考え方

プレゼン資料の作成はスキルの総合格闘技

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

 

パワーポイントでのプレゼン資料の作成や会議での報告資料の作成など経営コンサルタントの業務には膨大な資料作成が求められます。

「文章を書くのが苦手」、「キレイにまとめるデザイン性がない」、「論点を構造化できない」など言っていては話になりません。

 

資料作成が苦手、作業が遅い、ロジックが繋がっていないなどと感じる方は、

恐らく『資料作成に必要なスキル=資料を作成する工程のスキル』に意識がフォーカスしすぎているように感じます。

 

実際にプレゼン資料を作成するとなると、ざっと

『ゴールの決定→論点の整理→情報の収集→論点の構造化→図や表にまとめる→資料を作成する→実際にプレゼンする』

の各工程のスキルが必要なことを意識しなければなりません。

 

どれか1つでも欠けているとプレゼンを聞いていても何を主張したいのか、どんなスタンスで発信しているのか、

など的を得ないものに感じてしまいます。

 

私の場合、パワーポイントでスライドを作成する前段階で、プレゼン時間の中で話す内容、話の展開を概ね決めてしまってから、

具体的なスライドの作成に入ります。30分、1時間、2時間とプレゼン時間やテーマによって、ゴールを明確にするためです。

 

プレゼンを聞いた方々に『どのような状態になっていてほしいのか?』、『どのように理解し、意思決定してほしいのか?』などを

より鮮明にイメージできるまで、資料作成もその前の論点の構造化も、情報の収集も論点の整理も行いません。

 

全てはゴールを決めるところからスタートするため、いざ資料作成にかかりだすとプレゼン資料が出来上がるまではあっと言う間です。

途中でブレたり、主張が変わったりしないので、やり直しの時間ロスもありません。

 

目的思考、論点思考、クリティカルシンキング、ロジカルシンキング、リサーチ力、文章構成力、図解思考、

デザイン力、プレゼン力などプレゼン資料から実行までは多種多様なスキルが必要です。

 

上手くまとめられないな、上手く話せないなと感じることがあれば、自分がどの工程のどのスキルが不足しているのかを検討し、

資料作成を見直してみてはいかがでしょうか。

中小企業診断士 木戸 貴也

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考え方
「売れない理由」ではなく「選ばれない理由」を探る視点

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

西日本も梅雨明けで、本格的に夏が到来しました。

 

6月中に梅雨が明けるのは異例ですね。

 

猛暑に対しての心の準備はまだできていませんが、倒れないように頑張ります!

 

さて、今回はマーケティングのお話です。

 

支援先様でも「売れない」「売り上げが伸びない」という話が多いです。

 

それもそのはずで中小企業や零細企業はほとんどの会社がマーケティング活動を何もしていません。

 

売れない理由を並べて終わるのが、中小企業の会議です。

 

しかし、重要なのは商品やサービスが「売れない」と感じたとき、「価格が高すぎたのか」「機能が足りなかったのか」「プロモーションが弱かったのか」といった“売れない理由”を探すのではなく、「選ばれていない」ことが問題と認識すべきです。

 

この“視点の違い”が、戦略の方向性を大きく変える鍵となるのです。

 

「売れない理由」を探すことは、“我々の反省”をすることと同義です。

・価格設定を見直す
・商品説明をもっと丁寧にする
・SNSでもっと投稿する

といった、プロダクトアウト的な視点です。

 

一方で「選ばれない理由」を探すことは、“市場(顧客)の視点”に立つことを意味します。

・顧客の選択肢の中で、自社はどのように見えているか
・そもそも「選択肢」にすら入っていないのではないか
・顧客が重視している価値は、価格や機能とは別のものではないか

 

つまり、「なぜ選ばれていないのか」という問いには、自社の価値の定義そのものを見直す必要性が含まれています。

 

現代の市場は、情報過多・商品過多の状態です。顧客は「どれを選んだらいいのか」を迷っているというより、「どれにも決め手を感じていない」状態にあります。

このような時代においては、「うちの商品はいいですよ」というアピールだけでは不十分です。

顧客の頭の中に“選択肢としてインストールされる”ためには、明確なポジショニングが不可欠です。

たとえば次のような問いが有効です。

  • この商品・サービスは「誰の」「どんな悩み」を解決するためのものか?

