二の手、三の手はあるか
皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
「銃を突きつけられていても146通りの対処法がある。」
私が見ているアメリカの弁護士を描いたドラマ「SUITS」のハーヴィ・スペクターのセリフです。
逆境に陥っても必ず対処法はある。それが分からなければ弁護士はできないというような会話の流れだったかと思います。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、多くの企業や商店で甚大な被害が出ています。
外出の自粛、行政が業種を特定した営業自粛要請などで業績や資金繰りが急激に悪化している企業が激増しています。
しかし、不安になっていても問題は解決されません。
特に経営者は会社や社員を守る責任もありますので、対策を講じなければなりません。
また、私共のような中小企業診断士、経営コンサルタントなどの士業も事業者と同じ目線に立って知恵を絞なければなりません。
現在は経営者や専門家の多くが国や行政、金融機関からの給付金や融資を受けるために奔走しています。
しかし、大半の企業や商店は数か月(早ければ1か月)でその資金はなくなると推察されるので、資金注入した直後から二の手、三の手を素早く打たなければなりません。
国や行政に文句を言う、圧力をかけるというのも一つの手ですが、経営者ならあるいは専門家なら知恵を絞って会社と社員を守るために動かなければなりません。
「銃を突きつけられていても146通りの対処法がある。」
仮に146通り対処法が分からなかったとしても、
「今、できることは何か?」
「今、すべきことは?」
「将来のために考えるべきことは?」
「コロナが終息した時に、スタートダッシュを切るためには?」
そう考えるのが、経営者や専門家ではないかと考えます。
融資や給付金ばかりに目先が行き、行政の対応に文句を言う気持ちも分かりますが、自社の経営について突き詰めて考る絶好の機会です。
厳しい言い方をすれば、今、資金調達で苦戦しているというのは新型コロナの影響とは関係なく業績が悪かった、数値管理や経営者がすべき業績や資金繰りの管理を怠っていたのどちらかです。
これを機に、その辺りも考えてみてはどうでしょうか。
ちなみに当社が今、売上0になったらどうするか。
少なくとも私は社員に「銃を突きつけられていても146通りの対処法がある。」とまでは言いませんが、「心配するな、打つ手ならいくらでもある。俺を見くびるな。」と言います。
そして、それから打つ手を考えます。
家で問題が起こっても同様の言い方をします。
申し上げたいことは経営者なら最初から誰かに助けてもらうという発想ではなく、自分で必ず出口を模索するという気構えと行動力は絶対に必要だということです
エネルギーの多くを国や行政に対する不平不満に費やしてはいけませんし、国が助けてくれるだろうという期待も過度にしてはいけません。
また、あきらめてもいけません。
経営者も専門家も今こそ、自分の力量を示す時です。
資金調達や給付金は瞬間的なドーピングです。
すぐに二の手、三の手を考え、実行に移していきましょう。