考え方

人は目先の利益を優先する

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。
 
人が意思決定をする際、しばしば目先の利益を優先する傾向があります。これを「現在志向バイアス」と呼びます。
このバイアスは、即座に利益を得ることに焦点を当て、将来の影響を無視する傾向があることを意味します。
では、なぜ多くの人は「目先の利益」を優先するのでしょうか。
 
1つは、情報の欠如や不確実性による不安の影響です。将来についての不確実性が高い場合、人々は目先の利益を得ることに重点を置く傾向があります。
将来に起こるかもしれないことに対する不安や恐れを軽減するために、今すぐに得られる利益を最大化しようとする傾向があるためです。
 
たとえば、今すぐもらえる1万円と1年後貰える2万円であれば、不確実な1年後の2万円より今すぐもらえる1万円を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
夏休みの宿題を序盤に終わらせずに最終日ギリギリまで残してしまうのも、夏休みの後半に必ず遊べるという保証が無いからです。
1年後に2万円をもらった方が収入は大きく、夏休みの宿題を最終日に一気に終わらせるのは大変だとわかっていながらも先に遊ぶことを優先してしまう、これが現在志向バイアスです。
 
2つ目は、社会的な価値観や文化の影響です。特定の社会や文化においては、目先の利益を追求することが重要視されることがあります。
たとえば、利益追求を優先するビジネス文化が浸透している社会では、企業が短期的な利益を優先することが多いかもしれません。
 
しかし、目先の利益を追求しすぎることで社会的信用を失うリスクも存在します。
そのため、長期的な視野を持って、持続可能な判断をすることが、重要であると言えます。
 
現在志向バイアスの存在を知り、自身や会社にどの様な影響を与えているかを把握し、仕事や勉強を先延ばしにすることや目の前の売上げに走ることなく、長期的な視野で自己実現や企業の成長に取り組んでみてください。

中小企業診断士 杉本貴弘

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考え方
「フラッグシップ経営に入社して感じたこと」

皆さん、はじめまして!
2025
9月にフラッグシップ経営に入社した近藤です。

 

入社してから約2週間。振り返ると、社内の朝礼やブログ、ニュースレターなどで日々たくさんの学びや気付きを得られる環境に、本当に恵まれているなと感じています。私でも「もっと頑張りたい」「しっかり成長したい」と前向きになれているのは、この刺激的な環境のおかげです。

 

特に変わったのは、勉強への姿勢です。もともと学ぶことは続けてきましたが、今は中小企業診断士の勉強に本気で取り組んでいます。正直、夜になると眠くなって「今日はやめちゃおうかな」と思うこともありますが(笑)、そんな時も「ここで踏ん張れば成長につながる!」と自分を奮い立たせて机に向かっています。小さな一歩でも積み重ねることで自信になり、「やればできる」という気持ちが以前より強く持てるようになりました。

 

また、生活習慣も少しずつ改善しています。これまではついスマホをダラダラ見てしまうことが多かったのですが、通知をオフにして集中できる環境をつくったり、朝を少し早く起きて勉強の時間にあてたりと工夫を始めました。

 

最初は「本当に続くのかな?」と半信半疑でしたが、習慣を少し変えるだけで時間を有効に使えるようになり、「意外とやれる!」と自分自身の可能性に気付くことができました。

 

これからも勉強と習慣改善をコツコツ続けて、成長を自分のものにしていきたいと思います。そして、その学びや経験をクライアントの皆さまへの価値提供につなげられるよう、全力で取り組んでいきます。

 

まだまだ未熟ではありますが、この小さな変化を大切にしながら、一歩ずつ前へ進んでいきたいです。どうぞよろしくお願いいたします!

 

考え方
引き算から生まれる発想と気づき

こんにちは、経理・総務の松野です。

 

前回は、相手の言葉の奥にある意図や本当の課題に気づく重要性についてお話しました。

 

今回は少し視点を変えて、自分自身との向き合い方について共有したいと思います。

 

現在、私は新しい業務を担当しており、その過程で「アイデアが煮詰まって出てこない」「選択肢を絞り込めず、何を残して何を捨てればよいのか判断できない」「考えすぎて行動に移せない」といった状況に直面しました。

 

業務を進めたいのに、頭の中では選択肢ばかりが増えてしまい、前に進めないもどかしさを感じていました。

 

そんなとき、一緒に業務を担当することになった上司に相談し、印象に残る言葉をもらいました。

 

