人は目先の利益を優先する
こんにちは、中小企業診断士の杉本です。
人が意思決定をする際、しばしば目先の利益を優先する傾向があります。これを「現在志向バイアス」と呼びます。
このバイアスは、即座に利益を得ることに焦点を当て、将来の影響を無視する傾向があることを意味します。
では、なぜ多くの人は「目先の利益」を優先するのでしょうか。
1つは、情報の欠如や不確実性による不安の影響です。将来についての不確実性が高い場合、人々は目先の利益を得ることに重点を置く傾向があります。
将来に起こるかもしれないことに対する不安や恐れを軽減するために、今すぐに得られる利益を最大化しようとする傾向があるためです。
たとえば、今すぐもらえる1万円と1年後貰える2万円であれば、不確実な1年後の2万円より今すぐもらえる1万円を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
夏休みの宿題を序盤に終わらせずに最終日ギリギリまで残してしまうのも、夏休みの後半に必ず遊べるという保証が無いからです。
1年後に2万円をもらった方が収入は大きく、夏休みの宿題を最終日に一気に終わらせるのは大変だとわかっていながらも先に遊ぶことを優先してしまう、これが現在志向バイアスです。
2つ目は、社会的な価値観や文化の影響です。特定の社会や文化においては、目先の利益を追求することが重要視されることがあります。
たとえば、利益追求を優先するビジネス文化が浸透している社会では、企業が短期的な利益を優先することが多いかもしれません。
しかし、目先の利益を追求しすぎることで社会的信用を失うリスクも存在します。
そのため、長期的な視野を持って、持続可能な判断をすることが、重要であると言えます。
現在志向バイアスの存在を知り、自身や会社にどの様な影響を与えているかを把握し、仕事や勉強を先延ばしにすることや目の前の売上げに走ることなく、長期的な視野で自己実現や企業の成長に取り組んでみてください。
中小企業診断士 杉本貴弘