経営改善について 考え方 資金調達について

毎月試算表を確認する

こんにちは、㮈本です。

少しずつ、暖かくなってきて春らしい日も増えてきました。

日本にも新型コロナウイルス感染症に対してのワクチンが供給され始め、今後落ち着いてくれることを願うばかりです。

 

さて、弊社では事業再生をメインに事業者様を支援させて頂いておりますが、今年に入り複数のご相談がありました。

全国に事業を展開されている事業者様や、長い歴史を持った事業者様など事業規模や業種に関係なくご相談が増えております。

 

弊社にとって、事業者様からのご相談から再生に向けて新しい方法を提案していくことが必要不可欠であると考えておりますが、相談に来られるお客様に一定数の事業者様に共通して言える点があるので今回はその点をお話しさせて頂きます。

 

結論から言うと、自社の会計管理が甘いということです。

 

それは、事業者様だけの原因というよりは、会社の決算書を作成している税理士の方にも問題があるケースも散見されます。

きちんと試算表が作成されていない、決算書に不可解な科目や数字が計上してあるなど、資金繰りが苦しくなった事業者様の半分程度は我々が見ても不可解だと思う内容の決算書が多くあるように感じます。

 

当然こちらが不可解に感じるということは、金融機関からも不可解な決算書だと捉えられ、借入を申込んだ際に、決算書の不可解な点を尋ねてきます。

その際に、日頃から試算表や決算書を確認していれば、すぐに回答できる可能性がありますが、基本的に試算表を毎月見ていない会社の社長は決算書の内容をすぐに回答できません。

当然、金融機関からの印象は社内管理がずさんか、社長の個人資産に流れているのではと、警戒してしまうような印象を与え、円滑なかつ希望額を満たす融資は難しくなるのです。

(例 現金が以上に多い決算や役員または他者への貸付が多い決算)

例に挙げた科目の数字が異常な数字であれば、金融機関や保証協会は当然融資を行うことを踏みとどまる可能性が高いです。

 

相談に来られる事業者様の多くは粉飾決算をして金融機関から不正に資金を調達し、自分のポケットマネーにしようなどと考えている方はいないでしょう。

しかし、自社の会計は税理士にすべて任せ、自分は完成した決算書を見るだけや、毎月顧問料は発生しているが、面談して会うのは一年に1回など接触頻度が極端に少なく、試算表も早めに頼まないと作成してもらえないという事業者様が多いように感じます。

 

各会社の諸事情があるかと思いますが、弊社代表の長尾も日々事業者様に申し上げているのは、自社の会計(試算表)は毎月確認することです。

 

毎月確認することで、自社の売上や利益を確認するだけでなく、前月にはなかった異常な数字や科目を確認することができます。そこで、発生したものがすぐに何が原因で発生したものか理解できれば問題ありません。

事業者様の中には、税理士の方にすべての仕事を一任しているので、何かあったら税理士さんが対処してくれると思っている方もいらっしゃると思いますが、実際に資金調達時に金融機関と面談するのは、税理士の方ではなく経営者本人であるということです。

私が金融機関に在籍していた頃は、税理士の方が同席して資金調達の話を代わりにしてくれるなどということは一度も経験したことはありません。

むしろ面談に積極的に参加し、社長の代わりに融資の話を進めるような税理士や会社では正直不安を覚え、融資することを辞めるかもしれません。

資金調達において、試算表や決算書の内容をきちんと精査しておくことは重要であり、少しでも違和感を覚えたら、今までの方法を見直してもらうか税理士を変えるという方法を検討してみて下さい。

 

今回は、資金調達を主軸に試算表を確認する大切さをご説明しましたが、本来は試算表を確認し自社の経営状態を確認することが重要です。

自社の経営状況を確認し、必要なタイミングで必要な資金調達や経営判断ができるよう小さなことではありますが、毎月自社の試算表を確認することを心掛けて下さい。

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経営改善について
状況が厳しくなった場合、タフなやつだけが前に進める

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

中小企業を取り巻く経営環境は、「企業規模や業種を問わない賃上げの圧力」や「政策金利の引上げによる支払利息の増加」、「関税や為替変動によるコストアップ」など収益を圧迫するようなテーマが日々、取り上げられています。

 

経営は順風満帆な時期よりも逆風が吹き荒れる環境でこそ、本当の力、真の実力が試されるもので、こうした状況下では、多くの企業や個人が足を止め、リスクを回避し、様子を見る行動を取りがちです。

 

しかし、それらの企業や個人よりも一歩先へ進める企業、個人だけが、次の成長、発展を手にすることができます。つまり、「状況が厳しくなった場合、タフなやつだけが前に進める」ということです。

 

ここでいう「タフなやつ」とは、単に我慢強い人ではありません。冷静さを保ち、自身の感情と向き合い、極限下でも質の高い意思決定を下せる人を指します。

 

タフネスは、「精神論」ではなく「技術」であり、「鍛えれば身につく資産」です。厳しい状況では、「粘る」ことが重要視されがちですが、重要なのは「何を捨て、どこに集中するか」の判断です。

 

時に撤退も戦略の1つです。タフな人は、自分のリソースを冷静に把握し、勝機のある領域に一点突破します。そして、その一点に対しては、執念をもって活動を続けます。

 

どれだけ優秀な戦略や計画であっても実行されなければ意味はなしません。不確実性の中では、タフさがなければどのようなスキルや資格、経験も活かせません。

 

タフであることは、未来を勝ち取る力です。

中小企業診断士 木戸貴也

経営改善について
複数の施策を手元に持ち、そして実行する。

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

今年もあと1ヶ月です。

 

