考え方

入社1か月で気づいた、“思いやり”と“伝え方”のズレ

こんにちは、田邉です。

 

入社して1か月が経ちました。

最近よく耳にするのが「相手の立場に立って考える」という言葉。

この言葉の意味を、日々の中で実感することが増えてきました。

 

ドラマや日常でもこんな場面、見たことはありませんか?

 

1.家庭内でのシチュエーション
風邪を引いて寝込んでいる妻に、夫がこんな声をかけるのです。
「熱は測った?」「薬飲んだ?」「病院行ったら?」
でも、妻の心の中には、こういう気持ちが残ります。
「“大丈夫?”の一言が欲しかった」「この人、私のこと全然心配してくれてない」
でも、本当にそうでしょうか?実はこの夫、ものすごく心配しています。
だからこそ、「早くよくなってほしい」と、解決策を急いで伝えてしまう。
でも妻が欲しかったのは、“共感”や“安心”の言葉でした。

 

2.仕事でのシチュエーション
仕事でミスして落ち込んでいる部下に、上司がこう声を掛けます。
「で、原因は?」「何がダメだったと思う?」「次どうする?」
と問いかける場面。
上司としては、「同じ失敗を繰り返してほしくない」「部下の成長を願って」という思いからフィードバックをしているつもりです。
しかし、本人が傷ついているタイミングで分析を求められると
「責められている気がする」と感じてしまうこともあるのです。

 

このように、どちらも“相手を思っての言葉”なのに、伝わらない。
むしろ、すれ違ってしまうことが意外と多くあるのです。

 

それは、人によって物事の捉え方や言葉の使い方が異なるからだと思います。
たとえば、論理や結果を重視するタイプの人は、「相手の気持ちを想像する」ことよりも、「正確に、役に立つ情報を伝える」ことに意識が向いてしまいがちです。
その結果、冷たく見えてしまうこともあります。
でも、それが「思いやりがない」ということにはなりません。
ただ、伝え方の“スタイル”が違うだけなのです。

 

ここで私が本当に伝えたいのは
「自分はそういう捉え方だから」と開き直ることではありません。
たとえその人にとって苦手なスタイルだったとしても、
相手がどんな言葉や接し方を“心地よい”と感じるのかを想像して、
少しでも歩み寄ろうとする姿勢が大切だと思います。

 

伝え方は、その人らしさの現れかもしれません。
でも、相手の“受け取りやすさ”に合わせるというのも、
一つの思いやりの形だと感じています。

 

私たちが関わっている補助金の支援業務では、
「この企業はどこに困っていて、どんな未来を描こうとしているのか」
「そのために、どの説明・提案が一番伝わるのか」
常に、相手の立場に立って考える力が求められます。

 

単に“論理的に正しい説明”をすればいいわけではなくて、
相手が安心して「この人に相談したい」と思ってくれるにはどうすればいいか、
言葉選び・順番・雰囲気まで含めて、“伝え方”を調整することが必要だと日々感じています。

 

思いやりの気持ちは、相手に届いてこそ意味を持つ。
「心配しているのに伝わらない」「がんばっているのに評価されない」
そんなすれ違いを減らしていくには、やっぱり“相手の立場に立ってみる”という視点が欠かせません。
でもそれは、「もし自分だったら」ではなく、
「この人だったらどう感じるか?」まで考える、少し踏み込んだ想像力だと思うのです。

 

今後も、日常でも仕事でも、
相手の“受け取りやすい形”を意識しながら、伝える力を磨いていきたいと思います。

田邉綿華奈

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ヒアリングの「問う力」を磨く

皆様こんにちは。コンサルタント職の平石です。
今回は、問う力を磨くというテーマでブログを作成いたしました!

 

1.はじめに
補助金業務に携わる中で、企業の強みや今後の方向性を引き出す「ヒアリング」の重要性を、日々痛感しています。徐々に経営者の方々とヒアリングさせていただく機会が増え、質問の質が成果を大きく左右することを実感しています。今回のブログでは、私自身が学び続けている「問う力」について考えをまとめてみました。

 

2.問う力が価値を生む理由
補助金申請では、事業の独自性や成長性を言語化し、第三者が理解できる形に整理することが求められます。そのためには、経営者ご自身ですら気づいていない潜在的な強みや課題等を掘り起こす必要があります。表面的な質問だけでは、企業の本質は見えてきません。核心に迫る問いを重ねることで、真に価値のある情報にたどり着き、結果として事業計画の質が高まります。つまり「問う力」は、単なる質問技術ではなく、価値創造のための重要なビジネススキルなのです。

 

