藤 侑加

考え方
今の自分を形作ったものを知っている

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

Amazonで面白そうな本を探しては片っ端からクリックしている私ですが、最近見つけた面白い本は「セルフ・アウェアネス」という本です。

 

直訳すると「自分に気付く」ということですが、意訳すると「自己認識」です。

 

「自分のことを理解しなければいい仕事も、いい人生も手に入れることは難しい」というのがすごくザックリした要約です。

 

 

 

 

 

この本の中で、私が気に入ったのは「成功者は今の自分を形作ったものを知っている」という切り口です。

 

過去に出会った人、過去に起こった出来事、育ってきた環境などの中から成功するための声に耳を傾け、自分の成功に繋げてきたということです。

 

例えば、「身長が低いことでからかわれたが、そのおかげで自分を守ってくれる強い友達を見つける術を覚えた」など、偶然や運で片づけるのではなく、自分が成功したターニングポイントを把握しているということです。

 

 

大きな成功を収めている人は、周りの声に対して耳を傾け、その声が決定的な瞬間であると分かっており、それが生涯にわたって潤いをもたらしているとあります。

 

 

経営でも自分の人生でもうまく行くキッカケを与えてくれる人はいるにもかかわらず、素直に耳を貸すことができないケースは確かに多いと私も感じます。

 

 

経営に関するアドバイスをしても、言い訳、やらない理由を延々と言っている経営者も少なくないですし、そのような会社はいつも赤字です。

 

 

成功するためには今の自分を形作ったものを知る。

 

 

このフレーズだけでもこの本を購入した意味があったと感じています。

考え方
地方の経営者が持つべき経営のアンテナ

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。

 

先日、友人とお互いの近況の話をした際に、「昔ほど〇〇についてアンテナが立たなくなったね」ということがありました。

興味の移り変わりもあるので、プライベートでは問題ないでしょう。

しかし、会社経営においては、経営者は日々の業務に追われる中でも、常に環境の変化やトレンドに敏感でなければなりません。

 

都市部であれば人が多く情報に触れる機会も多くありますが、地方の場合は得られる情報は限られてしまいます。

逆に、そのような環境だからこそ、外部の変化やニーズに敏感であることが一層重要になります。

特に、地域密着型の中小企業では、細かなアンテナを持たなければ、周囲の変化に迅速に対応することや、事業の安定と成長を図ることができません。

 

 

まず、地方の経営者が持つべきアンテナは「地域の市場動向」です。

地方では、大都市と比較して市場規模が限られているため、消費者のニーズや購買行動の変化が事業の継続に直結します。

たとえば、人口減少や高齢化が進む地域では、若者向けのサービスだけでなく、高齢者向けの商品やサービスの開発が必要不可欠です。

また、外部からの観光客が増えているのであれば、地域の特産品や観光資源を活用した商品開発やサービス提供を行い、需要の変化に対応することが重要です。

地域の市場動向を正確に掴まなければ、判断を誤り経営が一気に傾くこともあり得ます。

 

 

次に、「地域コミュニティ」のアンテナも非常に大切です。

地方では、地域の人々との信頼関係がビジネスの成功に大きく関わります。

地元のお祭りやイベントに参加する、地元新聞や広報誌に目を通す、あるいは自治会や商工会議所の会合に出席する等で、地域社会の中で自社の認知度や信頼度を高めることができます。

地域住民や事業者と良好な関係を築くことは、新たなビジネスチャンスや提携のきっかけにもなります。

また、地元の口コミの力は非常に強いため、誠実な対応と高品質なサービスの提供を意識することで、地域全体での評判を向上させることが可能です。

 

 

「デジタル技術」に対するアンテナも重要です。

昨今では、地方でもオンラインで商品やサービスを販売する機会が増えています。

地域の特産品や地元ならではのサービスを、SNSを活用して地元だけでなく、広い範囲に発信することで、地方にいながら新たな顧客を獲得することも可能です。

コストを抑えつつ効果的にマーケティングを行うために、デジタル技術を積極的に取り入れることが大切です。

 

 

さらに、「従業員の声」に対するアンテナも必要です。

地方の中小企業では、従業員は少数であることが多く、従業員の意見が会社の運営影響を与えることも少なくありません。

従業員一人ひとりが持つ経験やアイデアを尊重し、心理的安全性の高いオープンなコミュニケーションを大切にすることで、職場環境の改善やサービスの質向上に繋がります。

 

 

最後に、「経営者自身の成長」に対するアンテナも重要です。

地方では都市部と比較して新しい情報が入りにくいというハンデがありますが、これを克服するためには、積極的に学ぶ姿勢が求められます。

最近ではオンラインによるセミナーも多く開催されておりますし、書籍から他の成功事例を学ぶことが出来ます。これらは自社のビジネスに新たな視点を取り入れる良い機会となります。

 

 

情報に触れる機会が限られている地方の経営者には、細かなアンテナを張り、感度を高めることが求められます。

上記5つのアンテナを張ることで内外の情報を積極的に掴み、柔軟に対応することで事業の成長に繋げて行きましょう。

 

中小企業診断士 杉本貴弘