考え方

今の自分を形作ったものを知っている

皆さん、こんにちは。フラッグシップ経営代表、中小企業診断士の長尾です。

 

Amazonで面白そうな本を探しては片っ端からクリックしている私ですが、最近見つけた面白い本は「セルフ・アウェアネス」という本です。

 

直訳すると「自分に気付く」ということですが、意訳すると「自己認識」です。

 

「自分のことを理解しなければいい仕事も、いい人生も手に入れることは難しい」というのがすごくザックリした要約です。

 

 

 

 

 

この本の中で、私が気に入ったのは「成功者は今の自分を形作ったものを知っている」という切り口です。

 

過去に出会った人、過去に起こった出来事、育ってきた環境などの中から成功するための声に耳を傾け、自分の成功に繋げてきたということです。

 

例えば、「身長が低いことでからかわれたが、そのおかげで自分を守ってくれる強い友達を見つける術を覚えた」など、偶然や運で片づけるのではなく、自分が成功したターニングポイントを把握しているということです。

 

 

大きな成功を収めている人は、周りの声に対して耳を傾け、その声が決定的な瞬間であると分かっており、それが生涯にわたって潤いをもたらしているとあります。

 

 

経営でも自分の人生でもうまく行くキッカケを与えてくれる人はいるにもかかわらず、素直に耳を貸すことができないケースは確かに多いと私も感じます。

 

 

経営に関するアドバイスをしても、言い訳、やらない理由を延々と言っている経営者も少なくないですし、そのような会社はいつも赤字です。

 

 

成功するためには今の自分を形作ったものを知る。

 

 

このフレーズだけでもこの本を購入した意味があったと感じています。

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考え方
空、雨、傘

こんにちは、中小企業診断士の木戸です。

コンサルタントによって、考え方はそれぞれなのですが、私は「事実を解釈ではなく客観的に捉えること」を大切にしています。
解釈は人それぞれですし、同じ人でも状況が変われば別の解釈をするものです。

1人で仕事をしているのであれば、それでいいのですが、コンサルタントは1人で仕事が完結することがありません。

クライアント、銀行などの債権者、関係士業など当社の担当者としては1人で働いていても
必ず他者との調整や共通認識を持つタイミングがあります。

この際、お互いに解釈だけで話し合っていてはお互いの主張で終わってしまうことがあり、
事実は事実として捉え、共通認識の事実とすることで、お互いの解釈に理解を深めることができます。

一方で、事実を分析しているだけでは、何をすべきなのか、仮説をどのように立てるのかと
具体的なアクションに繋がりにくい特徴もあります。

コンサルティング業界で有名な言葉に「空、雨、傘」という言葉があります。

これは、『空が曇ってきたから、今日は雨が降りそうだ、だから傘を持っていくべきだ』というものであり、
事実を正確に認識し、事実を基に解釈し、解釈を基に行動を導くことの重要性を示す言葉です。

ロジカルシンキングの考え方に「So What?(だから何?)」、「Why So?(それはなぜ?)」があり、
結論と根拠をスムーズに理解するための手法です。

同じ事象を見たとしても、当事者の経験や役職、価値観などによって、「So What?(だから何?)」が変わってきます。

例えば、為替変動があり、ドル安円高が進行した際、「輸出企業にとっては不利になり、輸入企業にとっては有利となる」のであれば、
同じドル安円高という事実であっても、各企業の解釈とその後の行動が変わってきます。

社内会議でのディスカッションや取引先との打ち合わせ時など、日頃から「事実」、「解釈」、「行動」を
切り分けて考える習慣をつけるとコミュニケーションが少しでも円滑になるのではないでしょうか。

中小企業診断士 木戸 貴也

考え方
地方の経営者が持つべき経営のアンテナ

こんにちは、中小企業診断士の杉本です。

 

先日、友人とお互いの近況の話をした際に、「昔ほど〇〇についてアンテナが立たなくなったね」ということがありました。

興味の移り変わりもあるので、プライベートでは問題ないでしょう。

しかし、会社経営においては、経営者は日々の業務に追われる中でも、常に環境の変化やトレンドに敏感でなければなりません。

 

都市部であれば人が多く情報に触れる機会も多くありますが、地方の場合は得られる情報は限られてしまいます。

逆に、そのような環境だからこそ、外部の変化やニーズに敏感であることが一層重要になります。

特に、地域密着型の中小企業では、細かなアンテナを持たなければ、周囲の変化に迅速に対応することや、事業の安定と成長を図ることができません。

 

 

まず、地方の経営者が持つべきアンテナは「地域の市場動向」です。

地方では、大都市と比較して市場規模が限られているため、消費者のニーズや購買行動の変化が事業の継続に直結します。

たとえば、人口減少や高齢化が進む地域では、若者向けのサービスだけでなく、高齢者向けの商品やサービスの開発が必要不可欠です。

また、外部からの観光客が増えているのであれば、地域の特産品や観光資源を活用した商品開発やサービス提供を行い、需要の変化に対応することが重要です。

地域の市場動向を正確に掴まなければ、判断を誤り経営が一気に傾くこともあり得ます。

 

 

次に、「地域コミュニティ」のアンテナも非常に大切です。

地方では、地域の人々との信頼関係がビジネスの成功に大きく関わります。

地元のお祭りやイベントに参加する、地元新聞や広報誌に目を通す、あるいは自治会や商工会議所の会合に出席する等で、地域社会の中で自社の認知度や信頼度を高めることができます。

