考え方

オフィスワークの生産性を向上する

 

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

大阪市内でも雪がチラつくなど寒い日が続いていますが、皆さま体調にお変わりないでしょうか。

 

人手不足や生産性向上のために製造現場に限らずオフィス等での仕事の効率化にも活用できる「動作研究」と呼ばれる手法があります。

 

動作研究とは「作業者が行うすべての動作を調査・分析し、最適な作業方法を求めるための手法の体系」のことであり、作業者の身体動作、目の動きを分析し、非効率な動作の排除、動作の組替えなど改善を図ることであり、IE七つ道具の1つです。

 

動作研究は、「もっと楽に効率を上げていく」ことを目的としており、「作業方法」、「治工具の使用」、「作業域」の3つの領域がありますが、今回は「作業域」についてオフィス等での活用方法をご紹介します。

 

作業域は、作業する際に作業者が身体各部を動かくのに必要な作業範囲のことであり、作業域には最大作業域と正常作業域があります。最大作業域とは、「固定した肩を中心に伸ばした時の手の届く範囲」のことで、これ以上になると肩や体を動かさなければ作業できません。正常作業域とは、「上腕を身体に近づけ、前腕を自然な状態で動かした範囲」のことで、肘の角度が120°位でリラックスして作業できる状態です。

 

この正常作業域にノートパソコンやデスクトップパソコンのキーボード、マウス、テンキー、作業中の資料に置くように心がけ、どうしても配置できない場合でも最大作業域を超えないようにします。加えてパソコンやマウス、テンキー、サブモニターなどは体の正面60°程度に収まるように配置することで更に無駄な動作を排除できます。

 

また、この作業動作の改善では、作業者の意識が非常に重要となります。「作業方法または動作方法について、その問題点が判断でき、より能率的な方法も探し続ける心構え」のことをモーションマインドといい、経営者、管理者、作業者が共通の目標を持ち、協働意欲を得ることがポイントとなります。

 

オフィス等での作業動作の改善は、「肘の角度120°」、「体の正面60°」です。在宅ワークでも工夫することで生産性を向上できるかもしれません。

 

中小企業診断士 木戸貴也

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考え方
餅は熱いうちにちぎって投げる

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

部下や後輩に仕事を任せる時、心配だから、経験が浅いからとついつい細かなことを指示したり、
任せられずに自分自身で進めてしまうことが良くあります。

 

『目の前でお客様が困っている』、『資金繰りがタイトでいつも悩まれている』というご状況を
目の当たりにすると今すぐ少しでも改善できるように体が動いてしまいます。

 

このような状態は案件が“熱い状態”であり、大変な状態ではあるのですが、
一方でコンサルタントとしてのやりがいが高い状態でもあります。部下や後輩が育つためには、
熱々の案件を任せていかなければなりません。

 

その時の渡し方には気を付けましょう。

 

丁寧に渡すわけでもなく、全て丸投げするでもなく、部下や後輩の習熟度合いに応じ、やや厳しめな渡し方が良いです。

 

一方で、仕事を任される部下や後輩は、熱々なうちに案件を進めてしまわなければなりません。

 

受け取った熱々案件を自分の手で持ったままでは、火傷してしまいます。

 

例えば、期日が迫ってから案件の進捗が遅れていることがばれる、何をしたらいいかわかっていないが確認せずに放置しているなど、
実際に火傷を負うわけではありませんが、社会人としては大火傷です。

 

人材育成で悩まれている方や中々スキルアップできずに悩まれている方は、
仕事の渡し方や案件の状態を見直し、熱々の案件に対応していきましょう。

 

中小企業診断士 木戸 貴也

考え方
未来の顧客に視野を広げる

こんにちは、伊藤です。

「顧客」を考えた時にどのようなお客様を思い浮かべますか?
多くの方は「今の目の前の顧客(既存顧客)」を考えられるかと思います。

目の前の顧客は、現在の企業の売上、利益を支えてくれている存在であり、その顧客が最初に思い浮かぶことは当然かもしれません。
しかし、顧客からの売上拡大を考えなければならない時にも、スタッフの提案力の強化や、リピート購入に向けた施策など、既存顧客からの売上向上しか考えられていない経営者の方が時々いらっしゃいます。

もちろん、既存顧客からの売上は重要ですが、
既存顧客への販売だけでは限界があります。
企業が成長を続けていくためには、「既存顧客を大切にしながらも未来の顧客(新規顧客)にアプローチし、新たな市場を獲得していくこと」が重要です。