「多くのアイデアや情報を足し合わせるのではなく、引き算をすることで整理され、新たな気づきが生まれる。」

 

その言葉をきっかけに、私は「不要なものを引く」という視点を意識するようになりました。
すると、問題の核心が見えやすくなり、課題を発見し、解決策にたどり着ける感覚を得られたました。

 

仕事において、「これをやってみよう」「これを取り入れてみよう」と足すことは比較的簡単に行動に移せます。一方で「これはやめよう」「これは外そう」といった引き算の決断は難しいと感じます。

 

なぜなら、引いてしまうことで本来必要なことまで取り除いてしまうのではないかという不安がつきまとうからです。

 

しかし、思い切って余分なものを引いてみると、本当に集中すべきことが浮かび上がってきます。これは業務に限らず、日々の習慣や情報の取り入れ方にも通じる考え方かもしれません。

 

もし今、考えすぎて動けない状況にある方がいれば、ぜひ引き算の発想を取り入れてみるのはいかがでしょうか。

本当に大切なことにエネルギーを注げるようになるはずです。

経理・総務 松野 あやか

考え方
書くことは最高の思考整理術

フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

今回は「書くこと」についてです。

 

現代では、スマートフォンやパソコンが私たちの生活に深く根ざし、ほとんどの文字入力はキーボードで行われています。

 

タイピングは効率的で速い。それは間違いありません。

 

しかし、速さゆえに見過ごされがちな大切なことがあります。それは、「考える」時間です。

 

キーボードで文字を打ち始めると、思考よりも指が先に動いてしまい、頭の中の情報をただ羅列するだけの文章になってしまいがちです。

 

一方で、ペンを握ってノートに向かうとき、指はそこまで速く動きません。

 

一文字一文字、丁寧に、時間をかけて書くことになります。

 

このゆっくりとした時間の流れが、書くことと考えることを同期させてくれます。

 

書くことは、ただ情報を記録する行為ではありません。

 

自分の内側にある思考と向き合い、それを形にする創造的なプロセスです。

 

特に、パソコンのキーボードではなく、「手で書く」ことには、デジタルでは得られない特別な意味があります。

 

また、「手で書く」習慣は、単なるメモ術を超えた、強力な思考整理ツールになります。

  • アイデアの可視化: 頭の中の漠然とした考えを、文字や図、矢印を使って可視化できます。関連するアイデアを線で結んだり、重要な箇所を囲んだりすることで、思考の全体像が明確になります。
  • 感情のデトックス: 心の中がモヤモヤしているとき、その感情をそのままノートに書き出すことで、心の整理ができます。怒り、不安、悲しみといったネガティブな感情も、文字にすることで客観的に見つめ直せるようになります。
  • 創造性の刺激: 何か新しいアイデアを生み出したいとき、白紙のページに自由に言葉を並べていくことで、思いもよらない発想が生まれることがあります。まるで、脳のストレッチをしているようなものです。

 

習慣化するためのヒント

「手で書く」習慣は大袈裟に考えず気楽に捉えましょう。

 

高価なノートや万年筆を用意する必要はありません。

 

手のひらに収まる小さなメモ帳や、100円均一のノートでも十分です。

 

大切なのは、「毎日少しずつ、書く時間をつくる」ことです。

  • 「朝活」として:朝、目が覚めたらすぐにノートに向かい、その日の目標や、頭に浮かんだことを書き出す。
  • 「寝る前の儀式」として:寝る前にその日あった出来事や感謝したいこと、反省点を書き出す。
  • 「持ち歩く」習慣:いつでもメモできるように、小さなノートとペンをバッグに入れておく。

 

デジタル派の人も心配いりません。

 

最近では、iPadのようなタブレット端末で、ペンを使って手書きできるアプリもたくさんあります。

 

画面越しでも手で文字を書くことの感触や、思考のプロセスを追体験できます。

 

重要なのは、キーボードで速く入力するのではなく、「考えながら、手で文字を形にする」ことです。

 

書く習慣がもたらすもの

書くことは、自分自身と向き合うための最もシンプルな手段です。

 

書く習慣を身につけることは、思考を深め、心を整え、創造性を育むことにつながります。

たった数行のメモでも、一日の終わりにノートを振り返れば、その日の自分の考えや行動がはっきりと見えてきます。

 

それは、まるで自分だけの航海日誌のようです。

 

今日から、少しだけ書く時間をつくってみませんか?

 

小さな一歩が、きっとあなたの人生を豊かにしてくれるはずです。