地域住民や事業者と良好な関係を築くことは、新たなビジネスチャンスや提携のきっかけにもなります。

また、地元の口コミの力は非常に強いため、誠実な対応と高品質なサービスの提供を意識することで、地域全体での評判を向上させることが可能です。

 

 

「デジタル技術」に対するアンテナも重要です。

昨今では、地方でもオンラインで商品やサービスを販売する機会が増えています。

地域の特産品や地元ならではのサービスを、SNSを活用して地元だけでなく、広い範囲に発信することで、地方にいながら新たな顧客を獲得することも可能です。

コストを抑えつつ効果的にマーケティングを行うために、デジタル技術を積極的に取り入れることが大切です。

 

 

さらに、「従業員の声」に対するアンテナも必要です。

地方の中小企業では、従業員は少数であることが多く、従業員の意見が会社の運営影響を与えることも少なくありません。

従業員一人ひとりが持つ経験やアイデアを尊重し、心理的安全性の高いオープンなコミュニケーションを大切にすることで、職場環境の改善やサービスの質向上に繋がります。

 

 

最後に、「経営者自身の成長」に対するアンテナも重要です。

地方では都市部と比較して新しい情報が入りにくいというハンデがありますが、これを克服するためには、積極的に学ぶ姿勢が求められます。

最近ではオンラインによるセミナーも多く開催されておりますし、書籍から他の成功事例を学ぶことが出来ます。これらは自社のビジネスに新たな視点を取り入れる良い機会となります。

 

 

情報に触れる機会が限られている地方の経営者には、細かなアンテナを張り、感度を高めることが求められます。

上記5つのアンテナを張ることで内外の情報を積極的に掴み、柔軟に対応することで事業の成長に繋げて行きましょう。

 

中小企業診断士 杉本貴弘

考え方
部下の力を引き出す「権限委譲」とは

こんにちは、伊藤です。
9月中旬になり、朝晩が過ごしやすい気候となりました。
さて、今回のテーマは「権限委譲」です。

 

経営者や管理職層の方は、日々の業務をこなす中で「もっと部下に任せられたらいいのに」と思うことはありませんか。
そのような時に考えなければならないことは「権限委譲」です。
権限委譲とは、自分の持つ意思決定の一部を部下に任せ、その業務に対して責任を持ってもらうことです。

 

権限委譲をしなければならないと分かりつつ、
「部下が失敗することへの不安」から、なかなか実行に移せないという方も多いのが現実です。
責任を負う立場にいると、部下の失敗が全体の成果に影響を及ぼすこともあり、
「失敗させたくない」と思うのは自然なことです。
しかし、失敗することなく成長できる人材は殆どいません。
部下に新しいタスクを任せるときには、失敗のリスクを理解し、許容する姿勢であることが大切です。

 

私は、ここで重要なのは、部下の失敗をどう捉え、どう次の成功に繋げていくのかだと考えています。
失敗を恐れ、部下がチャレンジできない環境では、
上司に頼りきりになってしまい、結果として上司自身の負担も増してしまいます。
失敗があったとしても、その後のフィードバックやサポートで部下が成長できるように導いていくことが大切です。 
短期的には時間や労力がかかるかもしれませんが、
長期的な視点に立ち、寛容さを持ちながら、部下が次のステップに進めるよう、暖かく見守ることが大切です。

 

もちろん、すべての状況で失敗が許されるわけではありません。
例えば、大事な取引先との交渉や契約の締結など、会社の利益に直接影響を与える場面では、
上司の介入が必要になることもあります。
このような場面では、部下に任せる範囲を明確にすることが大切です。
あらかじめ、リスクのある業務や意思決定については上司が最終確認を行うルールを定め、
部下が安心して取り組める体制を作ることで、失敗のリスクを抑えつつ権限委譲を進めていくことが可能です。

 

また、部下に権限を委譲した後は、「任せっきり」とするのではなく、フィードバックを行うことが大切です。
フィードバックは部下が自分の行動を振り返り、改善するための貴重な機会です。
しかし、フィードバックを行う際にも工夫が必要です。
あまり頻繁にフィードバックを行うと、マイクロマネジメントとなってしまい、
部下は自分の意見を述べてはいけないと思ってしまいます。
一方で、全くフィードバックがないと、
「自分が出来ているのか分からない」と不安になり、モチベーションを失ってしまうこともあります。
そのため、フィードバックは適度なタイミングで行うことが大切です。
部下の成果で良いところは認め、改善点については次の成功に繋がるよう建設的に伝えることで、成長を促すことができます。

 

また、行動や結果については
「この箇所について、〇〇と説明していたけれど、△△にすると、説得力が増して、より良くなると思うよ。」など、具体的にフィードバックし、改善のイメージが出来るように伝え、次回行動に移せるようにできるよう働きかける必要があります。
 

権限委譲をうまく進めるためには、上司と部下の間のコミュニケーションが非常に重要です。
部下に仕事を任せるだけでなく、上司としての考え方や期待をしっかりと伝え、
コミュニケーションをとりながら進めていきましょう。
また、部下が安心して意見を述べられる環境を作らなければなりません。
部下からのフィードバックも受け入れる姿勢を持ち、対話を通じて相互理解を深めることが大切です。

権限委譲は、上司が部下に信頼を置き、自主性を引き出すことでチーム全体の力を向上させる重要な手段です。
上司は失敗を許容し、適切なフィードバックを行いながら、部下と共に成長していく姿勢が必要です。
効果的なコミュニケーションと信頼を築きながら権限委譲を進め、チーム全体のパフォーマンスを向上させましょう。
 

伊藤 侑加