3.良い問いとは何か
良い問いにはいくつかの共通点があると考えています。
・目的が明確であること。「何を明らかにしたいのか」を意識するほど、質問は自然と簡潔になります。
・相手の経験や考えを引き出す構造になっていること。例えば「なぜその判断をされたのか」「どのような背景があったのか」といった問いは、経営者の意思決定プロセスを理解するうえで大きなヒントになります。
・相手が話しやすい空気をつくることも、良い問いを機能させる前提条件です。質問は内容だけでなく、タイミングや言い回しによっても情報量が大きく変わります。

 

4.一年目の私が意識している3つのポイント
私自身がヒアリングの場で特に意識しているのは次の三点です。
① 仮説を持って臨むこと。 仮説があることで、深掘りすべきポイントが明確になります。
② 相手の言葉を正確に受け止めること。 決めつけを避け、事実と解釈を分けて聴く姿勢が重要です。
③ 沈黙を恐れないこと。 経営者が考える時間を尊重することで、より本質的な答えが返ってきます。

 

5.おわりに
ヒアリングはただ話を聞く場ではなく、共に未来を描くための対話の場。これからも「問い」を磨き続け、経営者の皆さまにとって価値ある支援を提供していきたいと考えています。

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5分でできる思考の整理術

こんにちは、営業事務の造田です。

 

月末や締切が近づき仕事が立て込んでくると、「何から手をつければいいかわからない」「頭の中が混乱して集中できない」という状態に陥りがちです。今回は、実際に私が実践している5分でできる思考の整理術をご紹介いたします。

 

①まずは書き出す

はじめから完璧な整理を目指す必要はありません。気になっていること、やるべきこと、進行中の作業をとりあえず箇条書きで書き出します。頭の中の情報を一度外に出すことで思考の負荷が下がり、メモが補助記憶として働くため、脳に余白が生まれます。

 

②目的とやるべきことを分ける

書き出した内容は「目的(何のためにやるか)」と「タスク(何をするか)」という2つに分類します。この2つが混ざると、すぐに完了する単純な作業でも複雑に見えてしまいます。

例として、資料を完成させることは目的、そのためのデータの確認や構成案の作成はタスクというように切り分けて考えることで、目的が明確になりやるべき行動が自然と整理されます。

 

③タスクを分解して行動レベルに落とす

タスクが大きすぎると、まず何をすれば良いか分からないという状態になります。以前のブログでも触れましたが、数分で終えられる小さな行動まで分解することで混乱を防ぎ、手を付けやすくなります。タスクを行動レベルに落とすことが、スムーズな業務の進行に繋がります。

 

この方法を続けていく中で、これまで思考が混乱していた原因は集中力の問題だけではなく、整理の方法が不足していたことに気付きました。今後も、この数分で出来る整理術を取り入れていきたいと思います。

 

造田朋夏

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「言葉の精度」が成果を左右する

皆様、こんにちは!コンサルタント職の平石です。
今回は、コンサルティング業務において改めて重要だと感じている「言葉の精度」について考えてみました。

 

●「伝えたつもり」と「伝わった事実」
日々の業務では、事業者様との打合せや報告資料の作成など、数多くのコミュニケーションが発生します。
そのなかで、私自身が痛感するのは「伝えた内容」と「伝わった内容」が必ずしも一致しないということです。
同じ言葉を使っていても、相手の立場や経験によって意味の受け取り方は異なります。
わずかな表現の差が、意思決定の方向を変えてしまうことも少なくありません。

 

●言葉の“選び方”が成果を変える
コンサルタントに求められるのは、専門的な知識を平易に翻訳し、事業者様が正確に理解・判断できる形に整える力です。
その際に重要なのは、“どんな言葉で伝えるか”という選択です。
たとえば、「コスト削減」という表現も、状況によっては「効率化」や「再配分」と言い換える方が前向きに受け取られる場合があります。
同じ事実を説明していても、言葉の響きやニュアンスによって、受け手の行動意欲や合意形成のスピードは大きく変わるのです。

 

●精度とは、正しさ+伝わりやすさ
ここで言う「言葉の精度」とは、単に誤字脱字がないという意味ではありません。
正確であることに加えて、「相手の理解構造に合った形で伝わること」までを含みます。
つまり、言葉の精度とは“正しさ”と“伝わりやすさ”の両立です。
データ分析や戦略立案の正確性がどれほど高くても、それが正確に伝わらなければ成果にはつながりません。

 

●成果を動かすのは「理解された言葉」
私たちの提案書や報告書は、単なる情報の集合ではなく、「事業者様の意思決定を動かす言葉」であるべきです。
そのためには、事実を整理するだけでなく、「この言葉を選ぶことで、相手がどう動くか」を意識する必要があります。
一つひとつの表現に意図を込め、言葉の精度を磨くことこそ、成果の再現性を高める最も確実な方法だと感じています。
「伝えた」ではなく「伝わった」。
この差を埋める努力を、これからも日々のコミュニケーションの中で積み重ねていきたいと思います。