組織・人材育成
経営改善について
考え方
意図的に“踊り場”をつくる考え方
フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。
七走一坐(しちそういちざ)という禅の言葉があります。
多くの人は聞いたこともない言葉だと思いますが、漢字からその意味を推察できますね。
直訳すると「7回走ったら1回座りなさい」という意味です。
真面目な経営者ほど「休まずに一生懸命に働かなければならない」という強迫観念にも似たような考え方をしている方も少なくはありません。
私も小さな会社ですが経営をする立場なのでよくわかります。
また、経営者でなくとも真面目で仕事に対して一生懸命な人ほど、走り続けなければならないと感じている人もいることでしょう。
かくいう私も体力的にも精神的にも若い時から鍛えられていますので、長期間にわたってハードワークができます。
しかし、個人の働き方も経営も意図的に踊り場を作り、一度休む(休息という意味ではなく、作戦を練る時間、仕事の段取りを行う時間、大局観を考える時間を確保する)ことはとても大切だと若いころに叩き込まれました。
当社の社員も基本的に真面目ですので、がむしゃらに目の前の仕事に取り組もうとしますが、方向も確認せずに突き進んでいるなと感じることもあります。
当社のように単なる社員の暴走や早とちりなら良いのですが、中小企業の経営者がこれでは困ります。
経営も与えられた仕事も、すぐにとりかかるのではなく、いったん立ち止まり、今の立ち位置から全体を俯瞰する時間を設けることが大切だというのが、禅の教えですので、これまでの流れや今後の展開を整理して、これからどう進んでいくかをノート、手帳、ペンをもって整理しましょう。
立ち止まる事こそ、最もゴールに到達するための近道なのです。もちろん、立ち止まってばかりでは前に進みませんが、物事がうまくいない時こそ七走一坐くらいが丁度良いのではないでしょうか。
関連記事はこちら
組織・人材育成
こんにちは、経理・総務の松野です。
弊社では、毎月1回、全社員が参加する全体会議を実施しており、その中で私が担当している議題「経理・総務より」を発表しております。
この議題では主に、
中途採用の進捗状況
スケジュール共有
社内ルールの変更点
業務改善の取り組み
自社の試算表の状況
について報告しています。
私はもともと、大人数の前で話すのが得意ではなく、その場で即興で話すことも苦手です。そのため、事前に発表内容を整理し、議題に入力したうえで会議に臨むようにしています。
また、発表時には「PREP法」を意識して話すようにしています。
PREP法とは、
結論(Point)を最初に提示
理由(Reason)や具体例(Example)で根拠を示す
最後に結論(Point)を再度強調
という順序で伝える方法です。
だらだらと話してしまうと、「結局どうしたいのか」が相手に伝わらず、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性があります。結論から先に伝えることで、情報を効率よく、相手にわかりやすく届けることができます。
最初は「えーと」と言葉に詰まったり、話が長くなってしまったりしましたが、毎月継続して発表を行うことで、自分なりの型ができ、事前準備にかかる時間も徐々に短くなってきたと実感しています。
会議での発表が苦手でも、
どうすれば相手にわかりやすく伝えられるか
どうすれば自分の苦手意識を減らせるか
を考え、トライアンドエラーを重ねることで、自分なりの伝え方の型を見つけることが大切だと気づきました。
経理・総務としては、社員間で「知っている人だけが知っている」という情報の非対称性をなくし、誰もが必要な情報を得られる環境を作っていくことが使命だと考えています。
今後も、トライアンドエラーを繰り返しながら、よりわかりやすく、伝わりやすい発表を目指してまいります。
経理・総務 松野あやか
組織・人材育成
こんにちは、経理・総務の松野です。
前回は、相手の言葉の奥にある意図や本当の課題に気づく重要性についてお話しました。
今回は少し視点を変えて、自分自身との向き合い方について共有したいと思います。
現在、私は新しい業務を担当しており、その過程で「アイデアが煮詰まって出てこない」「選択肢を絞り込めず、何を残して何を捨てればよいのか判断できない」「考えすぎて行動に移せない」といった状況に直面しました。
業務を進めたいのに、頭の中では選択肢ばかりが増えてしまい、前に進めないもどかしさを感じていました。
そんなとき、一緒に業務を担当することになった上司に相談し、印象に残る言葉をもらいました。
「多くのアイデアや情報を足し合わせるのではなく、引き算をすることで整理され、新たな気づきが生まれる。」
その言葉をきっかけに、私は「不要なものを引く」という視点を意識するようになりました。
すると、問題の核心が見えやすくなり、課題を発見し、解決策にたどり着ける感覚を得られたました。
仕事において、「これをやってみよう」「これを取り入れてみよう」と足すことは比較的簡単に行動に移せます。一方で「これはやめよう」「これは外そう」といった引き算の決断は難しいと感じます。
なぜなら、引いてしまうことで本来必要なことまで取り除いてしまうのではないかという不安がつきまとうからです。
しかし、思い切って余分なものを引いてみると、本当に集中すべきことが浮かび上がってきます。これは業務に限らず、日々の習慣や情報の取り入れ方にも通じる考え方かもしれません。
もし今、考えすぎて動けない状況にある方がいれば、ぜひ引き算の発想を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
本当に大切なことにエネルギーを注げるようになるはずです。
経理・総務 松野 あやか
組織・人材育成
こんにちは、経理・総務の松野です。
最近は、経理・総務・人事の役割として、メンバーと1対1で話す機会や、複数人で意見を交わす場面が増えてきました。その中で改めて感じているのは「相手の言葉の奥にある意図や本当の課題に気づくことの大切さ」です。
私が日々意識していることを少し共有させていただきます。
これまでの私は、話を深めたいときに「とにかく質問を重ねる」ことでしか会話を広げられない傾向がありました。
質問することは大切な姿勢のひとつですが、それだけでは相手の思いや本音にたどりつけないこともあると感じています。
そう気づいてからは、まずは相手の言葉をしっかり受け止め、理解を示すことを意識するようになりました。
その方法のひとつが「リフレーズ」です。相手の言葉を自分なりに言い換えて返すことで、「ちゃんと聞いてもらえている」という安心感を与えると同時に、会話を自然に深めることができます。
特に効果的だと感じているのが、相手の最後の一言を疑問形にして返す「疑問形リフレーズ」と、会話の中で出てきた重要なキーワードを繰り返して深掘りする「キーワードリフレーズ」です。
私自身も「最近忙しくて大変で…」と話してもらったときに、「忙しいんですね?」と返すだけで、「そうなんです、実は…」と自然に続きが出てきた経験があります。
一方で「キーワードリフレーズ」では、たとえば「新しい業務でプレッシャーを感じていて…」という言葉に対し、「プレッシャーを感じているんですね」と繰り返すことで、さらに詳しい状況や気持ちを引き出せるようなイメージです。
小さな工夫ですが、傾聴とリフレーズを組み合わせることで、自然と本音や課題に近づけるのだと実感しています。
まだまだ試行錯誤の途中ではありますが、こうした会話の工夫を重ねながら、メンバーが安心して話せる環境をつくっていければと思います。
経理・総務 松野 あやか