  • 顧客は、競合ではなくなぜうちを選ぶのか?

  • 顧客が「選ぶとき」に基準としている価値観は何か?

このように「選ばれる条件」を言語化できる企業は、価格競争やスペック競争に巻き込まれにくくなります。

選ばれるためには、顧客の理解レベルに合わせた表現力と共感力が問われます。

 

このように売れない理由を自社の中に求めるのではなく、選ばれない理由を顧客の視点から問い直しましょう。

 

中小企業の多くは「いい商品なのに売れない」という悩みを抱えています。

 

しかしそれは、商品の本質的な価値が“まだ伝わっていない”だけかもしれません。

 

 

だからこそ今、改めて問うべきです。

 

「誰が、なぜ、うちを選ぶのか?」

この問いの答えを言語化し、伝えることができれば、自然と選ばれ、売れるようになります。

 

顧客視点での価値をどのように見せるか、そういう会議や取り組みを増やしてはいかがでしょうか。

 

それではまた次回です。

 

考え方
『報・連・相』は、安心を届けるツール

こんにちは、経理・総務の松野です。

 

私は、経理・総務をひとりで担当しており、他部署との連携や情報共有が欠かせない立場にあります。

 

前回のブログでは、「会社で服装自由化を導入して感じたこと」についてお話ししました。

その中で、役職や職位によって意識するポイントが異なるという気づきをご紹介しましたが、今回はそこから派生して、「報告・連絡・相談(いわゆる報・連・相)」について考えてみたいと思います。

 

これまで私は、「報・連・相は、しないと怒られるからするもの」という感覚を持っていたように思います。
ですが最近、その考え方が少しずつ変わってきました。

 

経理・総務の業務は、社内の手続きや制度対応など、“あって当たり前”とされがちな仕事です。

 

しかし実際には、ちょっとした情報の伝達漏れやタイミングのズレが、業務全体に影響することもあります。

 

だからこそ、気づいたことや変化を「伝えておく」ことで、相手に安心してもらえる。
そして、自分自身も「伝えてあるから、あとは任せて大丈夫」と感じられる。

 

つまり、「報・連・相」は「しないと怒られる」ためのものではなく、「しておくことで、相手にも自分にも安心を生む手段」なのだと、今は感じています。

 

これからも、「業務を進めるための道具」としてだけでなく、「信頼や安心を届けるコミュニケーション」として、報・連・相を大切にしていきたいと思います。

 

経理・総務 松野 あやか

考え方
確認会話の重要性と活用方法

近年、効率的かつ正確なコミュニケーションが求められる場面が増えています。特に、仕事やプロジェクトの進行において「確認会話」は欠かせない要素です。

 

まず、確認会話とは情報を正確に伝達し、誤解やミスを防ぐために行われるコミュニケーションプロセスであり、ビジネスだけではなく教育や家庭といったあらゆる場面で使用されます。

 

【確認会話の具体例】

A:この資料はどこにありますか。

 B:右の棚の2番目にあります。

 A:一番右の白い棚の上から2番目の引き出しですね。

 

A:会議で作成する資料はいつまでに完了させる必要がありますか。

 B:会議の前日の帰社までに一度提出してください。

 A:私(A)が帰社する19時までに提出するということですね。

 

聞いた会話を同じように復唱するよりも、別の言い回しで問いかけることでお互いの認識を一致させることができます。もし確認会話を行わなかった場合、①では違う棚を探してしまうことや、②では正確な時間が伝わらないことが想定されます。このような認識の相違は、誤解から起こるミスや業務の遅延、不信感の発生などが生じる恐れがあり、確認会話はとても重要なコミュニケーションの一つと言われています。

 

確認会話を上手く活用するためには、会話の目的や目標をあらかじめ共有することや会話の方向性を定めることが有効とされており、自分が聞き手側として会話をする際、話の目的が事前に分かっている方がより良い返答ができるような気がします。

 

日々の業務や人間関係において、ぜひ皆様も「確認会話」をご活用ください。

 

造田朋夏