意図的に“踊り場”をつくる考え方
フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
七走一坐(しちそういちざ)という禅の言葉があります。
多くの人は聞いたこともない言葉だと思いますが、漢字からその意味を推察できますね。
直訳すると「7回走ったら1回座りなさい」という意味です。
真面目な経営者ほど「休まずに一生懸命に働かなければならない」という強迫観念にも似たような考え方をしている方も少なくはありません。
私も小さな会社ですが経営をする立場なのでよくわかります。
また、経営者でなくとも真面目で仕事に対して一生懸命な人ほど、走り続けなければならないと感じている人もいることでしょう。
かくいう私も体力的にも精神的にも若い時から鍛えられていますので、長期間にわたってハードワークができます。
しかし、個人の働き方も経営も意図的に踊り場を作り、一度休む(休息という意味ではなく、作戦を練る時間、仕事の段取りを行う時間、大局観を考える時間を確保する)ことはとても大切だと若いころに叩き込まれました。
当社の社員も基本的に真面目ですので、がむしゃらに目の前の仕事に取り組もうとしますが、方向も確認せずに突き進んでいるなと感じることもあります。
当社のように単なる社員の暴走や早とちりなら良いのですが、中小企業の経営者がこれでは困ります。
経営も与えられた仕事も、すぐにとりかかるのではなく、いったん立ち止まり、今の立ち位置から全体を俯瞰する時間を設けることが大切だというのが、禅の教えですので、これまでの流れや今後の展開を整理して、これからどう進んでいくかをノート、手帳、ペンをもって整理しましょう。
立ち止まる事こそ、最もゴールに到達するための近道なのです。もちろん、立ち止まってばかりでは前に進みませんが、物事がうまくいない時こそ七走一坐くらいが丁度良いのではないでしょうか。