当社は12月決算ですので1年の終わりでもあり、今期の終わりです。

 

今期の当社は厳しい時期があり、経営者として考えさせられることも多かったです。

 

経営者として会社の舵取りに時間を割かなければならないのですが、士業事務所の代表は実務がとても多く、自社のことを考える時間があまり確保できませんでした。

 

しかし、会社の業績や新しい取り組みを考え、指示し、結果を出すのは経営者の仕事です。

 

時間がないからといって自社の経営に対して何も取り組まないというのは許されません。

 

実のところ、私は短期間でも経営にインパクトを与える施作を常時5〜10ほどの持っていて、機が熟したと感じた時や社員のキャパに余力があると感じた時にいくつかその施作を実行に移します。

 

今期は8月以降4つの施作を打ち出し、それぞれで立派な芽が出てきました。

 

成果として表れるのは来期になりますが、道筋をつけ社員が自走するような明確な指示を出すのが当社のような中小零細企業の経営者の重要な仕事だと実感した1年でした。

 

経営者は常に不測の事態や企業を成長させるために手元に有効な施策を持っていなければなりません。

 

私もこの夏から秋にかけて4つの施作を実行に移したことで、手持ちの施策が少なくなりましたので、また補充しなければなりません。

  

経営に有効な施策はどこで仕入れるのかは皆さんも興味を持たれるかもしれませんが、大した回答はできません。

 

行っているのは一般的なことです。

 

本を読む、セミナーに行く、成功している同業他社を分析する、成功している異業種を分析するなどです。

 

私自身は特別な能力がある人間ではありませんので、とにかく成功している経営者や事例から学ぶしかありません。

 

経営者の仕事で最も大事なのはビジネスモデルの構築と実行です。

 

具体的にはどこから収益を得て、どのように仕組み化させるのかを考え、実現させることです。

 

規模の大小は関係なく、経営者であれば必ず求められる能力です。

 

皆さんも、是非、業績に直結するような施策を手元に持つようにしてください。

 

私は今年に実行に移した施策がどのような結果をもたらすのか、改めて皆様にご報告できればと思います。

経営改善について
アナログな営業活動でも商談の機会を増やすことができる

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

大阪はようやく秋らしい季節になってきました。

 

日中はまだ汗ばむ日もありますが、それでも朝夕はだいぶ涼しくなってきました。

 

もう11月ですからね。

 

さて、本日は営業についてです。

 

実はこの私、いわゆる「営業」というのをこれまでしたことがなく、テレアポや飛び込み訪問の経験がゼロです。

 

しかし、ビジネスを展開する者として営業活動を無視することはできません。

 

そこで私は、創業以来、いわゆる皆さんがイメージする営業(プッシュ型営業)ではなく「プル型営業」という手法に注力して、事業を拡大してきました。

ここで「プッシュ型営業」と「プル型営業」について整理しておきましょう。

 

「プッシュ型営業」こちらから押す営業

プッシュ型営業とは自分から能動的に営業するスタイルをプッシュ型営業といいます。こちらの意思で営業活動ができますが、見込み客には興味がない可能性も多いです。テレアポや飛び込み営業、ポスティングなどがそうです。

 

「プル型営業」向こうから引っ張られる営業

プル型営業とは見込み客の方から自社に引き込む営業手法です。具体的には相手からの問い合わせや相談など、何らかのアクションがあってから営業活動が始まります。

見込み客の方からのアクションによって営業が始まるので最初から自社に対して好意的です。しかし、何もしなければ見込み客の方からわざわざアクションを起こしてくれるわけではありませんので、見込み客に見つけてもらえるために、HPSNSなど興味を持ってもらえるような仕掛けが必要です。

 

長尾はテレアポや飛び込み営業をする根性がないので、プル型営業を研究して事業を拡大してきました。

 

私の話はともかくとして、中小企業の経営改善支援をしていますと、営業部などの専属の営業チームを持たないケースがほとんどで営業活動が十分にできていないことがあります。

 

また、弊社のようにホームページを充実させて、デジタルの力を活用したプル型営業ができれば良いのですが、それも人的リソースの問題で難しいケースも多いです。

 

売上を増加させなければならないが、様々な事情で営業活動ができない時はDM(ダイレクトメール)による営業をお勧めします(DMはこちらから能動的にアクションを起こすのでプッシュ型の営業に分類されます。)。

 

「なんだ、いまさらDMか」と思われるかもしれませんが、DMの威力を侮ってはいけません。

 

 DMのメリットは自分たちで準備期間を自由に設定できますし、他の営業活動と比較すると低コストです。

 

また、ポイントを押さえたDMの威力はすさまじく、すぐに数件の商談に発展することも珍しくありません(このDMを成功させるためのポイントはまたどこかでお伝えしたいと思います)。

 

実際に弊社もセミナーの案内DMを送付したところ、30社程度から応募がありました。

 

私はDMのことについては15年以上前から研究してきましたし、他社のアイデアや成功事例をストックしていましたので、今回のセミナー開催の案内DMでもそのノウハウを活かし、高い成果を出すことができました。

 

 

その他にも弊社の支援先様の卸販売会社では300通DM3件の商談に繋がりました。

 

HPSNSが普及したことでDMのようなアナログな営業活動については触れられる機会も少なくなりましたが、新規顧客の開拓を行うには何らかの営業活動は必要です。

 

営業マンがいない、デジタル分野を任せる人材がいないから営業活動を放置するのではなく、DMからでも商談が生まれるということを念頭に、できることから取り組んでください。