新規顧客に商品を購入して貰うために、まず一番重要なことは「認知」されることです。
新規創業や新規事業を行った際に「いい商品を販売しているのに売上が上がらない」と、事業が失敗してしまう事例が多く存在します。
もちろん商品の品質は大切な要素ですが、まず「認知」されなければ、何も始まりません。
少し厳しい言い方をしますが、その商品がいくら素晴らしいものであっても、「認知されていなければ、顧客からは存在していないことと同じ」だからです。

顧客が購入に至るまでのプロセスとしては、
AIDMAの法則(①ttention:注意・注目→②Interest:興味関心→③Desire:欲求→④Memory:記憶に残る→⑤Action:行動)というフレームワークが用いられることが多いです。



その他にもAISCEAS(①注意→②興味関心→③検索・情報収集→④比較→⑤検討、→⑥購入→⑦共有)やAIDCAS(①注意→②興味関心→③欲求→④確信→⑤購入→⑥満足)などが利用されることもありますが、どの場合においても購買活動の最初は「注意を引きつけて、自社の商品を認知して貰う」ことが必要であると言われています。

中小零細企業にとって、認知されることは難しそうだと考える方もいるかもしれませんが、InstagramTikTokなどのSNSでの発信は、広告費もかからず、比較的容易に始められます。
その他にも展示会への出展、地元のイベントへの参加や、他企業・異業種とのコラボレーション企画を行うことも有効です。

当社もこれまで、中小企業診断士事務所であることから、中小・零細企業のお客様をご支援の範囲と考えていましたが、中堅企業の方も、中小・零細企業の方と同じような経営に関するお悩みごとを抱えられているということを知り、最近では、中堅企業様への経営支援サービスも開始しています。
現在では、当社の存在を知ってくださった中堅企業様から多数ご相談をいただいております。

見えない顧客へのアプローチは不安もありますが、「もともと売上がゼロなので、失敗しても売上が下がることは無い。」と思い切って、「未来の顧客」獲得に向けたアプローチをしてみましょう。

伊藤 侑加

考え方
社員のモチベーションを左右する2要因

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。

 

経営者の方とのお話の中で、「社員のモチベーション」に関するお悩みをお聞きすることが増えました。

 

社員のモチベーション向上に効果的なアプローチ方法の1つが、心理学者のフレデリック・ハーズバーグによって提唱された「動機付け・衛生理論」です。

この理論は、社員のモチベーションの上下に関わる要因を「動機付け要因」と「衛生要因」の2つに分類する考え方です。

 

・動機付け要因

動機付け要因は、仕事に対する積極的な態度を引き出す要因です。具体的には、成長や達成感、責任感などがあり、これらが満たされることでモチベーションは上昇します。一方で、十分に満たされなかったとしても不満とは感じず、モチベーションの低下には繋がりません。

 

・衛生要因

衛生要因は、仕事に対する不満を取り除くための要因です。具体的には、職場での人間関係や業務環境、給与、労働条件などがあり、これらに不満があると社員のモチベーションは低下します。逆に十分に満たされたからといって仕事に対してモチベーションが上がるわけではありません。

 

動機付け要因はモチベーションをゼロからプラスにするための要因、衛生要因はモチベーションをゼロからマイナスになる要因と考えることが出来ます。

 

多くの経営者は、社員の不満解消のために給与や福利厚生を見直せば社員のモチベーションが上がると考えていますが、それだけでは動機付けが不十分であると言えます。

社員のパフォーマンスを向上させるためには、衛生要因の適切な整備と動機付け要因の強化の両面からのアプローチが不可欠です。

 

・衛生要因の整備

衛生要因の整備では、現状の職場環境や報酬制度の見直しを行います。例えば、評価基準が明確である透明な評価制度を導入することで公平性を感じさせたり、職場の人間関係が良好になるようチームビルディングの機会を提供することで、不満が生じにくい環境を整えます。

 

・動機付け要因の強化

動機付け要因を強化するためには、社員が成長を実感できる機会を提供することが重要となります。例えば、社内の研修制度やキャリア開発プログラムを充実させたり、仕事に対して自ら考え、行動する裁量を与えたりすることで、社員が「自分の仕事に意義を見出し、やりがいを感じる」ように促すことができます。また、上司や経営者が社員の成果を定期的に評価し、成果を認めて称賛することで、社員はより一層の達成感を得ることができます。

 

動機付け・衛生要因理論は、社員のモチベーション向上において有効な考え方の1つです。衛生要因で不満を抑え、動機付け要因で社員がやりがいを感じられるようにすることで、社員の積極性を引き出し、組織全体の生産性を高めましょう。

 

中小企業診断士 杉本貴弘