考え方

ロジカルシンキングでコミュニケーションを円滑にする

こんにちは。中小企業診断士の木戸です。

 

自分では論理的に話すこと、書くことを心掛けていても、自分の考えが思うように相手に伝わらないことは、多くの方が経験されたことがあるのではないでしょうか。

それを解決し、コミュニケーションを円滑にする手法が、論理的思考(ロジカルシンキング)です。

 

ロジカルシンキングとは、物事を体系的に整理して指示道を立て、矛盾なく考える思考法のことです。

ロジカルシンキングを身に着けることで、話の重複や漏れ、ずれを防ぐことや話の飛びを無くすことができるようになります。

 

ロジカルシンキングには横の関係と縦の関係があります。

 

まず、横の関係では、話の重複や漏れ、ずれを防ぐ必要があり、MECE(ミッシー、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive)という技術を使用します。MECEとは、ある事柄を重なりなく、しかも漏れのない部分の集合体として捉えることです。

例えば、曜日は「月、火、水、木、金、土、日」の7曜日であり、それ以上でもそれ以下でもありません。

ただし、実務上では必ずしも漏れや重複が絶対にないと証明する必要なく、これだけを押さえておけば大きな重なりや漏れはないとみなすことも重要です。

例えば、マーケティングの4Pという考え方です。これは、Product(プロダクト:製品)、Price(プライス:価格)、Place(プレイス:流通)、Promotion(プロモーション:販売促進)のことであり、マーケティング戦略の立案時などに使用するフレームワークです。他のポイントもあるかもしれませんが、重要な要素はこの4つに含まれていると考えられています。

 

次に、縦の関係では、話の飛びを防ぐ必要があり、So What?/Why So?という技術を使用します。So What?とは、課題に対して今ある情報からどのような結論を言えるのかを考えることであり、Why So?とは、課題に対する結論の根拠や方法が妥当なものかを考えることです。So What?⇔Why So?を何度も繰り返すことで、結論と根拠に飛びが無いかを検証します。

 

ロジカルシンキングは、MECE(横)とSo What?/Why So?(縦)を一つに組み合わせて行います。また、ロジカルシンキングの大切さは多くの方が気付いていますが、具体的な方法はわからず自己流の方も多いのではないでしょうか。

 

ロジカルシンキングは簡単な技術ではなく、身に着けるには訓練を継続するしかありません。日頃から、「他の要素がないだろうか?」、「AとBは同じことを言っているのではないだろうか?」、「この根拠から本当にこの結論が言えるだろうか?」などと考える習慣をつけることが大切です。

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考え方
人手不足であっても代わりの人間はいくらでもいる

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

『代わりの人間はいくらでもいる』これは元プロ野球選手で監督であった野村克也氏が言っていた言葉です。

 

代わりの人間がいくらでもいることは組織の本質であり、代わりの人間はいくらでもいることを理解し、自分自身を高め続けることができる人が、一流の人、成長し続けられる人であると思います。

 

一方で人手不足の現在では、希望の採用が出来ずに特定の社員、役員、外注先などに依存してしまうことがありますが、それでも代わりの人間はいくらでもいることを前提に考えなければなりません。

 

一見、非常に厳しい言葉にも感じられますが、組織目線では「業務の平準化、マニュアル化ができており、高い生産性と品質を維持できる体制になっている」、「新しく入った社員が育つ環境が整っている」、

「次世代の中心メンバーが成長している」などのように代わりの人間がいくらでもいるということは、強い組織になっているとも考えることができます。

 

『代わりの人間はいくらでもいる=誰かをやめさせて他の人に任せる』ではなく、環境や状況に応じて、それぞれの強みを活かしながら、ベストメンバーで臨むためには代わりがいないとできませんので、組織としても個人としても重要な言葉だと思います。

中小企業診断士 木戸貴也

考え方
状況が厳しくなった場合、タフなやつだけが前に進める

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

中小企業を取り巻く経営環境は、「企業規模や業種を問わない賃上げの圧力」や「政策金利の引上げによる支払利息の増加」、「関税や為替変動によるコストアップ」など収益を圧迫するようなテーマが日々、取り上げられています。

 

経営は順風満帆な時期よりも逆風が吹き荒れる環境でこそ、本当の力、真の実力が試されるもので、こうした状況下では、多くの企業や個人が足を止め、リスクを回避し、様子を見る行動を取りがちです。

 

しかし、それらの企業や個人よりも一歩先へ進める企業、個人だけが、次の成長、発展を手にすることができます。つまり、「状況が厳しくなった場合、タフなやつだけが前に進める」ということです。

 

ここでいう「タフなやつ」とは、単に我慢強い人ではありません。冷静さを保ち、自身の感情と向き合い、極限下でも質の高い意思決定を下せる人を指します。

 

タフネスは、「精神論」ではなく「技術」であり、「鍛えれば身につく資産」です。厳しい状況では、「粘る」ことが重要視されがちですが、重要なのは「何を捨て、どこに集中するか」の判断です。

 

時に撤退も戦略の1つです。タフな人は、自分のリソースを冷静に把握し、勝機のある領域に一点突破します。そして、その一点に対しては、執念をもって活動を続けます。

 

どれだけ優秀な戦略や計画であっても実行されなければ意味はなしません。不確実性の中では、タフさがなければどのようなスキルや資格、経験も活かせません。

 

タフであることは、未来を勝ち取る力です。

中小企業診断士 木戸貴也

考え方
やらないことリスト

こんにちは、営業事務の造田です。

 

皆様は1日の中や少し先の予定で実行すべきタスクをどのように管理されていますか?

 

多くの方はTo Doリストを作成して漏れが発生しないように管理されているかと思います。
私も毎朝出勤後にはやるべきタスクを書き出し、優先順位をつけて取り組むようにしています。

 

ですが、実際にはリストに書かれている内容以外のことにも時間が割かれてしまい、タスクを完了させるまでに想定以上の時間がかかってしまったという経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

最近私は「やらないことリスト」というものの存在を知り、「やらないこと」にも意識をするようにしています。

例えばマルチタスクをしない、情報を検索するときに無作為に追い続けないということです。

 

Aの業務をしている途中でBの業務がすぐに終わりそうだから先に片付けてしまおうとマルチタスクをすると、Aの業務に戻ろうとした際に振り返りの時間が必要になります。

また、情報を収集したいときに関連のありそうな情報をむやみに収集しても結果的に欲しい情報を得られないこともあります。

 

やらないことを明確にするメリットは、頭の中を整理しながら物事を進めることができることだと感じています。
ひとつひとつタスクをこなしていくことで達成感も得られることができます。

 

業務を行う上で、時間がかかってしまうことに悩まれている方は、ぜひ「やらないことリスト」も作成してみてはいかがでしょうか。

 

造田朋夏